筋トレサッカー観戦 2回目
この記事は、サッカーのことがよくわかっていない物書きが、サッカーを学び、サッカーについて記述することに慣れるための「筋トレ」として書いたブログ記事である。
↓一回目はこちら。
【筋トレサッカー観戦】サウサンプトンvsリヴァプール 2017-2018【No.01】 | | はとのす
今度の試合はチャンピオンズリーグ決勝リーグの初戦、リバプールvsポルト。
スタジアムはエスタディオ・ド・ドラゴン。
wikipediaを参照してみると、雨が多い土地柄なので半開閉式の透明の屋根があるらしい。
にもかかわらず、この日は雨が降っていて、選手も観客もずぶ濡れになっていた(観客は移っていた前列のほうだけかも)。なんだろう、屋根壊れたのだろうか。あるいは、濡れているほうが有利と踏んだのだろうか。
解説はベン・メイブリーさん、実況アナウンスは福田浩大さん担当。と書いていて思ったが、選手に敬称をつける気もしないのに、サッカー関係者にはさんをつけなければいけないのはどうなんだろうか。こういった忖度はよろしくないので、すべて敬称略とする。
解説のメイブリーは「リバプールの対戦相手として、ポルトはマシな方」と言っていた。この放送は、基本的にはリバプールファンが見るものなのだろう。解説も実況もリバプールよりであった(ぼくとしてもそのほうがありがたいのだが)。
ポルトは、モウリーニョ監督の時代にCLを制覇しているクラブだが、欧州のメガクラブと戦うには戦力が不足している。
本筋とは逸れるが、モウリーニョ時代のポルトには誰がいたのだろうか。ぼくがサッカーに興味を持った時には、モウリーニョはレアルマドリードで選手と喧嘩していた(つまり末期である)。
調べてみると2003ー2004シーズンのことであった。当時の選手表を見てみても、あまりピンとこない。監督のASモナコの監督のデシャンは知っているくらいであった。この時代からCLを観戦していた人は、ぼくの周りにはゴロゴロいそうなので、URLだけ載せておく。
UEFAチャンピオンズリーグ 2003-04 決勝 - Wikipedia
さて、ポルトは、FWのアルバカル、ボランチのダニエロ・ペレイラ、CBのフェリペが欠場なのだそうだ。元々戦力差がある上に、主軸がことごとく休みという状況である。なかなか厳しい。
ぼくはリバプール寄りで観戦しているわけだが、こういう試合では、ポルトがどう戦うかに注目せざるを得ない。欧州サッカーは戦力差が開いている試合が多く、退屈なことが多いのだ。
Jリーグのように、甲府が浦和に勝ったり、新潟が鹿島に勝ったりすることは滅多にない。もっと大きな、どうにもならないほどの差が開いているからだ。
そして、メガクラブの選手や監督は、格下潰しのプロフェッショナルでもある。長いシーズンを戦うために省エネで勝利をもぎ取る方法を心得ている。だから、あっさり2点か3点を取った後、炭酸が抜けたぬるいビールのような試合を見ながら眠りに誘われるのである。
この試合がそうならなければ良いが……。言ってもCL決勝なので、そこまで酷いことにならないと信じよう!!
