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Jリーグ サッカートピック サッカー論

20年越しのカシマサッカースタジアム

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10月27日に行われたJ1第30節「鹿島アントラーズvs川崎フロンターレ」を観戦してきた。

以下の観戦記に続いて3回目!!

初観戦」 FC東京vs鹿島アントラーズ

「2回目の観戦 前半後半」 FC東京vsアルビレックス新潟

上記の観戦記は大変な好評を頂いたが、こんな濃度で記事を書いていると倒れてしまうので、このシリーズは一旦完結。もう少し軽いタッチで、感想を綴りたいと思う。

小学生の時はアントラーズファン

今回の観戦の同行者は2人。

1人は、初観戦の時にスタジアムに誘ってくれて、「なんでもいいから書け!」と背中を押し続けてくれる小笠原選手……ではなくひろさん(@albatross_hi)。もう1人は、Jリーグと同じ年に生まれて現在20歳のアントラーズファンの大学生。

Jリーグが生まれたとき、ぼくは小学生だった。当時は大変なJリーグブームが巻き起こり、ぼくもその熱狂に巻き込まれていった。多くの友人は各自お気に入りのチームを選んで応援していた。

土地柄もあってほとんどの子供が巨人ファンだったのだが、ヴェルディ川崎はなぜかあまり人気がなかった。なんでだろう?もしかしたら記憶違いかもしれないが、ヴェルディを支持している友達はいなかった(最強だったヴェルディもその後色々大変だったらしいけど、未だに詳しい経緯を知らない)。

清水エスパルスファン、サンフレッチェ広島ファン、浦和レッズファンなど、何の根拠もなく印象だけで支持するチームを決めていった。しかし、この「何の根拠もないこと」がJリーグブームが去って行った一因のような気がする。

お気に入りのチームを応援するには「理由」が必要だ。ぼくが初観戦の時に、「東京!東京!」と連呼するサポーターを見て、東京生まれの血が刺激され、FC東京に傾倒することになったというような。そういう理由が必要なのだ。そうじゃないときっと持続しないのだろうと思う。

その中でぼくは鹿島アントラーズを選んだ。よく覚えていないのだが、Jリーグ加盟までに色々と大変な経緯があったようで、それがニュースで特集されていたのを見たことがきっかけだった。

思い出に残る名作ゲーム「エキサイトステージ95」では、アントラーズばかり使っていた。

あの時、スタジアムに行っていたら、もしかしたらぼくはずっとJリーグファンだったかもしれない。しかし、行かなかった。行こうとすら思わなかった。

何故なら……

遠くて遠くて遠いカシマサッカースタジアム

鹿島は、東京にいる小学生が気軽に行ける場所ではなかった。親が1日潰して連れて行ってくれないといけなかったし、そこまでしてもらってまでスタジアムに行きたいというモチベーションはなかった。

一方で、神宮球場や東京ドームには、中学生になると子供だけでも十分にいけた。

今回誘ってくれたひろさんによると、Jリーグが盛り上がり切らないのはこの問題がすべてなんだそうだ。仮に野球の競技場とサッカースタジアムの場所を入れ替えたら、すぐにでもスタジアムは満員になるのではないかという見解を示していた。

そうかもしれない。カシマサッカースタジアムの入場者数は18000人だった。サッカ-関係者からすると、ちょっと少ないという数字なのかもしれないが、他の興行関係者からみたら驚異的な数字なのではないだろうか。

それも、鹿島にまでこの人数が集まっているのだ。

カシマサッカースタジアムのアクセスを調べてみる。(公式サイト アクセスを参照)

電車でいく場合、東京駅から約130~150分で片道1890円。水戸駅からは、約80分で片道1350円。

最寄りの鹿島サッカースタジアム駅には、試合がある日だけ臨時列車が止まるらしい。

ぼくが観戦した日の時刻表を見ていて思ったのだが、帰りの電車がほとんどない。

16時キックオフの試合が終わるのは、18時過ぎになると思うが、その後乗れる電車が一本しか出ていない。これを逃すと……どうなるんだろう?1つ先の駅まで行ければ電車はあるのかもしれないが、万一乗れなくなってしまった時のことを考えるとちょっと恐ろしい。

