カシマスタジアムに行く前に、クラブハウスに連れて行ってもらったので簡単ながらレポートしたい。
鹿島アントラーズ クラブハウス
クラブハウスの前に立ってみると、建物が非常にかっこよくて驚いた。威風堂々だ。ゲームの「さかつく」ではこういうのを作るのに随分とお金が掛かったものだ。
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こういうのがあるとブランドイメージが随分と違うだろうなと思う。確かにぼろぼろのクラブハウスを本拠地としている手作り感がある地元のチームというのも魅力的だろう。
けど、こういう立派なクラブハウスがあると、選手としてもサポーターとしても、あるいはそれほどサッカーに関心がない地元の人としても、「うち」のチームは凄いんだなと素直に思えるのではないだろうか。
クラブハウス内には売店があって、ユニフォームや鹿島アントラーズにちなんだおやつなど様々なグッズが売っていた。
こういうお店は適当に見ているだけで楽しい。
外に出てみるとグラウンドが2面あった(調べてみたら4面とトレーニング施設もあったらしい)。グラウンドの前にはアントラーズカフェ。入らなかったのでメニューはわからなかったが、もちろんお約束のご当地メニューはあるんだろうね?
グーグル先生に聞いてみたところ、メニューを紹介してくれているブログを発見(カシマ番外 アントラーズカフェ:COFFEE BREAK:So-net blog)。
ちょっと古いのでそのままのメニューがあるかはわからないけど、ボリューミーでなかなかよさそうだ。
ユースの試合を観戦
グラウンドでは、ユースチームが試合をしていた。これが想像していた以上に面白かった。
とても近くで見ることができたのが良かった。
この距離で見るサッカーは素晴らしいものがある。近くで見ると、とんでもなくレベルの低い草サッカーですら面白いものだ。プレイヤーと同じ感覚でフィールドを認識できるからというのもあるだろう。
球際の争いに迫力が出るし、ボールの速さや高さが“リアル”なのだ。つまり、大きなスタジアムで上から見下ろしたり遠くから眺めたりする形だと、シュートがどのくらいの速さで飛んでいったのかが認識できない。
しかし、目の前で見ていると、ユース選手の放ったミドルシュートはとんでもない速度で飛んでいく。あんなボールはぼくにはとても蹴れない。
これは、野球のスタジアムで150 kmの投球を見て「打てそうだな」と思うのだけど、バッティングセンターで130 kmの打席に立つと怖くて泣きそうになる感じと一緒なんだろう。
さて、近くで観戦したユースの試合だが、あまりのハイレベルさに驚かされた。
聞いてみると、鹿島アントラーズ入りが決まっている選手や、将来の代表入りが期待されている選手などもプレイしていたらしい。そりゃハイレベルなわけだ。
どの選手も、ボールを蹴る技術が高くて驚いた。セミプロクラスの選手というのは近くで見るとこうも凄いものか。
一度ぼくの目の前で、1人の選手がサイドをぶち抜いた。そして、後はクロスをあげるだけという場面になった。ファーには味方選手が待ち構えていた。
「ファーだ!」
思わず声に出した。その直後、ユースの選手は足を振り抜いた。
すると、サッカーボールはファーの選手に向かって理想的な軌道で飛んでいった。ぼくが蹴るボールに比べて倍くらい速い。必要最小限の高さを取った鋭いボールがピンポイントで飛んでいく。なんという精度なんだ。
しかし、ディフェンスもさるもので、ボールが届く前に追いついて、競り合った結果クリアしてしまった。
いやー、こんな人達と一緒にサッカーする気がしないな。これはもう“見るもの”だ。
紛れもなくプロの卵達の試合だった。しかし、このうちプロになれるのは何人いるのだろうか。さらに、日本代表クラスにまでなれる選手はいるのだろうか。そう考えると、なかなかに厳しい世界だ。
しかし、目指そうと思えば、上はどこまでもある。そういう意味では良い世界なんだろう。「若者達よ、夢に向かって走れ!」などという金八先生ばりの声を掛けたくなっちゃうね。
ユースの試合は、競技レベルが高く、将来“化ける”可能性がある原石の集まりで、メンバー表なんかもとてもしっかりしていて非常に見やすい。ユースを中心に追いかけている人がいるのも納得できるクオリティだった。
サッカーの声が聞こえる
そして、何よりも素晴らしかったのが、「声」だ。
選手達の声出しが非常に良く聞こえた。
「ボール滑らない、グラウンダー出すな。」
とか
「左使え、左!!」
みたいな声が溢れていた。GKやCBは常に喋り続けていた。いや、怒鳴り続けていたというほうが近いかもしれない。
サッカーというのはこうやって喋りながらコミュニケーションをしていくスポーツなんだろう。
声を聴いているだけでもすごく楽しめる。
いや、声だけじゃない。
ウィングの選手が縦パスを全力で追いかける。しかし、追いつかず相手ボールになる。そういう時に、息切れをして、苦しそうな表情を浮かべる。
ハー、ハー、ハー、ハー……
息が乱れている。
しかし、彼の目の前の選手にボールが渡ると、息が切れていようが関係なく全力でディフェンスをしなければいけない。
コミュニケーションが聞こえる。苦しさがよく見える。そして、ゴール下時の歓喜と失望を肌で感じ取ることができる。サッカーの音が聞こえる。これはとても新鮮な体験で、プロの試合ではなかなか体験できないことの1つかもしれない。プロの選手も色々喋ってるはずなんだけどね。
ユースの観戦はとても面白かった。
サッカーをしているお子さんがいる人は、プロの試合だけではなくユースの試合をみせるといいんじゃないかと思った。
こっちのほうが、実際にプレイする参考にはしやすい。
そうそう、ユースの選手達はプロ選手と隣のコートで練習することもあるらしい。隣に大迫なんかがいたらちょっと練習どころじゃなくなってしまうかもしれないね。
はとのすのJリーグ記事が本になりました!
序盤はブログ記事を大幅に加筆・修正したものですが、中盤以降はどこにも書いていないものが殆どです。
本の内容についてはこちらをご参照下さい。
前書きと目次の紹介『サポーターをめぐる冒険 Jリーグを初観戦した結果、思わぬ事になった』
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