スターティング
【ポルト】
4-2-3-1
GK ジョゼ・サ
DF リカルド レジェス マルカーノ アレックス・テレス
MF セルジオ・オリベイラ エクトル・エレーラ
マルガ オタービオ ブラヒミ
FW ソアレス
監督 セルジオ・マンセイソ
どうでもいいけど、ソアレスとスアレスは同じ名前なのか、それともルーツを含めて全然違うのか。どうなんだろう。噛み付き男はスアレスだし、サウサンプトンにいたのもスアレスだった。
【リバプール】
4-3-3
GK カリウス
DF アレクサンダーアーノルド ロブレン ヴァンダイク ロバートソン
MF ミルナー ヘンダーソン ワイドゥナム
FW サラー フィルミーニョ マネ
試合の展開
前回の筋トレ観戦記事では、トピックごとに分けて話を展開したのだが、それだと字数や構成を制御しづらいので試合の流れは先にまとめてしまうことにする。その後、気が済むまでトピックごとに書いていく。
といっても流れの中で書きたいことは書いてしまうと思うので、そこからこぼれたものだけ、最後に拾うという形式にしよう。
キックオフと同時に、リバプールはボールを1列か2列戻した。そして、敵陣に大きく蹴り込んでいく。FWが(たぶんマネかな?)がヘディングで競る。
この立ち上がりが実に堂々としてかっこいい。欧州サッカーを見るならリバプールにしようという決断は間違っていなかった。
実力差があるわけだから、パスを繋いで圧倒するようなサッカーも出来るはずだ。しかし、そういうチマチマということはせず、力で突破して、力でねじ伏せる。
それがサッカーなのである。
これは一種の思想・哲学である。ペップ時代のバルサから欧州サッカーに入ったぼくは、ポゼッション全振りの、あのシステムを研究した結果思った。こんなもん、少しも面白くない。
ただ、その少し後に、ランコ・ポポビッチ監督が似たようなサッカーを展開していたFC東京に出会った。バルサと違って、FC東京にはメッシがいない。パスは回るが全然シュートに結びつかない。
そして、誰も打たないので、長谷川アーリアジャスール。
だから、とても退屈でつまらない試合だった。いや、そうなるはずだった。なのに、熱い拳を握り、大声を出して応援するようになった。
サッカーは戦術でもシステムでもない。パッションだ。そう結論づけて、戦術について考えるのをやめたのであった。
それももう懐かしい話になってしまった。FC東京のサッカーという、サッカーを考える上での軸が出来た。自分でプレーするサッカー、FC東京のサッカー、これらがあるからこそ、欧州サッカーについて考えても楽しめるステージに入ったようだ。
最初からグアルディオラのバルサを見たって、現代アートのようなものなのだから、面白いわけがない。
「ええっサッカーでこんなこと出来るの?」という衝撃はあったのだろうが、バスケをやっていた自分としては普通と言えば普通であった。何より試合が一方的で面白くないのである。セルティックが守りに守って勝った試合は最高だったが。
そういう意味ではリバプールが守りに守らないとどうしようもないレベルのチームと当たるのが今から楽しみだ。
1番面白いサッカーとは、熱い気持ちが、身体ごとぶつかっていくサッカーなのである。
話を先に進めなければ……。
ポルトは、中盤でボールを持ち前線へと供給するブラヒミと、最前線の一列前から飛び出していって、強靱な肉体でボールをキープし、ディフェンスブロックを破壊していくマレガの二人が主軸になっていた。
ブラヒミは、アルジェリア移民系のフランス人である。ということは、ジネディーヌ・ジダンと同じバックグラウンドである。
ボールキープに安定感がある上に、常に決定的なパスコースを探っているようなタイプであった。
しかし、このブラヒミは要注意シールが張られていて、縦のコースを切るように、常にディフェンスが立ちふさがることになった。
アレクサンダー・アーノルドが前に立ちふさがると、ドリブルでは突破できずに、サイドへと逃れていく。何とか突破しようとチャレンジしていたが、気合いの入ったアレクサンダー・アーノルドは距離を詰め、相手の足下だけを見つめて集中していたため、抜かれることはなかった。
この試合では、ブラヒミに蓋をすることが重要なタスクだったのだろう。
アレクサンダー・アーノルドが、ブラヒミに詰めていくとき、お辞儀をするように腰を曲げてディフェンスをしていた。この姿勢をみて、映画『ホペイロの憂鬱』で、郭智博さんが演じる森陽介選手を思い出した。
ぼくの記憶にある限りだと、ああいう姿勢でのディフェンスはこの2例。いや、他にもあったかもだけど、思い出せない。郭さんはリバプールを応援しているので自然とトレースしたのかもしれない。
距離を詰めるときは、抜かれても対応できるように身体を起こして重心を後ろに残しておくほうがいいような気がしている。しかし、前傾し「捨て身」になってボールの動きだけに集中することで、断固としてボールを通過させないという意志が表れたディフェンスもあるということか。意識出来ていなかっただけで、こういう守り方は見たことがあったような気もしてきた。
実際に、ブラヒミがウィークサイド……、これはバスケ用語だな。ライン際のほうを抜いていこうとした時には足が出ていた。足が出ると言うことは、良い体勢だということだ。
実際にやってみるとどうなものなんだろう。今度フットサルで試してみよう。
確認しなければならない。
ぼくは試合の流れを書いている。そうだよね?
