印税暮らしは胡蝶の夢か。


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本を出版するというのが夢だったので、現在は夢が叶った状態にある。この先は、創作意欲の赴くがままに、執筆活動を続けていけばいい、と思っていたのだが……

金勘定があまり得意ではないのだが、作家稼業を初めてみるとそういうわけにはいかない。どこでどのくらい仕事をすれば収入が上がるのかを計算する必要に迫られている。

そして、計算してみるとこれがなかなかとんでもない。本というのは単価が安いので1冊売れても100円程度しか実入りはない。1万部売れたらヒット作とされる現状では、印税暮らしなどは夢のまた夢だ。

ぼくの場合は取材経費が結構かかるので、コンスタントに毎年5万部くらい売らないといけない。これは、とても現実的な数字ではない。


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本だけでは厳しいとなると、雑誌の連載を持つなり、サイドワークをするなりして収入源を多様化しないといけない。しかし、本の執筆をしながら、他の媒体に叙述をし続けるのは決して簡単ではない。一日のうちで執筆にあてられる時間、エネルギーには限界があるし、限界を超えて書き続けてもあまり良いものにはならない。

「ライター業」は、記事を量産すればするほど儲かるという性質があるため、じっくりと練った文章を書きたい自分とは相性が悪い。ある程度レベルを落とした文章を書くという手もあるのだが、そういう手抜きをするといつか行き詰まると確信している。

クラウドファンディングで集めれば?というアイディアもあったけど、そういうのは経費が尋常ではなくかかるビッグプロジェクトの時に頼るもので、日々の生活費が足りないという理由で頼るものではないと思う(もちろん使い方はその人次第だろうが)。

収入的に厳しい状況ではあっても、実家暮らしという境遇であったため、(妻の)貯蓄や育児給付金、そしてぼくの小さな収入によって何とか生活は成立していたのだ。しかし、ブラジルでの一ヶ月間によって一気にバランスが崩れてしまった。

クレジットカードの請求書が来て現実に引き戻されてしまった。具体的にいくらかかったのかは、計算してブラジルワールドカップ本に掲載しようと思っているが、おおよそ60万円以上は使ったはず。強烈な出費だった。

もっとも出費した分だけ、得たものも多い。後悔はない。

そりゃ、金銭的なことだけを考えたら、ブラジルになんか行かない方がずっと良かった。家にいれば余計な出費はほとんどないし、危険もない。けど、時には損得の計算を無視して、飛び込んでみることも大切なのだ。そういうやり方じゃないと見つからないものだってある。

ぼくは、ブラジルで数多くの友と出会い、人生を変えるような経験をいくつもした。ブラジルに行ったことで、この先の人生が100倍以上楽しくなったと思っている。だから後悔はないし、ロシアワールドカップにも絶対に行こうと思う。

……

そういうことじゃなくて、現実的な金勘定を考えないといけないんだった……

サイドワークでいくら稼いでも「プロの作家」とは言えない。文章だけで食べていけるような方法を何とか考えないといけない。「作家として食っていくこと」。これがぼくの夢のセカンドステージだ。

というわけで、「とにかく何か書こう」ということで、エッセイとして短い文章を書き始めることにした。


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