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薩摩旅行は命がけ?!江戸の男、鹿児島ユナイテッドホーム白波スタジアムへ

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あだっごあした。

と言われても何のことやらかもですが、鹿児島弁、薩摩弁でおはようございますという意味らしいです。

イントネーションはわからないのですが、少年野球をやっているとこういうしゃべり方になる子どもいたなぁと何となく懐かしく思います。

さて、鹿児島ユナイテッドの入場者数がとても順調に増えていて、J2、J3で6位に入るという快挙を達成しました。鹿児島はホーム開幕戦で、J2は3節という差はあるので、本当に見るべきは年間の平均入場者数ですが、鹿児島はコンスタントに4000を超えてきています。

J2を戦った2019年で平均5785人。
2020,2021年はコロナ禍の影響が大きいですが、それでも3738人、4740人と数字を伸ばしました。

カテゴリーがあがって勝てなくなったり、敗北を続けて降格をしてしまうと途端に文句ばかり言いだすサポーターがいます。これは、クラブが負けることで「自分も負け犬になってしまう」という不安に駆られ、サッカークラブと自分の関係性は薄いとPRする現象です。

ちょっときつめの言葉でいうと「サポーター的な裏切り行為」です。
サポーターというのは支える人という意味なので、崩れそうな時にだけ仕事があります。クラブが順調なときはサポーターはただ突っ立っていればいいのです。チケットを買って、飲食をするなどしてお金を使い、SNSではポジティブなことだけ書いていればいいです。

ただ、いったんクラブがピンチに陥ると、サポーターが何とかするしかありません。

「勝ち点は取れていないけど、観に来てくれる人がいる」

ということが、どれだけ選手やクラブ関係者の力になるか。また、地方の政治家や行政などの目にどう映るかです。負け始めるといなくなるようなタイプの人たちは所詮流行に乗っているだけです。だから、すぐに数を減らすでしょう。

政治や行政において重要なのは「数」です。「有権者の数」です。だから、数が集まっているかどうかはとてもシビアに見られていると思います。ちょっと嫌な話ですが。

負けていてもいなくならないタイプの人たちがサッカースタジアムにいるならば、政治生命をかけてサッカーにかかわろうという政治家も出てくるでしょう。政治家というのはそのように打算的なもので、嫌な言い方をすると信用ならん人たちもいるわけですが、自分の代弁者として役に立つようなら使ってあげるというのが市民の仕事です。

少し話は逸れましたが、2019年にJ2を戦った鹿児島ユナイテッドは11勝、24敗、7分で、得失点差は-32という散々なシーズンを過ごしたようです。勝ち点は40ですが、栃木も40で並んでいることから最終戦までもつれたことでしょう。

最終戦はアビスパ福岡戦に敗れたわけですが、もしもアビスパが負けていたらJ3降格もありえたとのこと。今のアビスパはJ1でしっかり勝ち点を取れているわけなので、Jリーグは実に面白いです。

ホーム最終戦となった水戸ホーリーホックとの試合では、7691人が集まっています。
これは、鹿児島ユナイテッドのホームゲームの中で4番目に多い数字だそうです。
(1位は昇格した2018年11月25日のアスルクラロ沼津戦で10916人!)

9月以降はなかなか悲惨な成績で13試合中、勝利は2つだけです。2勝、7敗、4分です。

そんな成績で向かえたホーム最終戦。
チームの未来を見捨てる人がほとんどいないどころか、歴代4位の動員数を記録したわけです。

もしかしたらそれは、明治の世に苦しむ士族たちのために命を賭して立ち上がった西郷隆盛の精神なのかもしれないし、あるいは西郷隆盛のもと、負け戦だとわかっても果敢に戦った旧薩摩藩士の精神なのかもしれません。