話が逸れすぎである。今更修正するのも面倒なので、小見出しはそのままに、好き勝手トピックを書いていくことにする。スタイルは戦いながら見つけよう。
ポルトは、マレガが前線でインパクトを残す。ピーター・ウタカのように力強く頼りになる選手だ。そこまで器用ではないが、力尽くで来られるとどうしても対応しきれない時もある。そこで作った隙にシュートをたたき込めればポルトにも勝機はあったはずだ。
しかし、マレガのプレーが警戒された後は、ブラヒミが何度か必死のチャンスメークをしたものの……。あとなんかいいところあったかな。
解説のベンメイブリーによると、ポルトはサイドバックを攻めあげて戦いたかったようなのだが、アレクサンダー・アーノルドが高めのポジションを取っていたこともあり、サイドを切り崩せなかった。
というか、アレクサンダー・アーノルドと打つのがいい加減めんどうになってきたので、辞書登録した。アレクサンダー・アーノルド、アレクサンダー・アーノルド、アレクサンダー・アーノルド、アレクサンダー・アーノルド。これで楽勝。
試合もリバプールが楽勝で勝つかと思いきや、なかなかよろしくない状態であった。というのも、ゴール前で三銃士がシュートをためらうのだ。
シュートコースがあるのにも関わらずサラーがパスを出したり、マネの場合にはドフリーのワイドゥナムが待ち構えているのて触るだけでゴールが出来るのに、狭いところに蹴り込んでセーブされたり、いったい何をやってるやら、であった。
リバプールの超絶三銃士は大舞台では活躍できない可能性もあると前の記事で少し書いたが、それが現実になるように思えた。CLという大舞台の戦いのせいなのか少し萎縮しているように思えたのだ。
ただ、戦う男は残っていた。
その前にGKジョセサは調子が悪いようだった。というかキーパーグローブがツルツルだったんじゃないか?酷いミススローを二連発した。
1つめのミスキャストは、恐るべき男サラーにかっさらわれた(確か)。しかし、サラーはシュートまでは持ち込めずパスを出してカットされたのだ。
その次に、先ほど言及したワイドゥナム放置事件があった。
その次のプレーで、ジョセサは再びミススローをした。CLでメガクラブ相手にこのミスをしてしまったら絶対に勝てない。この後失点につながるのだが、ミスして悔しがるジョセサのあとに、カメラが捉えたのはベンチで無の境地に至っているカシージャスであった。
これならカシージャス出しておけば良かったんじゃない?という意味だろう。どうやら、放出するために飼い殺しにされているらしい。もしそうだとしたら批判されても方がないだろう。
リバプールは、ミススローから得たボールをつなぎ、ドフリーで取り残されたMFワイドゥナムが、前線でボールを受ける。
今のFWに任せておけないと思ったのか、日向くんばりの強引なドリブルで中央突破をはかった。
数えてみたら周囲には6人のディフェンスがいた。そして、そのまま強引にシュートに持ち込む。
これはディフェンスにぶつかる。
当たり前だ。
しかし、幸運なことにボールが戻ってきたので、それをサイドで放置されていたマネへと流す。
マネは、ゴール前、フリーで、パスする相手も絶対にいない状況で外す選手ではない。あんな状態なら、ぼくだってシュートを決めれそうだ(3回に1回くらいは)。
というわけでゴール。
次。
ミルナーがインターセプトしたボールを、小さく刻みながら前に運び、そのまま強烈なシュート。
ゴールポストを叩くが、それを拾ったのがサラー。これを奇術師のように、軽妙にボールを操ってゴールまで持ち込んだ。
ミルナー「俺のシュートミスをミルナー!!」
サラー「サラーっと決めるから任しとけ!!」
そんな感じ(ここが今回の記事のハイライト)。同じ親父ギャグを思いついたリバプーリおじさんが何人かいると想像している。
はい、ぽんぽん行こう。
次。
マネが自陣深めでボールを持つ。ロングカウンターへ。
フィルミーニョが受けたボールを、ワンタッチのヒールでサイドに流す(フィルミーニョのヒールはほんとすごいね!!)。
サラーが持つ。前には誰もいない。
そのままドリブルでもちあがる。中央のフィルミーニョに出す。シュート。GKがはじく。
そこに走り込んでいるマネ。
ジ・エンド。
こんなものが止められるわけがない。
次。
カウンター、マネからミルナーへ。
クロスをフィルミーニョが押し込む。
