「なんと、ぼくのインタビュー記事が世に出ました!」 宇都宮徹壱さんに徹マガの取材を受けたことの顛末について。


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宇都宮徹壱さんをご存じだろうか?

日常的にサッカー情報に浸されている人からすると「当たり前だ!!」となるかもしれないが、まずは取材してくれた宇都宮徹壱さんを紹介することから始めたい。

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宇都宮徹壱さんとは

宇都宮徹壱さんといえば、サッカージャーナリズム業界では大御所とか重鎮というカテゴリーに入るビッグネームだと言ってもいいのではないだろうか。

最近の軌跡を追ってみると、欧州で行われた日本代表vsベルギー&オランダの国際親善試合を取材し、先日ブラジルで行われたW杯の組み分け抽選会も取材しに行っている。

要するに、サッカージャーナリズムの最前線にいる方で、大きな出来事がある時は現地で取材し、詳細かつ血の通ったレポートを届けてくれる。宇都宮さんのレポートには、安定感を通り抜けて安心感を感じる。

例えば……

感慨と違和感の表彰式|コラム|サッカー|スポーツナビ

すぐ隣で、ゆっくりと落ち着いた口調で、語りかけてもらっているかのような感覚がわかるだろうか。

宇都宮さんの人柄や業績について多くを語る必要はなく、「読めばわかる」と言い切ればそれで通じる。そういう書き手だ。心から尊敬している。

しかし、ここで1つ告白しなければいけない。今では「尊敬する人リスト」に載っている宇都宮徹壱さんなのだが、実はつい最近まで知らなかったのだ!!

何故知らなかったのかというと、そもそも「サッカーライター」の名前をほとんど知らなかったというのが理由の1つだ。もう1つは、今まで自分が興味を持ってきたのは、「サッカー現象の分析」だったためだろう。フォーメーションがどうのとか戦術がどうのとかそういうものばかり調べていた。

一方で、宇都宮徹壱さんが興味を持っているのは、「サッカーの周辺文化」、いや「文化現象としてのサッカー」と言ったほうがいいかもしれない。つまり、今ぼくが興味を持ったこととほとんど同じものだ。

だから、出会った瞬間にファンになったし、次の日には著書をすべて購入した。舐めるように大事に読んでいるのでまだ全ては読めていないが、いずれの本も宝石のように素晴らしい。今自分が書きたいと思っていること、興味を持っていることを10年以上前から追っていて、それを言葉にし続けているジャーナリスト。それが宇都宮徹壱さんなのだ。

先日ぼくがサッカーライターとしてのデビュー作を書いた。テーマは香川県のチーム「カマタマーレ讃岐」だった(穏やかに始まる愛もある!J2・JFL入れ替え戦で讃岐サポから感じられたこと | フットボールチャンネル)。

この記事が世に出る7年以上前に宇都宮さんも香川を訪れ、「カマタマーレ讃岐」の取材をしている。その模様は、全国の「地域リーグ」(J1,J2、JFLよりも下のカテゴリー。現状では4部に相当。)を取材した『股旅フットボール』に掲載されている。

ひょんなことから日本サッカー界に迷いこんだぼくの視点、そのずっと先にいるのが宇都宮徹壱さんなのだ。

同じテーマを書くことにはなるが「パイセン(先輩)、まじパネッーっす!!(本当に半端じゃないです)。」といって遠慮ばかりしてはいけない。過去の宇都宮さんの記事よりも良いものを書いて、アップデートしていくくらいの気概を持たなければいけない。これは、先日Twitterで川端 暁彦さんとやり取りをしていて感じたことだ。

宇都宮徹壱さんは、ぼくにとって、絶対に目が離せないビッグネームであり、キングカズであり、マイケルジョーダンなのだ。

宇都宮さんとの出会い

そんな宇都宮さんと始めて言葉を交わしたのは、このイベントの時だった。

宇都宮徹壱さんと清水英斗さんのお話を聴いてきた@『フットボール百景×観戦力』

「はとのす」にもその時の様子をスケッチしてある。この記事を読み返していて自分で衝撃を受けたのだが、文章の最後に「とても充実した良い日になった。こういう日が人生の転機になるのかもね。」と書いてあった。その通りになったのだ。

