先日、『Jリーグを初観戦した結果、思わぬことになった。』という記事を書きました。その時の試合を切っ掛けに、Jリーグに興味を持つようになりました。そして、翌々週にあたる10月19日(土)に、FC東京vsアルビレックス新潟の試合を観戦しました。
この記事は、『2回目のJリーグ観戦に行ったら、恐ろしいことになった。<前半戦>』の続編にあたります。
<前半戦>の記事では、スタジアムとその周辺について書きました。この記事は、キックオフの笛が鳴るところから始まります――
キックオフ!!!
さぁ、試合が始まる!
キックオフの瞬間の胸の高まりは最高だ。
前夜祭は十分に楽しんだ。
しかし、本番はこれからだ!!!
座席の位置を書き忘れていたが、中央のスタンドのゴール裏寄りだった。このあたりでは、チャントを大声で歌う人は少ないものの、手を叩いたり歓声を上げたりする人は多い。ゴール裏ほど激しくはないが、そのあたりの盛り上がりがよく伝わってくる位置だった。
正直に言って前半の展開はよく覚えていない。酔いが回っていたし、途中からトイレに行きたくなってモジモジしていた。試合前にビールを飲み過ぎるのはあまり賢い行動ではないような気がする。でもしょうがないよね、「ゾンビ」なんだから(前半戦を参照)。
そんなわけで前半はぼんやりと見てしまったのだが、そんな中でも強く印象を受けたシーンがあった。0-0で迎えた前半30分頃のことだった。ゴール前で渡辺千真がフリーになりシュートを放った。チームで作ったチャンスからの素晴らしいシュートだった。
ゴールまでの距離は確か3 mくらいしかなかったはずだ。しかし、シュートはゴールキーパーの正面。少しでも横に逸れたら入ってたのに。よくあることだが、落胆は大きい。ようやく初得点が取れるところだったのだ。
「あれを外しちゃ駄目だろぉ……」
ぼくがこう呟いた瞬間のことだった。
大きな歌声が響き始めた。
バーモバモ バモ東京!!
バーモバモ バモバモ東京!!
この気持ち止まらないぜ!!
オオオオオオオ オオオオオオオ オオオオオオオ 東京!
FC東京のサポーターはシュートを外した選手を責めなかったのだ。
まだ次がある!!!!
次のチャンスは決めてくれ!!!!
大丈夫だ!!!俺たちがついている!!
力強い意志が歌声に姿を変えて、スタジアムに響き渡っていった。
恥ずかしい気持ちになった。ぼくは選手を批判するためにスタジアムに行ったわけじゃない。上から目線になったり、優越感を味わったりするためにいったわけではないのだ。
さっきのぼくは、日本代表戦の放映が終わった後に、ツイッターなどで選手や監督の悪口を並べるだけのガラの悪い連中と一緒だった。
そりゃシュートなんか外れるさ。そう簡単にゴールが決まらないのがサッカーだ。そして、ゴールが決まろうが、決まらなかろうが、試合は終わらない。下を向いている時間などないのだ。
自分たちのチーム、自分たちの選手を信じないといけない。
たとえミスをしようが、そのせいで負けようが、全力を尽くした結果であれば仕方がない。結果だけが問題ではない。勝てばもちろん嬉しいが、勝てないことだってある。選手達が自分たちの代表として、全力を尽くして勇敢に戦ってくれたならば、悔しさを噛みしめて拍手を送るべきだ。
サッカーは人生に似ている。サッカー観戦もそうなんだろう。これは生き方の問題だ。
誰かのミスを見つけ出して、さらけ出して、糾弾するような生き方がしたいのか。
それとも、誰かを心から信じて、応援して、挫けたときには力強く支え、成功したときに心から喜べるような生き方がしたいのか。
どちらを選択するかという問題だ。我々は決断しないといけない。
スタジアムで優しい選択をした人は、優しい人生を生きることが出来るだろう。その逆については…… いつか別の機会に語りたい。
サッカーは不条理だ。理屈通りやれば勝てるとは限らない。選手達は、サッカーという理不尽なゲームに放り込まれ、全力で戦うことを強いられる。出場してしまったら逃げ場はない。
それは我々も一緒だ。人生という不条理なゲームに放り込まれて、ボロボロにさながらも生き抜いていくしかない。そう、我々と同じなのだ。何度も言うが、人生もサッカーも同じなのだ。
結果が出ようが出なかろうが、全力で走り抜けるしかない。
我々観衆は声援を送ることで、選手達に戦う勇気を与える。選手達は最後まで全力を尽くすことを通じて、我々に生きていく力を分け与えてくれる。
試合終了が近づいてきた頃のことだった。スコアは既にFC東京がリードしていた。それにも関わらず、ルーカスが猛然とスプリントしてプレッシャーを与え始めた。
それを見た瞬間に、涙が流れてきた。ルーカスは35歳で、聞くところによると一度引退を考えた選手らしい。偉大な選手は、その戦う姿勢において偉大なのだ。
ルーカスが途中交代で退く際に、ゴール裏は何度も呼んだ。
ルーカス! ルーカス! ルーカス! ルーカス!