最後、マネのごっついミドルシュート。すごいシュートだったけど、ポルトのディフェンスのライフがゼロだったので、それほど興奮はしない(というか0-4になった後は半分寝ていた)。
現地で見ていると0-5の試合は面白いのだが、テレビで見てると少し退屈だ。3点目あたりからポルトのやる気の糸もプッツンと切れてしまった。
文字通り、勝ち目なし。
三銃士について
前回の記事で、大舞台でも三銃士は活躍できるのかどうかという、一つの観戦の軸を作った。
今回は一応大舞台ではあったので、若干の検討材料は出来たように思う。
まずマネ。
能力の高さは本当にすごい。見れば見るほどよくわかる。インサイドのシュート一つとっても、動作の小ささと、飛んでいくボールの速さが素晴らしい。小技もあるし、スタナミもある。パスセンスもあるような気がする。少なくともプレッシャーが小さいときには、繊細なパスが出せる。
ただ、まだちょっと経験が不足しているんじゃないかという気がする。といっても年齢は25歳なので、そんなことも言ってられない。
マネが相手チームにいることは厄介きわまりないが、最優先で潰さなければいけないものでもないというところだろうか。
上手さとすごさは感じるが、怖さを感じないのだ。これも、相手がもうちょっと強くなったときに、もっとよくわかることなので、注視したい。
ガッチガチに固めたユヴェントス相手にハットトリックでもしたらもう白旗あげるしかないんだけど(ぼくが見ていないだけでそういう試合もあったかもしれないんだけど)、ポルト相手にごっつぁんゴールを2つ決め、勝負が決まった後にミドルを決めてのハットトリックは、価値としては少し低い。
ただ、マネってすごいいい奴なんじゃないかな。あれだけの能力があるのに調子に乗らず、常に仲間と一緒に攻めていくことを望んでいるように見える。俺が俺がの「我」が見えない。ある意味では、日本人的なメンタルともえいえる。マネと一緒にサッカーしたら楽しそうな気がする(全部決めてくれるし、どんなパスでも追いかけてくれそうだし)。
そしてサラーも、いい奴なんじゃないかという気がした。すごく気のいいやつなんじゃないかと。ただ、脳内が天才すぎて、時折意味不明になることもわかった。1回ディフェンスラインのあたりまで下がっていたことがあったのだが、流石に監督の指示じゃないと思うんだよな。
高速ドリブラーなわけだから前線に張り付いてくれればいいんだが、仲間がピンチだと思ったときは気まぐれに助けに行くのだろうか。
左利きの天才頭なので、相手の予測不能な行動をする。だからゴールを決めることも出来る。一方で、時々味方も予測不能な行動をする。
「でもいいんだ、サラーはいい奴だから。いつまで俺たちのチームにいてくれるかわからないけどね。あいつは風みたいに現れた。そして、ある日突然、風のようにいなくなっちまうかもな。」
そんなノリである。念のため言っておくが、100%妄想である。サラーいい奴説についても今後の検討材料にしたい。
最後はフィルミーニョ。サウサンプトン戦の時は評価保留にしていたのだけど、こいつはやばい。マネよりもずっとやばいような気がする。
能力的にはマネとサラーには劣るが、相手の息の根を止めるための最善の方法を知っている選手であった。リバプールで1番怖いのはフィルミーニョで、フィルミーニョが怖すぎるから、サラーとマネがノビノビと点が取れるのだろう。
こういう表現をサッカーの分析で使うかわからないのだが、「未来が見えている選手」の一人だろう。数秒後に世界がどのように動いてるか見える選手がいるのだ。
サラーは「未来が見えている」わけではなく、「どんな現在にも対応できる選手」なので、タイプが違う。いやまぁ、2試合見ただけなので、大間違いかもしれないのだが。
漫画『One Piece』でも、シャーロット・カタクリという人物が同様の能力を持っている。あれと似たような能力である。見聞色の覇気の上位版なので、まさしく同じものとも言えるかもしれない。
自分でサッカーをしている時でも、理屈ではなく、ここにパスを出しておけば数秒後に味方が拾えるとわかるときがあるし、どこにどういうボールがこぼれてくるかわかることもある。
GKが弾いたボールがこのへんにはねてくるから、このくらいの歩幅で走って詰めていけばシュートが撃てる!!と感じて、実際にそうなって、ミドルシュートを決めたこともあった。あれは一生忘れん!!