高速バスも出ていて東京駅からなら片道1780円。予約制のバスは2000円程度のようだ。

いずれの交通手段でも、東京から行くと往復で3500円程度必要になる。チケット代が3000円としても、これはちょっと高い。

といっても、遠くにスタジアムがあるのだから仕方がないといえば仕方がない。

車で行く場合は、東京から約100分。渋滞しなければ、何とか行く気になる距離だが東京から行くにはちょっと遠い。

もちろん、鹿島アントラーズは茨城のチームなので、東京からの集客は想定していなかったのかもしれない。でもやっぱり、東京からも行きやすいほうが集客は楽なのも間違いないだろう。

車の場合の運賃は、ルートにもよるがぼくの場合は片道2300円+駐車場代1000円くらい。3人くらいで割ることができないとちょっと高い感じがする。

なら地元の人なら行きやすいかというと、そりゃ東京よりはマシなんだろうけど、バス網も不便なので車がないと行きづらいため、子供が気軽に行ける感じでもないらしい。

ひろさん曰く「カシマスタジアムは日本一サッカーが見やすい。しかし、アクセスは下から数えて2,3番に悪い」とのことだった。

ひろさんは全国のスタジアムを回っていて、今年の観戦数は学生の試合をいれると86試合だそうだ。なかなかクレイジーだ。

ぼくは、2編の「Jリーグ観戦記」で人が集まらない理由について、自分なりに色々と考えてみた。そこで書いたことも一因ではあるのかもしれないが、最大の理由としてアクセスの悪さだと指摘され、実際に帰り道のとんでもない渋滞の話を聞いたりすると、そういうものかもしれないと考えるようになった。

特にカシマサッカースタジアムはアクセスが悪いようだ。一方で、スタジアム自体はとても素敵な場所だった。

カシマスタジアムについて写真を交えて

文字で書くよりも写真を載せたほうが早いと思うので、写真を中心に。

“スタジアムが見えてきた”

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“カジマスタジアムの偉容”

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カシマスタジアムは日本一と豪語するファンがいるだけあって、文句なしに素晴らしいスタジアムだった。突然現れる巨大な姿は迫力満点で、その建造物の内部を歩いている人が遠くから見えるのもすごくいい。

「あの中に入れるんだ!」という無邪気な気持ちで楽しむことが出来た。この感覚、大人はあまり感じないのかもしれない。

子供の時に遊んだ公園に、大人になってから行ってみたことはあるだろうか。巨大に見えた滑り台が小さく見えて驚いたという経験はないだろうか?

ぼくは子供の時からずっと同じ街に住んでいるが、小さな丘がとある公園にある。小さい頃は「巨大な山」のように思えて、その上で「かくれんぼ」をして遊んでいた。しかし、今みると3秒で登ることができるし、全貌を簡単に見渡せるのでとても「かくれんぼ」なんて出来そうにない。

つまり、どういうことかというと、大人よりも子供のほうが「大きなもの」に対するインパクトを受けやすい。これはもちろん身体が小さいことにも由来しているし、感受性の強さということにも由来するだろうと思う。

もし、子供の頃に、カシマスタジアムに来ていたら、その後何度か足を運ぼうと思ったかもしれない。いや、少なくとも鹿島アントラーズというチームは、自分の中で特別なものになっていただろう。

そう考えると、あの時のJリーグブームは惜しかった。ぼくの周りの多くの子供達がお気に入りのJリーグチームを持っていて、エースのカードが出るまで延々とJリーグチップスを食べていた。

しかし、子供達の多くはスタジアムに行くことなく、ブームは去って行った。ぼくはいつまで鹿島アントラーズに関心を持っていただろうか。レオナルドやジョルジーニョが来たのは覚えているが、その後はよくわからない。それがいつ頃なのかも記憶にない。