声はルーカスに届いた。ルーカスは軽く両手をあげて手を叩いて応えた。その時、確かに気持ちは繋がっていた。
観衆は、サポーターであって傍観者ではない。選手は、我々の代表であってサーカスのピエロではない。
ついでといってはいけないかもしれないが、平山相太の活躍にも心を動かされた。平山というとかつて「怪物」と呼ばれ、次世代のスター候補としてテレビで何度も特集されていた選手だ。
当時サッカーにあまり関心がなかった自分でも知っているくらいだ。それは凄い注目のされ方だったのだろう。しかし、残念ながら平山のサッカー人生は順調ではなかったようだ。海外移籍は失敗に終わり、国内でも結果がでず、ここ2年は怪我に苦しんでいたらしい。
「平山、電車の中でおにぎりを食べる」というバッシング記事を思い出した。電車の中でおにぎりを食べたことのどういう点が問題なのかはよくわからない。しかし、事あるごとに批判され、結果が出ないことでも批判され、そのたびに傷ついてきたのではないかと想像してしまう。
もちろん、実際のところは本人に聞いてみないとわからないし、聞いてみたところでわからないかもしれない。
ぼくが感動したのは、不遇の時代を過ごしたかつての怪物がスーパーサブとして後半に出場し、猛然と戦っていたことだ。クロスプレイではファーに構えて強さを示し、こぼれ球にも全力で絡んでいく。
果敢に攻めていく姿勢は素晴らしいものがあった。
ヒラヤマ!ヒラヤマ!ヒラヤマ!ヒラヤマ!
平山コールが空に響きわたる。
平山の活躍に感動していたのは、ぼくだけではないらしい。後ろのほうに座っていた女性は「そーちゃん!がんばれー!!」と叫んでいた。確かにそういう気持ちになる。
「平山の活躍」と書いたが、活躍すらしなくてもいいのかもしれない。愛着のある選手がフィールドに立っているだけで気持ちは満たされる。もし、活躍してくれたとしたら、爆発的に嬉しいというだけだ。
サッカーの試合と運動会は同じ性質のものだと感じた。
観客は実は客ではない。自分の愛する選手が出ているのを見に来ているのであって、エンターテイメントを得るためにお金を払っているのではない。
それは、自分の子供が運動会で走ったり踊ったりするのに対して、声援を送る親たちに似ている。技量が高いとか低いとか、そういうことは一切関係ないのだ。勝とうが、転ぼうが、愛は変わらない。
サッカー観戦を楽しむなんて、とっても簡単なことなのだ。
平山相太選手を、「そーちゃん」と呼んで愛してあげるだけでいい。
そして、愛する「そーちゃん」の晴れ舞台を観に行く。
それだけだ。
お気に入りの選手ができた!
前の記事で、「試合中は誰が誰だかわからない」と書いたが、2回目の観戦になるとFC東京の選手はだいぶわかるようになってきた。
ぼくにもお気に入りの選手が出来た。
まず、米本拓司選手。
エネルギッシュに動き回り、相手の攻撃を潰しまくる。それだけではなく、ドリブルで持ち上がっていく勇気も持っている。パスワークも、スタジアムで見ている限りはすごく良かったと思う。
運動量があり、球際がとにかく強い。前回はあまり印象に残らなかったのだが、今回は非常に目立ってみえた。このへんが、試合の勝敗にも繋がっているのかもしれない。
良い選手だ。
次に、高橋秀人選手。
日本代表では、終わりのほうに少し出てくるだけの選手になってしまっているが、Jリーグの試合でじっくり目にしてみると流石に代表に選ばれるプレイヤーだった。
米本のほうが派手に動き回って目立っていたが、秀人(こう呼んでいいものかわからないけど、高橋と書くとなんかヨソヨソしいので、秀人でいく)の場合は、もっと渋かった。
いや、大人しいというよりは効率的というべきなんだろうか。それほど目立たないのだが、よく見ると決定的な仕事をいくつもしていた。
ディフェンス時には、後一つパスが通ると危険という場面で、必ず現れて何とかしてくれた。と思うと、前線にくさびのパスを出して、そのまま走り上がっていく。ディフェンスがいいし、パスもうまいし、運動量もあるし……なんていい選手なんだ!
