イメージが吹き飛ぶ。 2016年6月16日
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風邪を引いたうちに、苦労して作ったイメージが全部吹き飛んでしまった。
書くという仕事は、イメージを膨らませ、そのイメージを文章に少しずつ変えて変えていく作業。イメージがないと文章は書けないのである。
逆に言うと、文章を読んで、著者のイメージが辿れないようなものは「悪文」とか「空文」というべきかもしれない。
悪文は一目でわかるが、空文を見抜くのは難しい時もある。巧妙な空文もあるからだ。人の書く物はどうでもいいのだが、ぼくは空文など書く気がない。
書きたいのは常にイメージがぎっしり詰まった、濃厚なスープのような文章なのである。
しかしイメージが飛んでしまった。
苦労して作品のイメージを作り、気合いを入れて書いているときに限って、子供が風邪を引き、その風邪がうつり、イメージが飛ぶ。
この2年間で何度同じ事を繰り返してきたのか。
風邪なんか全然引かなかったのに、子供がもらってきた菌やらウィルスは非常に強力なのである。
またイメージ作るところからやりなおし。げんなりする。
イメージは音楽に似ていて、心の中で鳴っている。
良いイメージが出来るとうるさいくらい音楽が流れ始めるのである。
でも、今は完全に無音になってしまった。
これはまずい。
本格的にまずい。
もっと頑張らなくてはいけないのだが、頑張ると体調が悪化する。喉の辺りにウィルスがいるようだ。うがい?手洗い?そんなものは当然やっている。
もう駄目かもしれないな。
二度と何も書けないかもしれない。
暗澹とした気持ちになる。
でも、免疫系が戦っているせいか、眠くて頭がぼんやりするから頑張ることもできない。
ここで無理したって悪化するだけだ。
もういやだな。明日には良くなっているだろうか。
この3日、苦労して書き綴った文章はすべて空文。これは消す以外にどうすることも出来ない。ボツにした文章を入れるファイルに加えることも出来ないほど酷い。
もう駄目なんだろうか。
イメージを作る、あの辛い作業をまたやるのは嫌だ。一体何度目なんだ。一度出来たイメージで書き切れればいいのに、色々なものが邪魔しに来る。
精神と時の部屋にこもって、誰もいない1年を過ごしたい。
しかし、現実にはそんなことは不可能だ。
だったらやめてコンビニのバイトでも始めたほうが家計はずっと楽になる。わかっている。2年間先に進めなかったポンコツ作家はもうやめたほうがいいというのは、極めて常識的な判断だ。
それでも、ぼくはぼくの旅を見捨てて、次に進む気にはなれない。
あの経験を書き残さずに、次のことは出来ない。
やはりあまり体調が良くないらしく、この記事も書こうと思ってから9時間後にようやく書き始めたし、書いている今意識が飛びそうになる。
嫌になるな。
あれも欲しい、これも欲しい。
どれだけ座っていても痛くならない腰、凝らない肩、痛まない肩、ゆるくならない足首、グジュグジュに疲れない目、風邪を引かない身体が欲しい。
作品が出来るイメージがかなり遠ざかってしまった。家族を捨てて、1週間でもいいから放浪することが出来たら、きっと作品は出来るんだろうと思う。
それが出来ないのが甘さなのか、弱さなのか、それとも良さなのか。
しかし、なんでイメージ飛んじゃうんだろうな。イメージさえ飛ばさないようにすれば、もっともっと色々なことが書けるはずなのに。
駄目だ考えられない。明日はうまく出来そうになかったら休んでしまおう。どうせ頑張って書いてもゴミクズしか出来ないのは目に見えている。
こういう消極的な休みじゃなくて楽しい休みがいいんだけどな。
あんまりネガティブでも後味が悪いので、今周囲にあるポジティブなことを探そう。
猫は幸せそう。
なんか爪のあたりを舐めてる。
身体の調子は悪いが、精神はあまり病まなくなった。
研究時代のように、対人関係が悪くないせいだろう。
野原にボールを持って行ってロングキックの練習をした。
飛ばないけど楽しい。知人にもらったボールがよくみたらジャブラニだった。
※南アで使ってたやつ
余裕なすぎてNBAファイナルも、ユーロも見れない。これじゃいかんのだけど、改善するとも思えない。
ああ、またネガティブに……。
楽しくなるには、溜まった作品を世に出していくしかない。
そうじゃないと、ぼくの人生は絶対に愉快なものにはならない。
断ってばかりだから友達はぼくのことを忘れてしまっているかもしれないけど、ぼくの作品の中では、活き活きと動いてくれる。ぼくの中では永遠に生きているし、ぼくの魅力的な仲間達は、ぼくが生命を吹き込むことで、永遠に生き続けることが出来る。
ああ、そう考えると、とてもやりがいが感じられてきた。ぼくは書くべきだし、書きたいし、書いたら喜んでくれる人もいる。不器用な自分にとっては、こういう「友情表現」しか出来ないのだ。
とりあえず寝る。明日休むか頑張るかは、保育園に送りながら考えよう。
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