スポーツビジネスのメリットはカッコいいこと


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スペイン人のバスケットボール指導者による講演会に参加してきた。

(講演会のレビューを書くつもりが話が激しく脱線してしまった。レビューはまた別に書き直す予定)

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スペインサッカーの巨人 レアルとバルサ

世界一のサッカーチームを決めるのは難しいが、財政規模でいうとレアル・マドリードとFCバルセロナが1,2位を争っている。スペインの2チームは、サッカー界では群を抜く巨人だ。

サッカーチームの実力は年俸総額によってある程度計ることができる。何故なら、スカウティングが発達しているため、良い選手ほど良い値が付くからだ。仮に安く買ってきても数年後には高騰してしまう。

数年に渡って勝ち続ける強いチームは財政規模の大きいチームなのだ。そして、レアル・マドリードとFCバルセロナの2チームは年俸総額が150億円を超えるチーム。2011-12シーズンのJ1全チームの年俸総額が100億くらいであることを考えると、圧倒的な財政規模を持っていることがわかる。

面白いので蛇足を加えるとメッシの年俸は約16億円(年収はもっと多い)。これは、浦和レッズと柏レイソルの全選手を足したのよりはちょっと少ないくらいだ。

メッシ1人にレッズの選手全員よりも金銭的な価値があるというと、レッズファンの人は怒るかもしれない。しかし、これは事実なのだ。対抗するためには、日本のクラブがもっとお金を出せるような仕組みを作るしかない。

戦術で対抗するという手段もあるかもしれない。しかし、戦術はあっという間に真似されてしまう。優位性を保つには、才能ある選手を保持し続けるしかないのだ。

スポーツビジネスの規模は小さい

ところで、スポーツ業界は儲かるようで儲からない。FCバルセロナでさえ売上高は400億円程度だ。

今、比較するために日経の資料を見ていて、不思議な気持ちになった。日本のTOP100の企業は、売上高が1兆円を超えている。見慣れぬ数字なので何度も見直す羽目になったが、何度見ても確かに超えている。

参考資料
http://www.nikkei.com/markets/ranking/keiei/uriage.aspx

日本100位の企業でもバルサの25倍の規模があるらしい(もちろん、売上高だけで単純比較はできないが)。ついでに調べてみたら、釧路の魚市場の売上高は200億円くらい。バルサには届かないが、浦和レッズ(40億)の5倍もある。

根室市にある魚介の卸売り業者が浦和レッズと同じくらいの規模だった。

参考資料
釧路魚市場が売上高第 1 位

これは、サイモン・クーパーの主張を日本の企業に置き換えてみただけなのだが、スポーツビジネスの規模の小ささは一目瞭然だ。売上が小さい上、そのほとんどは選手のサラリーとして消えていく。

FCバルセロナの純利益は2009年が9億円、2010年はマイナス80億円。とてもぼろ儲けとは言えない。

この辺のちゃんとした分析が読みたい人は、是非サイモン・クーパーの名著を手にとって頂きたい。

スポーツビジネス最大のメリットはカッコいいこと

しかしながら、スポーツビジネスの魅力は収益性にはない。ビッグマネーが欲しい人が来るところではないのだ。

この話を考える切っ掛けになったのが、スペインバスケを考える会の会場になったバンタンデザイン研究所。そう、ファッション関係の専門学校が会場だったのだ。どうしてなのだろうかと首を捻っていたのだが、2014年からスポーツビジネス関係の専門学校を開校するらしい。

Vantan Sports Academy

そのプロモーションも兼ねて、スポーツ関係の講習会を精力的に開催しているようだ。強みであるデザインのノウハウを活かして、スタイリッシュなイメージを押し出すマーケティングなどについて学べるらしい(もちろん、それだけではないだろうが)。

バンタンの方に話を聞いてみると、「スポーツ業界で働くことに厳しさ」を十分認識した上で、自分だけの強みを持って働くことの重要性を語って頂けた。

デザイン性を高めていくことは、ブランド力を高めることにも繋がっていくだろうと思う。すると、スポンサーがついたり、グッズが売れたりする。お金が集まれば良い選手を獲得することができるのでチームが強くなる。良い方向に物事が回っていく。

カッコいいことはとても大切なことだ。

スポーツ業界で生きる最大のメリットは、カッコいい世界、憧れる世界、子供が夢見る世界で仕事ができることだろう。

上述の通り、ビジネスとしての規模は小さいため、ビッグマネーを手にできる可能性は低い。しかし、心の底から満足する人生を送ることはできるかもしれない。

スポーツは、人間を裕福にはしないが幸福にすることができる。幸福になるため、カッコいい世界の登場人物になるためにスポーツ業界で働きたいというモチベーションが必要なのだ。

そして、憧れだけで入ってきても仕事はない。ビジネスの規模が小さいので仕事の数も多くない。スポーツ業界で働くためには、何らかの能力が非常に高いことが求められる。能力は求められるが、金銭的には報われない。

しかし、自分に誇りを持って生きることはできるのではないだろうか。

多くの少年が憧れる華やかな世界のメンバーになれること。これを至上の喜びとする人は決して少なくないように思う。

スポーツはなぜ魅力的なのか、カッコいいのか、人を幸せにするのか。こういったテーマについてはもっと掘り下げて考えていきたい。

脱線しすぎたせいで、結論が曖昧になってしまったが、こういったことを考えている時間はとても楽しい。こういった考察こそが、ぼくにとってはスポーツビジネスの華なのだ。人生をかけて楽しみながら考えていきたい。

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