さておき、ぼく程度の選手では、敵味方が激しく入り乱れる本格的なサッカーでは、未来なんか見えることはないだろう。ある程度余裕があるからこそ未来が見えるのだ。
リバプールが勝ち上がっていくとしたら、フィルミーニョが競合相手にクリティカルな仕事をしたときだろう。ただ、相手としても難しいところだ。中央のフィルミーニョに気を取られすぎると、両サイドにいるマネとサラーがちょっと手薄になるわけで、流石メガクラブの布陣である。
何せ3人あわせて150億円だもの。吹田のスタジアムの建設費が140億であることを考えれば、この布陣の豪華さがわかるというものだ。
ビルドアップについて
派手派手な欧州サッカーのワンサイドゲームを二試合見ただけなのだが、二試合目はビルドアップについてもう少しだけ注目することが出来た。
MFのヘンダーソンが少し下りて組み立てに参加しているらしい。その時サイドバックが少し上がり、パスターゲットになる。
最近よく見る形だ。その時ワイドゥナムとミルナーがどこにいるのかをぼくに聞いてはいけない。まったく見えていない。次の記事ではもう一歩先に進めたいところである。
CBのヴァンダイクはロングフィードが蹴れるので、細かい組み立てをせずとも、ここから直で前線につながっていく。
というか、なんだこのフィードは。
どうなってるんだ。この2試合についてはそれほどプレスが来ていないのもあるのだが、「手で投げたような正確さ」でボールが飛んでいく。
日本でロングフィードが蹴れる選手もいるが「足で蹴った正確さ」でボールが飛んでいく。CBのフィードには大きな差があるのを実感する。
以前吉田麻也が、ロングフィードは苦手なので、練習のためもあって敢えて蹴っていると語っていたことがあった(ブラジルW杯の半年から一年前だ)。
ということ事情からは、日本ではある程度センターバックとしてやることが完成されてからロングフィードを蹴ろうかなと考え始めるのではないかと考えた。
一方で、海外のロングフィードが得意な選手は、最初からロングフィードを蹴るのが当たり前なのかもしれない。
ロングフィードも出来ないようではセンターバックではなとでも思っているかのごとく、何度も何度も失敗を繰り返しながら蹴ってきたからこその精度なんじゃないかという気がしている。
そのくらい躊躇なく当たり前のように蹴るし、当たり前のようにピンポイントで味方の頭や胸に落ちる。躊躇なく蹴るというのがポイントで、判断が速いからこそ余裕を持ってキックできるため正確性も高まる。
サッカーとは文化なのだ。海外サッカーがいいのか、国内サッカーがいいのかという議論はあるが、少なくとも最高峰は最高峰で見ておいたほうがいいのは間違いないということがよくわかった。
ロングフィードは練習次第では正確に蹴れるものなのだ。だから、無謀な挑戦でもギャンブルでもない。100%成功するようになってから蹴り始めることは出来ないので、ひりつくような試合の中で何本ミスキックを蹴れるか、周囲がそれを容認するかという問題なのである。
日本の指導者はミスすると怒るという話があり(日本だけに限らないだろうが)、選手のほうも怒られることを恐れるメンタリティの持ち主が多いという気もするので、チャレンジングでリスキーなプレーが育たず、堅実でミスが起こりづらいプレーを選択するようになる。
結果、パス回しはうまいものの、「シュート打て病」の患者になってしまう。これは本当に深刻な病だと思ったことがある。某クラブのユースチームとフットサルをする機会があった時だ。クラブのユースといえば『アオアシ』の世界だ。技術的にも肉体的にも非常にハイレベルだし、コーチングの声もガンガン飛んでいる。
しかし、ぼくのような30歳からサッカーを始めた、身体的には一般人の平均値にも満たないような選手が、某クラブのユースでバリバリにやっている選手とフットサルをして、全然点を取られる気がしなかったのである。最終的には1-0で負けたが(流石に点を取るのは不可能であった)、能力的には20-0くらいになっていてもおかしくない差がついていた。
日本でも大久保嘉人のような例外はいるが、どうしてもアウトロー扱いになるし、みんなアウトローは好まないので、そういうプレーを選択しないのだ。
だからというわけではないが、ぼくはフットサルをしたときには狙えるときは全部シュートを狙うことにしているし、コースが見えたらロングフィード(といってもフットサルだが)も蹴ることにしている。
そして、あまりにも酷い結果になった時以外は、失敗しても謝らない。それは価値ある挑戦だからだ。そんなスタイルなので、へたくその割に得点はまぁまぁ稼げるのである。
孤独な作家業をやっているわけだが、点くらいは取れないとね!!