サッカークラブは、サポーターが失望したり、見捨てたりしなければ、いつか必ず強くなります。そういう仕組みになっています。

こういった数字を見ていたら、鹿児島ユナイテッドはこの先すごく良いクラブに成長していくのではないかという気がしてきました。

だから、ぼくは、今週末白波スタジアムにいってきます。

失礼ながら、これまで鹿児島ユナイテッドに注目したことはほとんどありませんでした。

都市からのアクセスが悪い地方クラブは苦しむ運命であるため、頑張って欲しいとは思うものの、そこから頭を抜けてくるとは想像もしていませんでした。

だけど、断言します。

サポーター界隈に10年生息している者として。

『サポーターをめぐる冒険』という書籍を書いて、そのあとサポーターと地域についてずっと見てきたものとして。

断言します。

鹿児島ユナイテッドはJ1まであがります。

それがいつになるかはわかりません。そして定着できるかというと、今は上位から中位クラブの経済力が非常に高くなっているので簡単ではありません。

少なくとも新スタジアムができるか、市と県が“なかなおい”してスタジアムとサッカー都市としての計画が整理されるかする必要はあるでしょう。

けど、サポーターがクラブを見捨てない限り、スタジアムを埋めていく限り、地域社会は必ずその力に気づきます。

J1にあがるだけではなく、偉大なるヴァンフォーレ甲府のように天皇杯を掲げる日もくるかもしれません。

言うまでもなく甲府は偉大なクラブで、イタリア語でプロビンチャと呼ばれる地域クラブが目指すべきモデルです。

ただ、優勝したり、昇格したりというのは、サッカーの楽しさにおいて「美味しいデザート」くらいのものです。

とっても鮮烈な味がするレモン味のアイスクリーム。いままで食べたことがない味だし、とっても美味しいけど、一瞬で消えてなくなってしまう。そのくらいのものだと思います。

忘れてしまうくらいでいいのです。昇格した体験などに固執して「あの頃が良かった」などと現状を批判しはじめる人が増えてくるのはよくないことだと思っています。

「あの頃は良かった」という言い方は、今を生きて、今を良くしていくことを放棄しているからこそ出る言葉だからです。

大切なのは、今までに食べてきたデザートを自慢することではありません。

サッカークラブとともに生きて、同じ楽しみを持つ仲間とともに過ごし、人生を紡いでいくことです。

人生において一番大切なものは仲間です。幸福度とは、孤独ではないことです。

ぼくが死んだら、葬式にはユニフォームを着たサッカー仲間が参列してくれるでしょう。ということは、死ぬ寸前までぼくは孤独になることはないといことです。

日本各地に根付いたサッカークラブは、人々から孤独を取り去ってくれます。だから、サッカーは大切だし、サッカーのことを書くべきだし、サッカーの魅力を世間に向けて強く発信するべきなのです。

だから私は出版社を創りました。自分の出版社じゃないと、Jリーグや地域クラブの本が作れないからです。Jリーグどころかサッカー本は売れないから作るべきではないという判断をする出版社がとても多くなっています。

というわけで、急遽旅程を変更して鹿児島ユナイテッドの試合を見てきます。

薩摩藩は秘密主義が強く、スパイが入り込むと生きては出てこられなかったそうです。薩摩飛脚というやつですね。

ぼくも生還できるか正直いって不安なところがあります。

だって、どう考えても酒飲みホイホイというか……。良さそうな居酒屋、美味しそうなお店、焼酎……。果たして無事に帰ってこれるかどうか……。

アウトプットとしては、YoutubeでのVLOG旅動画がもし作れたら作るのと、4月に再オープン予定のOWL magazineのコンテンツとして旅記事を書きたいと思います。

壊れかけの出版社をやっているので旅費はあまりなく、食い倒れはできないかもしれませんが、鹿児島を満喫したいと思います。飛行機はマイルで取りました。コロナ禍で8万マイルまで溜まったので!!

マイルの貯め方いまはちょっと変わったかもですが、昔ブログにまとめたので興味ある方は読んでみてください。

【サポーター必読!】マイルを貯めて低予算Jリーグ旅に行く方法を念入りに説明してみた

最後にちょっと告知、PRです!!

OWL magazineのYoutubeチャンネルで、緊急番組、鹿児島ユナイテッドについて話しました。
ぜんぜん鹿児島のことを知らないので「黒霧島」のことなど、間違えていますが、それでも温かいコメントをくれる鹿児島のみなさんが大好きです……。

同じチャンネルで、3月7日にLIVE放送をするのですが、放送予定を変更します。

『J3開幕スペシャル!!』

『J3開幕スペシャル!!鹿児島ユナイテッドの夢を勝手に語る!!』(仮)

というわけで、鹿児島ユナイテッドコーナーを設けたいと思います。

西葛西出版刊行の『サッカー旅を食べ尽くせ!すたすたぐるぐる信州編』では、長野パルセイロの伝説のコールリーダー古川さんへのインタビューをぼくが書いています。その内容はUスタジアムの建設秘話です。

鹿児島の皆さんにとってすごくホットな記事だと思います。

もしご興味ある方は是非読んでください!!弊社HPから購入していただいた方には、今ならニシカサイペンギンシールがおまけでつけます!!(3月中)

西葛西出版の本屋さん

一応Amazonも

というわけで、3月11日、白波スタジアムにいってきます!!!

<記念>
たくさんの反響をいただいた中村のツイート

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