徳永悠平選手もとい徳さんもお気に入りの選手だ。
何故このように気やすい呼び方をしているかというと、「やべっちFC」の正月特番でフットサル対決をする際に出場していたからだ。もう1年近く前のことなので記憶が曖昧だが再現するとこんな感じだ。
大津が遅刻してきた。
ハーフタイムに現場についたのを見て、宇佐美が「おせーよ、徳さん切れてるよ」というようなことを言った。下を向いてうつむいて無表情の徳さん。
「すみませんでした……」
しばし、そのまま無表情が続いた。
そこで突然、徳さんが顔をあげた。
そして、にっこり笑ってグ-!のサインを出した。
「おー、良かったー、めっちゃ優しいわー」と大津。
その絡みがとても面白くて何度も見てしまった。徳さんの笑顔が最高に素敵だった。そんな理由から、徳さんのことはずっと気になっていた。
(どうでもいいけど、やべっちFCで一番面白かったのは、川口能活選手の“性癖”)
あと、誰がどうみても素晴らしいのがルーカス。わざわざ書くのが面倒になるくらい凄かった。なので書かない。
長谷川アーリアジャスールも気に入った、というか気になって仕方がない。あのチャントは反則だ。夢に出るレベル。
ハイライト動画より
http://youtu.be/XHAAtaBoyf4
ご覧の通り、後半に2点入れて2-0でFC東京の勝利。
1点目は太田宏介が見事なフリーキックを決めた。
2点目は、ルーカスがゴールをこじ開けた。
1点目の得点シーンには忘れられない迫力があった。
我々が座っていた位置は、ゴール裏から少し離れたところだったので、チャント(応援歌)を少し離れたところから聴いているという状態だった。
しかし、このゴールが決まった瞬間、我々の周囲も爆発した。
爆発だ。爆発以外何ものでもない。
あの瞬間に黙って座っていることなんて不可能だ。本当に凄かった。
この時の周囲の様子を、ボイスレコーダーで録音することができた。何度も聞き返したが、何度聞いても素晴らしい。いずれ、コンテンツにしようと思うが、うまく編集できるかな。
FC東京サイドにいたので、こちらの話ばかりになってしまったが、新潟サイドの応援も熱かった。2点差で負けていて、敗色が漂い始めた頃のことだった。新潟サイドのゴール裏から一際大きな歌が響いてきた。
オッオッオー、オッオッオオー
オッオッオー、オッオー
これはDeep PurpleのSmoke on the waterだ。前回の国立で、ぼろ負けしていたFC東京のサポーターが声援を途切れさせることがなかったのと同じように、アルビレックス新潟のサポーターも応援をやめなかった。
彼らは新潟という土地で、どういう風に選手達を愛しているのだろうか。ぼくの心は、もう半分くらい青赤に染まってしまっているのだが、他のチームのことも知りたいという気持ちも芽生え始めてきた。
新潟の前線の選手は、非常に粘り強かった。その上、一度ボールを持たせると、厄介なパスを繋いでくるので何度もひやりとさせられた。多分そのへんにいた選手の1人が川又選手なんだろうと思うけど、先述したように特定はできなかった。
選手名と背番号はダッシュボードに載ってるし、対照すればわかるのかもしれない。けど、試合中にそんなことやってる暇があったら、ゲームを見ていたい。「誰が誰だかわからない」状態でも楽しむことができるなら、それはそれでいいことだろうと思う。
2回目のJリーグ観戦に行った結果
さて、2回目のJリーグ観戦はどうだったのか。
スタジアムは日常生活で溜まったフラストレーションを全て飲み込み、空に向けて放出してくれる。観衆は、食べる、飲む、そして歌う。口を使い、全身を使い、喜怒哀楽を表現する。そのことによってさらに解放されていく。
数万人の人間が1箇所に集まり、様々な思いを試合にぶつける。その全てがスタジアムを包み込み、空へと吸い込まれて行く。
結論は出た。
Jリーグ観戦は面白い。
どんな友人にも勧められる。
スタジアムに来て観戦したら楽しめるのは間違いない。
しかし……
そのスタジアムに人が来ない。
観客動員数は年々減少傾向と伝えられている。
少なくとも増加傾向にはない。
これほど良いものなのにも関わらず、Jリーグのブランド力は下がり続けて来たのだ。
何故だ。
サポーターは満足しているのではないのか?