ゲーゲンプレスについて
哲学用語のようになんだかわからないこのプレスだが、意識すると少しずつ見えてきた。また前回紹介したフットボリスタにも解説記事が載っていた。読んだだけで理解できるというものでもないのだが、大まかな趣旨はわかった。
詰める目的と詰め方と落としどころによって4つか5つかのパターンがあるということらしい。
理論はもう少し後で考えるとして、いくつか気になったことがあるので記録していく。
リバプールのMFヘンダーソンが、中央でプレスにいって綺麗にかわされていたのだが、こういうのはありなのだろうか。ど真ん中で軽くかわされてしまうのは「犯罪」だと思うのだが、ゲーゲンプレスを行う際にはではある程度こういうミスを許容するのだろうか。
次。ゲーゲンプレスといっても、最前線で激しいプレッシングを展開することもあるが、中盤以下では、リトリートをして普通に守っているように見える点。
いつどんなタイミングでプレスにいくのか、あるいはいかないのかについては観察データを蓄積する必要がありそうだ。正直全然わからない。
そもそもぼくは頭の切り替えが遅い人間なので、オフェンスについて色々考えているうちに、ディフェンスのトランジションが始まってしまうため、見逃してしまうのだ(これは選手としても、切り替えの速い現代サッカーの観戦者としても致命的な問題点)。
ポルトのサポーターについて
酷い試合である。0-5での敗退。せっかくのCLが、1stLegで終わってしまった。
しかも雨である。
そんな中、ぼろ負けしていてもポルトのサポーターは応援をし続けていた。声も出ているし、大旗も振られ続けていた。
何だかあの試合のことを思い出してしまった。初めて観戦したJリーグの試合。FC東京と鹿島の試合を。
Jリーグを初観戦した結果、思わぬことになった。 | はとのす
数回しかなかったポルトのチャンスの時には、コーヒールンバが流れていた。あといくつか東京で使っているチャントがあったような気がする。
CBのマルカーノが、華麗なルーレットでFWのプレスをはがしたシーンでは歓声が湧いていた。このプレーは本当に勇気がある。何せ、相手はリバプールでミスをしたら即失点である。しかも雨でボールがツルツルなので、足裏を使うルーレットはリスキーである。ツルっとした瞬間、失点に繋がるのだ。
あそこで大歓声が上がったのを見て、ポルトのサポーターはサッカーが好きなんだろうなと思った。
愛するクラブがあるということと、サッカーが好きであるということは実はかなり違う。
サッカーにまったく関心がないサポーターなんてそのへんにゴロゴロしているし、だから悪いということでもない。そういうものなのだ。
ぼくに関しては、「クラブは愛しているがサッカーには醒めている」という状態が少し続いたが、ここにきて「クラブを愛していて、サッカーにも興味がある」という方向に突如アクセルを踏んだところである(Accelerator is just this article!! YEAH!)。
甲府とか、浦和とか、磐田とかに行ったときには、サッカーが好きなサポーターが多いんだろうなと感じたい。歓声のタイミングなどでわかるのである。
さておき。
世界中のほとんどはリバプールにしか関心がないだろうけど、ポルトにはポルトの世界がある。それがどんな世界なのかは、やはりポルトのホームタウンにいってそっと覗いてみないことにはわからない。
テレビで見るサッカーには、卓越した技術や、超人的な判断、鍛え上げられたロングフィードは映っている。
しかし、一番大切なものはほんのちょこっとしか映っていない。
それは、サッカーが根付いている土地に訪れないことには感じられないものなのだ。
ぼくがやるべきことは、そういったものを記述していくことだと思うのだが、筋トレが不足しているのである!!
もっと鍛えなければ。そして鍛えながらも書いていこう。
鍛え上がってから戦場に出るのでは遅すぎる。ロングフィードと一緒だ。
というわけでこの稿終える。来週からFC東京の試合も始まるので、もう少し省エネで書かないと死んでしまうかもしれない。
スカパー公式のハイライトがあがっていたので、貼り付けておく。
https://youtu.be/kaCEsr_56I0