ネイマールさんのお仕事@バルセロナ


Pocket
LINEで送る


なかなか今シーズンの欧州サッカーを観れていなかったのだが、せっかく入っているWOWOWを遊ばせておくのも勿体ないので選手名鑑の発売を機にサッカー観戦ライフを再開させることにした。

ただ漫然と観ても身にならないので、必ず自分なりのテーマをもって観戦することにした。そして観戦中に考えることをブログの記事としてまとめていこうと思う。ブログ記事になるほどまとまらなかった場合は、フェイスブックノートにでもメモを残しておこう。

最初はあまり良い記事にならないと思うが、練習を兼ねて100試合を目標に書いていこうと思う。

スポンサーリンク

2013-14 リーガエスパニョーラ 第四節 バルサvsセビージャ

テーマ 「ネイマールはバルサでどういう仕事をしているのか」

大きく話題を呼んだネイマールの移籍。バルサではどういう使われ方をするのか、メッシとは共存できるのかなどという議論が巻き起こったが、監督の交代などもありバルサのシステムが変わることも考えられたため予想は難しかった。

l~3節の試合を観ていないので、あくまでも4節だけを観た所感ではあるがまとめてみようと思う。

バルサのフォーメーションはこんな感じ。

ネイマール   メッシ   テージョ
イニエスタ   シャビ
ブスケッツ
ジョルディ マスチェ ピケ アウベス
バルデス

戦術メッシから戦術ネイマールへ?

見始めてすぐに気付いたのが、ネイマールがライン際ギリギリまで開いていたこと。文字通りラインを踏むような位置まで開いていた。

そして序盤は、ネイマールにボールを渡して、そこから崩していくという展開が多かった。ボールを持つと流石ネイマール。するするとディフェンスをかわして決定機を作っていく。

バルサというと基本は中央突破のチームだったのだが、ネイマールの加入によって横から崩していくというオプションも出来たようだ。これによって強くなるかどうかは正直わからないが、攻め手が増えたことは間違いない。

また、中央のメッシで勝負するよりも左サイドのネイマールで勝負する方が楽なんだろうと感じた。

図で説明すると……

 

スライド3

 

×はディフェンスを表す。
現代のサッカーでは、4-4のブロックを作ってゾーンで守るのがオーソドックスになっている。一回この形が出来てしまうと崩すのはなかなか難しい。

だから、強豪チームと戦う場合は、全員ベタ引きをしてブロックを作りカメのように固まるという戦術が有効になる。

しかし、この8人のブロックを崩さないと得点することはできない。バルサの場合はどうするかというと……一つにはメッシにバイタルエリアを崩してもらうというやり方がある。

スライド4

 

バイタルというのは、このディフェンスラインの間のこと。ここでボールを受けてディフェンスを引きつけたり、そのままドリブルで崩したりできると「違い」を作れる選手」ということになる。

バルサの場合には、世界一違いを作れるメッシ大先生がいるので、バイタルエリアでメッシに持たせることをチームのファーストオプションとして持っていた。実際にここでメッシが持つと、ディフェンスの隙間を見つけて細かい高速ドリブルを展開し、一瞬の隙をついてとんでもないシュートを放つのでディフェンスとしたら危なくてしょうがない。

そのため、ディフェンス側は、メッシにバイタルで持たせないための努力をすることになる。オフェンスを入れてみるとこんな感じ。

スライド5

 

メッシはこの位置にいて、イニエスタかシャビがパスを通してくれるのを待っている。この位置でボールが通ると、わずかながらに隙間があるのでドリブルができる。メッシがドリブルをすれば何かが起こる。

ドリブル始める → ファールでしか止められない → FK → メッシ砲炸裂 というコンボもある。

ただ、メッシには持たせないように警戒しているため、パスコースは文字通りボール一個分くらいしかなかったりする。

「え、そんなの通すの? 通るの?!」 

という驚きがバルサのサッカーを観るときの楽しみの一つだった。

すなわち

スライド6

 