ここに来れば確実に楽しめるのではないのか?
それならば、増えることはあっても減っていくことはないはずではないか。
運営が悪い?
コアサポーターが悪い?
初心者をにわかと呼んで叩くのが悪い?
サッカーのレベルが低い?
海外サッカーより魅力がない?
スポンサーがつかない?
仮説を立てることはできる。
試しにやってみよう。
(一応書いておくが、ぼくの主張ではなく、こじつけで作ってみただけ)
“ランブルプッシュアウト仮説”
一部の乱暴なコアサポーターが、ライトユーザーや新規ファンを押し出すような働きをする。そのせいでブランドイメージが下がり、スポンサーがつかなくなる。テレビ放映も減る。お金が集まらなくなる。結果としてリーグのレベルが低くなる。
つまり、一部の乱暴者(ランブル)が、Jリーグの利益を押し出しているという仮説だ。
様々な仮説を立てることは、手続き上は容易にできる。しかし、その検証は難しい。様々なファクターが複合的に作用しているからだ。それこそ、政治情勢や国際金融なんかも影響することもあるだろう。そして、有効な対策を考案し、実施していくのはさらに難しいことだ。
どうしてJリーグはこんな状態に陥ってしまったのだろうか。
かつてあんなにも輝いていたJリーグ。そのブランド力が、ここまで落ちてしまったのは何故なのか。
原因はわからないが、現状は良くない。
どこかで何かがうまく行かなかったのだろう。いや、落ち度はなくとも運が悪かっただけかもしれない。
Jリーグサポーターに聞きたい。
「Jリーグを愛していますか?」
答えはYesの人も多いだろう。
ではもう一つ。
「Jリーグは今後さらに発展していくと思いますか?」
……
……
……
どうだろうか。
悲観的な未来を描いてしまったのではないだろうか。ただでさえ困った状況なのに、2Stage制が導入されつつある。ぼくは基本的には賛成だけど、今まで必死に支えてきたサポーターの気持ちを無視しているという批判は根強い。
ところで、Jリーグのブランド力が低いのが現状と書いたが、ブランドとは何か。ブランドとはただの「名前についたイメージ」に過ぎない。内容さえよければ、イメージは良くなっていくし、逆に内容が良くないと次第にイメージは落ちていく。
ブランドはあくまでもイメージで本当に大切なのは中身だ。中身が良いならば、伝え方次第で何とかできる。中身がいまいちだったら、いかにプロモーションしようがどうにもならない。
そして、ぼくが自分の目で見てきたJリーグとはどういう存在だったのだろうか。
正直に言おう。
……
……
……
……
最高に面白かった!
どうしてこの楽しみを今まで知らなかったのか!!
どうして今までスタジアムに行かなかったのか!!
後悔した。
もっと早く出会っていれば、人生の苦しい時には支えてくれたかもしれない。
本当に辛くて一歩も動けなくなった時、打ちのめされてボロボロだった時、そんなことは今まで何度もあった。
あの時、スタジアムに行っていたら、どんな人生になっていただろうか。
素晴らしかった!
何度も思い出した。
駅からスタジアムへ押し寄せる人の波。
スタジアムの空気、照明、席を埋める観衆達。
美味しかった!!
スタジアムで食べるものはなぜあんなにも美味しいのか。ビールはなんであんなにも美味しいのか。スタジアムではビールを買うためにわざわざ並ばなければいけない。その上少し値段が高い。しかし、何だから知らないけど美味しい!
なぜだ。なぜなのだ!
わからないけど、うまい!
面白かった!
最初は誰が誰だかわからなかった。しかし、楽しむためには全く問題がなかった。戦術分析なんか現場では一切できなかった。でも、とてつもなく面白かった。
FC東京のカウンターが展開される度に、両手の拳を握りしめて叫んだ。
「行け!!!!!!!」
ピンチを逃れた時には、ふーっと息をついて大きな拍手を送った。
大迫力だった!!!
目の前で繰り広げられる小さなボールを巡った肉弾戦は、我々を何度も興奮させてくれた。
理屈抜きで興奮した!