ぼくがサッカーのテレビ観戦が好きになった切っ掛けはサッカー「観戦力」が高まるという本を読んだことだ。

その著者である海賊の清水英斗さん(@kaizokuhide)とも話すことが出来た。

このエピソードについてはいずれどこかで語りたい。それまでは、サッカーをテレビで観ても15分で眠りについていたぼくが「サッカー観戦に外れなし」という人間に変わったのは、この本を経由していたからなのは間違いないことだ。

以降、サッカーへの情熱が尋常ではなくに高まっていき、研究業界を飛び出してスポーツライターになりたいと思うようになった(この時点ではサッカーで書くことは諦めていて、ぼくは20年後にサイモンクーパーのようになるまで書かないと言い張っていた)。

ここでは紹介しきれないが、他にも多くの人と出会った刺激的なイベントだった。そのため「モチベーションが上がった」という意味を込めて「転機」と書いたのだが、違う意味でも「転機」になったようだ。

この時、宇都宮さんに簡単に挨拶して、名刺を交換させて頂いた縁が、後に徹マガのインタビュー依頼へと繋がっていく。

この日のイベントでは「2ステージ制」についての情報や見解を聞くことが出来た。そして、ぼくも自分なりに感じたことをブログにまとめた。今は違う見解を持っているが、あくまでも当時の見解としては「2ステージ制に賛成」だった。

そして、このイベントから6日後、この記事を書いてから2日後に、国立競技場に赴いた。

あくまでもJリーグの外の人として、Jリーグは海外サッカーよりもつまらないと思っていた人間として、初観戦を迎えた。そして、鹿島アントラーズが開始10分で勝負を8割方決める盛り上がらない試合を観た。テレビならばスイッチを切っていたかもしれない。しかし、スタジアムにスイッチはついていない。仕方がなくそのまま試合を観戦し続けた。そのうちに言葉にならない気持ち良さが湧いてきた。この感覚は一体なんなのか。10日間挌闘し続けた。

その結果が「Jリーグを初観戦した結果、思わぬ事になった。」という長文記事だった。

これを切っ掛けに多くの人との縁が出来た。試合やイベントに呼んでもらえるのも嬉しいことだし、サポーターの飲み会に呼んでもらえるのもとても嬉しい。スタジアムに行くのと同じくらい、サポーターの集いに行くのはとても楽しい。

サッカーで食っていけるとか、本が出せるかとか、有名になれるかとか、そんなことにはあんまり興味がない。ぼくが嬉しいのは、この記事を通じてたくさんの仲間が出来たことだ。一緒に遊んだり、フットサルやサッカーをしたり、サッカー観戦をしたり、ツイッターで言葉を交わしたりする仲間がたくさん出来た。これが一番嬉しいことだし、幸せなことだ。

ぼくはどうやら、「選手」「監督」「リーグの上層部」などよりも、サッカーファンというカテゴリーに入る人達に興味があるようだ。彼らはみんなそれぞれのやり方で、心からサッカーと「うちのチーム」を愛している。「愛」が前提だから、みんな優しくてとても気持ちがいい。もちろん、例外はあるが滅多に遭遇しない。サッカー観戦の主役は(あるいはその1人は)紛れもなく、観戦者でありサポーターなのだ。

そして、常に1人のサッカーファンという立ち位置を持ち続けているジャーナリストが宇都宮徹壱さんだと思っている。宇都宮さんから「徹マガの取材依頼」を頂いた時は、何となく「仲間に入れてもらえた」ような気がして、とても嬉しかった。

というわけで緊張しながらもインタビューを受けてきた!!

インタビューのちょっとした裏話

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六本木はミッドタウンにて。
東京生まれ東京育ちながら、都会には慣れていないので、建物の凄さに圧倒されながらも宇都宮さんとMLBライターの内野さんと合流。

カフェとバーの合いの子ののようなお洒落なお店に入って、インタビューが始まった。「一体ぼくを取材してどういう面白さがあるのだろうか?」という疑問もあったのだが、宇都宮さんが面白いと思えるならそれが大正義なのだ。ぼくはただの大根で、自分が美味しいかどうかを気にする必要はない。ただ大根であり、ただ料理人に任せればいい。

ぼくはいつも「自分で自分を編集する作業」をしているのだが、今回は「宇都宮さんが自分を編集する作業」だった。これは、物作りをする人間として大変興味深いものだった。普段自画像を描いている画家が、絵のモデルになったりするとこういう気持ちになるのではないだろうか。