ストリートファイターZERO2とか、ファイナルファンタジー7のようなゲームに押し出されて、いつしか全く興味を持たなくなっていた。

簡単に食べ物レポート

“露店と徘徊する人々”

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“絶品、もつ煮込み”

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“ローストビーフ丼、ご飯抜き”

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スタジアムの周りを徘徊するための通路のことを“コンコース”というらしいのだが、カシマスタジアムは“コンコース”が広い。そのためお店を出すスペースが十分にあるし、火を使った調理をすることもできる。

公園の中にあるスタジアムでは火が使えないことが多く、本格的な料理が作れないらしい。その点、カシマスタジアムは優れていた。料理が非常に美味しい。

ぼくが食べたのは、写真に紹介した「もつ煮込み」「ローストビーフ」「たこ飯」「牛すじシチュー」「塩ちゃんこ」「メロンパン」。そのいずれも立派な味だった。

特にもつ煮込みは評判通りの美味しさで、内臓特有の臭みが一切なく、もつにほんのりと載った脂のうまみを堪能することができた。また、ボリュームもあって食べ終わるのに5分くらいかかった。大根、にんじん、ネギ、こんにゃくなど、もつ以外の具材も美味しかった。

牛すじシチューも超絶に美味かった。しっかりと煮込んで味を染みこませてあるシチューだった。「鹿島のスタジアムグルメは日本一」という主張もあながち間違っていないのかもしれない。挑戦者求む。

うれしくて、うれしくて、うれしい

さて、試合前のカシマサッカースタジアムを見て回って印象的だったことは以下の3つ。

・建物自体が素晴らしい。
・食べ物が美味しい。
・女の子が可愛い。

最後のやつはどういうことだと突っ込みたいあなたにお答えしよう。
鹿島サポーターの女の子が特別可愛いかどうかはよくわからない。そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。
ぼくが言いたいのは、純粋に容姿が優れている子が多かったということではない。

試合前にコンコースを歩く人達の表情を何気なく眺めていて感じたことだ。

女性陣の表情がとても良い!

歩いていて違和感を覚えるほど、嬉しそうな顔をして歩いている女性が多かった。恋人に手を引かれる女性が満面の笑みを浮かべていて、人生で一番幸せな時間は今なんだと噛みしめているかのようだった。これが1人だけなら不思議に思わなかったのだが、歩いていると同じような表情をしている女性に次々と出会う。

女性数人のグループも全員嬉しそうな顔をしていた。

これはどういうことだったのだろうか。

嬉しい顔をしているのだから、きっと嬉しいのだろう。
でも、嬉しいことが1つだけではこういう顔にはならないように思えた。

きっと、彼女たちは「うれしくて、うれしくて、うれしい」状態だったのではないか。

つまり、「サッカーの試合が始まる」「大好きな岳ちゃんに会える」「彼氏と一緒に休日デート」「美味しいものがいっぱい」「お祭りにみたいな雰囲気」「スタジアムの中を歩くのは気持ちが良い」「ユニフォームを着ている仲間がいっぱいいて心強い」などの複合的なファクターが噛みあって、「うれしくて、うれしくて、うれしい」状態になったのではないだろうか。

こういう顔をしている女性が多い場所はどこだろうと考えたところ、ディズニーランドを思いついた。記憶を探ってみると、海外の観光地でも似た表情を見たかもしれない。花火大会もそうだっただろうか。

何とも曖昧な話になってしまったが、美味しいものが揃ったスタジアムは女性にとってとても魅力的な場所なのではないかという感触を持った。

と、すると、スタジアムデートというのはなかなか効果的なのかもしれない。

中学生くらいの子から子連れの年配の方まで、女性陣が非常に活き活きとしているのを見ることができたのは、ぼくにとって新鮮な経験だった。サッカースタジアムの魅力がまた1つわかったような気がした。

…………と、歩きゆく人々の顔を見ながら散歩していると、チャントの音がスタジアムに響き始めた。

試合が始まる!!!!

試合編へ続く

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