この黄色い三角形のところのパスワークで崩していくのが1番の狙いだった。当然警戒されるので、ストライカータイプを中央に入れて、ブラジル人サイドバックのアウベスが右から崩してクロスというパターンも昨季の後半には見られた(そういえばメッシが怪我してたのもあったか)。

が、バルサとして1番強力なオフェンスはバイタルでメッシに持たせること。1度ボールを持つと、5,6人に囲まれても難なく決めてしまうという。化け物としか言いようがない。

例えばこの試合の1点目とかがバイタルで崩しているパターン。

http://youtu.be/lAHmTmQOYDM?t=15s

何度見てもとんでもないゴールだ。こういうのをやられたくないので、バイタルエリアのプレッシャーはきつくなっていく。それでもメッシは決め続けるが、メッシが怪我をしてしまうと得点力が皆無になるという問題などもあった。

さて、これがネイマールさんの加入でどうなったかというと……

スライド7

こうサイドに開いていた。図中にも示したが、ディンフェスブロックの外にいるので、ちょっと動くだけで簡単にパスが通る。

チェックのきついバイタルを避けて左サイドで崩していく。日本代表にもちょっと似ていて、日本も長友、香川、遠藤の左サイドから形を作っていく。

バルサは平均身長が低いチームなのでセットプレイに弱く、ラインが高いのでカウンターに弱い。フィジカルもあんまり強くないけど、卓越したテクニックとパスワークで崩していくというチームなので、日本代表としても学べる部分も大きいと思う。

スライド8

でも、サイドに渡しても意味がないんじゃないか?という疑問が出てくる。というのも、バルサには強力なセンターフォワードがいないので、ヘディングで押し込むことが出来ないからだ。

サイドに回してどうするのかなぁと思ったら、ネイマールが積極的にドリブルで仕掛けていた。

サッカー

やっぱりネイマールって凄いのね。ディフェンスの1人や2人なら、スペースさえあればヒラリとかわしていく。どうしようもなくなってファールする → メッシ砲 という極悪コンボがここにも完成した。

ネイマールは前半だけで6つのファールをもらっていた。記憶にある限りほとんどがペナルティエリアの近くの非常に良いポジションだった。

ネイマールが中に入ると、マークがきつくなる。すると、サイドバックのジョルディアルバや途中交代で入ったアドリアーノへのマークが緩くなる。イニエスタのところも楽になる。

ディフェンスとしては嫌な状況だ。実際、ネイマールが作った「違い」からアドリアーノがクロスをあげてファーのアウベスが押し込むという得点シーンがみられた。

これが世にも珍しい、サイドバック to サイドバックのフィニッシュ。

前半は中央からの攻撃はほとんどなくて、時折申し訳程度に右サイドのテージョのほうにも流したものの、基本的には左サイドのネイマールを中心としたオフェンスを展開していた。

あんまり削られすぎるのもよろしくないと思ったのか、後半はネイマールパターンのオフェンスはあまり見られなかった。

結論 ネイマールは左サイドから崩すという新しいオプションとして機能しつつある。

強豪相手の場合はどうなるかが楽しみだ。次のクラシコはいつかな~

その他気付いたことをメモ。

・ロングボールを使うようになった。
一度GKからFWのネイマールまでロングボールを飛ばしていた。ネイマールがトラップから一気に得点してくれる期待を込めていたのかもしれない。
それ以外にもロングボールが入るケースがあった。

これは、ショートパスだけで崩していく「チキタカ」スタイルには拘らないことの表明なんだろうと思う。アナウンサーがピケの言葉を紹介していたので引用する。

ピケ
「これまではチキタカの奴隷だったかもしれない。時にロングボールを使うのは深呼吸をするようなものだ」

ただ、これがいいことかどうかはわからない。

出来ることが増えることによって凡庸な普通のチームになってしまう危険性は大いにあると感じた。今回の記事ではそこまで書ききれないので、次回のテーマとしたい。

随分長くなってしまった。毎回こんなの書いてたら観戦が嫌になってしまうかもしれないと思いつつ……

やはりサッカーは面白い!!!と強く再確認する次第であった。

スポンサーリンク