知識なんか全く必要なかった。フォワードやミッドフィルダーやボランチが識別できなくてもいい。選手の顔やプレースタイルもわからなくていい。
ルールですらどうでもいい。ギャップもバイタルエリアもチキタカもゲーゲンプレスも偽のセンターフォワードもスマルカメントもディアゴナーレもわからなくていい。
色だけ識別できればいいのだ。どっちの色を応援するかだけ決めたらいい。それだけで十分だ。
あるいは、好きな選手が1人いるだけでもいい。後は運動会の応援と一緒だ。頑張って走ったり、時々ボールに絡んだりしたときに、歓声を送ればいい。
サッカーというケイオスティックな現象に、秩序を与えるのは非常に面白い行為だ。監督目線での戦術分析は、最高に面白い。しかし、それはプロに任せておけばいいのかもしれない。ファンは試合を無邪気に楽しみ、後で分析を読んで「うちのそーちゃん、頑張ってたみたいね!」と喜べばいい。
最高の日だった。
試合後は、新宿の居酒屋にいって大量に飲んでしまった。おっさんが集まる地味な居酒屋で、日本酒をぐいぐいと飲んだ。そして、覚えたてのチャントをみんなで歌った。
ハセガワ アーリア ジャースールー ジャスールー ジャスールー!
ハセガワ アーリア ジャースールー ジャスールー ジャスールー!
それほど大声ではなかったが、正直言ってうるさい客だったかもしれない。でも、「この気持ち止まらないぜ!」。本当に楽しかったからだ。
試合後の居酒屋ではずっとサッカーの話をしていた。終電まで話題が尽きることはなかった。
前回の初観戦は一方的な展開だった。しかし、ぼろ負けしていても戦うことをやめないチームに心を打たれた。だから、もう一度そのチームの試合を観に行くことにした。
そしたら2-0で勝ってくれたのだ!!
最高だ。最高じゃないか!!!!!
太田宏介の得点シーンでの歓声が、何度も何度も思い出される。胸を刺激し続ける。あの時、空気が爆発した。同時に、自分の中にくすぶっていた苛立ちも全部爆発していった。どこかに消えてなくなった。
笑いがこみ上げてくる!!
こんな刺激的な世界があったなんて!!!
帰宅する途中や、家に帰ってからも、ベッドの中でも、何度思い出したことか。
あのフリーキックは本当に最高だった。
素晴らしい試合だった!
といってもレギュラーシーズンの1試合だ。優勝がかかっている試合ではない。ワールドカップの決勝でもないし、チャンピオンズリーグでもない。プレミアでもブンデスでもセリエAでもリーガでもない。
Jリーグだ。
日本のリーグだ。日本人だらけのリーグだ。レベルは世界最高水準とは今のところはとても言えず、ネガティブな話題も多いリーグだ。
なのに、なんでこんなに楽しいんだ!
謝らなければいけない。今まで無関心で本当に申し訳なかった。
Jリーグのサポーターにありがとうと言いたい。このリーグを20年間支えてきてくれたことについて、感謝したい。
これはリレーなのだ。
Jリーグを支えてきた前の世代から、ぼくはバトンを受け取った。
受け取ってしまったからには、次の世代に渡すまで走り抜けないといけない。
もしかしたら、前の走者は途中で転んでしまったかもしれないし、その結果最下位になってしまっているかもしれない。バトンをもらった時点で周回遅れで、勝つ見込みはないかもしれない。
しかし、バトンを一度受け取ったら今までのことは関係ない。全身のありとあらゆる力を使って全力で走り抜けるしかないのだ。それ以外に出来ることは存在しない。
棄権することは出来ず、軽く流して走るのは格好悪い。
バトンは確かに受け取った。
今は問題もあるのかもしれないが、今後良くなっていくように、ぼくはぼくなりに努力したい。全力で戦っていきたい。文章を書いていると、方々から批判されて本当に嫌な気持ちにされることもあるのだけど、それでも勇敢に戦っていきたい。
Jリーグのことをもっと知って、少しでも広まるように文章を書いていきたい。プロとして報酬が得るのか、あるいはアマチュアとしてメインの仕事の傍らに書いていくのかはわからない。
しかし、その差は、大したものではない。使える時間と予算の差に過ぎない。
ぼくの魂は半分くらいFC東京の青赤に吸い込まれてしまっているのだが、しばらくの間はなるだけ日本中のチームを見てみたいと感じている。一段落したと思ったら、米本選手のユニフォームでも買おうかな。
結論
2回目のJリーグ観戦に行った結果、今後のJリーグを支えていくという決意をする羽目になった。
これはなかなか恐ろしいことだと自分では思っている。
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