ぼくとしては、「にわかライトユーザーが2ステージ制をどうみるか」というような質問を想定していたのだが、宇都宮さんの興味は「中村慎太郎はどういう人間で、どういう背景があるのか」ということに向けられていた。これは非常に照れくさいものであると同時に、一流のインタビュアーの手法を生で感じられる最高の機会でもあった。

インタビュー記事を書いたことがないうちに、自分が取材されたライターなんて、ぼく以外にはあまりいないのではないだろうか。

「背景」を踏まえた上で、「現象」(つまりJリーグの記事)を読み解き、最後に「夢」という名の元に「未来」を照らし出した。いや、それだけではなく、今後ぼくが何を書いていけばいいのかという示唆を頂いた上に、強く背中を押して頂いた。

素晴らしい体験だった。自分が記事になってしまったのだ。「医者は一度病気をしろ。入院すれば患者の気持ちが分かるようになる」という言葉があるが、ぼくが体験したのもそういう類いのものなんだろうと思う。

この日を境に、作家になるという夢が、現実的なものとして輪郭を持つようになった。そして、より強い覚悟を持って、自分の本を書くという夢に向かっていけるようになった。インタビューをすることを通じて、他人の人生を照らし出し、肯定し、未来へと向かう活力を与えることができる。やはり宇都宮さんは凄いなということを身をもって知ることになったし、ぼくもそうありたいと思う。

というわけで、徹マガにインタビュー記事を載せて頂いたのでここに紹介したい。

通巻173号 僕がJリーグについて書こうと思った理由 中村慎太郎(作家、「はとのす」主催)インタビュー | 宇都宮徹壱公式メールマガジン「徹マガ」

徹マガは有料メールマガジンなのだが、ウェッブ雑誌というほうがニュアンスが近いかもしれない。どこぞの商業ブロガーが金儲けのためにサラサラ書いたものとは全く質が違う。しっかりとした取材に基づいた良質の記事が厳選されて掲載されている。

月に4本送られてきて、月額は735円。とはいえ、最初の1ヶ月は無料購読ができるので、興味ある方は気軽に購読し始めることができる。いま購読を始めると最新記事である「ぼくのインタビュー」記事が送られてくるはずだ。ちょうどJ1の優勝が決まった後の号に載せて頂いたため、サンフレッチェ広島に関するコラムも読むことができる。

今号だけではなく、徹マガというメディアは非常に魅力的なので、簡単ながらバックナンバーをいくつか紹介したい。

徹マガのバックナンバー紹介

通巻70号 日本の応援スタイルを変えたい! ちょんまげ隊長ツン氏インタビュー(上)

ぼくのインタビュー記事内にも登場する「ちょんまげ隊のツンさん」のインタビュー。先日、カマタマーレ讃岐に行った縁で、始めてTwitterで絡むことができた。ビジュアルから活動まで何もかもが面白い。

通巻139号 日本のジャーナリズムにはなぜ「私」がないのか? 小田嶋隆×宇都宮徹壱トークイベント(後篇)

まだ購入してないため未読だが、コラムニストの小田嶋師範との対談記事も載っている。これは必読だと思っている。

通巻143号「井の中の蛙になるわけにはいかないのよ」 一平くん(愛媛FC非公式マスコット)インタビュー<前篇>

このカエルのマスコット定期的に見るけど何なんだろう? マスコットのインタビュー記事ってのは珍しい!!ってか喋るの?!

通巻148号 原理主義者よ、目前のサッカーを愉しめ! ロック総統(Miyazaki shock boyz代表)インタビュー<前篇>

通巻149号 「Jが無いことは恥ずかしい事じゃない!」 ロック総統(Miyazaki shock boyz代表)インタビュー<後篇>

最近のぼくの活動や言論に強い影響を与えているロック総統のインタビュー記事も。総統の使う言葉にはエネルギーがある。人を動かす力があり、人が自分から動きたくなる魅力がある。まさにカリスマ。

とはいえ、活動内容について質問したいことも多い。いつか直接質問できる時に備えて、ロック総統の記事はじっくり読まなければ!

通巻155号 ご隠居が心配するJリーグの未来(前篇) 川端暁彦(エル・ゴラッソ 編集企画本部本部長)インタビュー

若手ライターに愛情たっぷりのアドバイスを与え、その代償として返答が難しい大喜利的な絡みを展開するご隠居のインタビュー。これも未読なんだけど、近日中に読みたい。

通巻157号 MLBに学ぶソーシャルメディア活用術(前篇) 内野宗治(MLBライター)インタビュー

インタビューの際に同席してくれた内野さんの記事。サッカーメディアなのにMLBが出てくるのは面白いし、こういうスポーツ間の比較には強い興味を持っている。

通巻161号 プロフットボーラー・幸野志有人ができるまで(前篇) 幸野健一(サッカー・コンサルタント)インタビュー

V・ファーレン長崎に所属する幸野選手のパパである健さんのインタビュー記事。「育成」に興味がある人はスポーツを問わずに必読のインタビュー。

通巻166号 奈良劇場総支配人、大いに語る 岡山一成(奈良クラブ)インタビュー | 宇都宮徹壱公式メールマガジン「徹マガ」

そして、ここでも出てきた奈良クラブ。最近どこにいっても目にするクラブ。運営部の誰かは、ぼくの友人のサッカー仲間らしい。来年は友人の家に遊びに行くついでに、奈良クラブの試合に行ってみたい。

……というわけで、バックナンバーをいくつか紹介してみた。バックナンバーを購入するのもいいが、購読を申し込んでおくと、上で見たようなバラエティに富んだ記事が日常の中に飛び込んでくることとなる。サッカーに興味がある人なら楽しめることは間違いないので、強力にプッシュしたい。

宇都宮徹壱公式メールマガジン「徹マガ」

バックナンバーはこちらから。

宇都宮徹壱の『徹マガ』 | The Book Project 夜間飛行

自分のインタビュー記事を掲載してもらえた嬉しさから、「徹マガ」の回し者のようになってしまったが、いずれ「徹マガ」に寄稿してみたいと思っているため…… 

「本物の回し者」になる日が来るかもしれない。そういう日が来るように良い企画を提案したいと思う。

近いうちに宇都宮さんに会えるらしい。

ところで、この記事を書いている途中で、とあるイベントの告知が目に入った。

『ロック総統の“今そこにある”サッカーを愛せ!in東京』

詳細と参加の申し込み

日時:12月23日(月・祝)18時スタート(会場受付17時30分~)
会場:CINECAFE SOTO(JR埼京線 十条駅 徒歩1分)

<トークイベント出演者・内容>
宇都宮徹壱(サッカーライター、掲載媒体・著書多数あり)
ロック総統(東京偉蹴FanTVメインパーソナリティ、JFLホンダロックSCファン)
井上マー(吉本興業所属、アイスホッケー日光アイスバックスDJ、J2栃木SCファン)
その他、関東・首都圏の各サッカークラブ関係者へ出演オファー中です
※追加ゲストおよびトークテーマ詳細については、決まり次第、随時発表いたします
※東京偉蹴FanTV(Ustream放送)は現時点で未定となっています

宇都宮さんとロック総統!!!
これは行かないと!!! 別の用事があったのだが、キャンセルさせてもらってイベントに向かうことにした。恐らく、サッカーの戦術がどうのという細かい話ではなくて、自分の住んでいる地域にあるサッカーを愛して支えていくこと、また、自分の地域のチームに何をどこまで望むべきかという話が出てくるのではないかと思っている。

「J1が目標!」と掲げるチームは多いが、J1に行けば幸せになれるわけではない。もちろん、JFLや地域リーグにいれば幸せかというとそれも違う。ロック総統の回答、宇都宮さんの回答、とても気になるところだ。

ロック総統関係だと前日の12月22日にもイベントがある。

燃えろ!J2党 第10節 1stステージ – LOFT PROJECT SCHEDULE

燃えろ!J2党 第10節 2ndステージ – LOFT PROJECT SCHEDULE

何をやるのか具体的には書いていないが、出演者のメンバーを眺めていると非常に楽しそうなイベントだ。ぼくの雑感としては「ゆるくて、熱そう」。これは「放送大学っぽい」の対義語だ。「ゆるくて熱いものは面白い」、これは間違いない。

総統やツンさんが出演するのは2ndステージで、こっちではロック総統が暴れるらしい。

この日は、天皇杯に行こうかどうか迷っていて、未だに態度を決められていないのだが…… どうしよっかな。まだ時間はあるので、しばし考えたい。

というわけで、年内はイベントがあり、天皇杯もありでまだまだ楽しめそうだ。

サッカーのことを書き始めたおかげで日々を過ごすのがとても楽しい。刺激的だし、エキサイティングだし、ほんわりと暖かい。今年は良い年になった。残り2週間強! 転機となった1年を全力で駆け抜けたい!!

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