東大に11年在籍した後、タクシードライバーになりました

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育児論

子蟻家族というハンディキャップを踏まえて、8年の経験を踏まえて考えた幸福論

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物書きタクシードライバー
中村慎太郎

東京生まれ、東京育ち。タクシー乗務の合間にブログ記事やサッカー旅記事、タクシーエッセイなどを書いている。2013年に長男の出産と同時に、人間関係が荒んでいた大学院をやめて自分らしく夢を追う生き方を開始する。

ただね。

夢を追いながら子供を育てるのは……。

ちょうちょうちょう、ちょう大変、ちょうちょうちょうちょうちょう大変!


ぼくには家族がいる。

家族がいるのは素晴らしいことで、幸せの象徴だという意見がある一方で、家族はハンディキャップとなるという考え方もある。ましてやうちは子蟻である(子梨という言い方もある)。。

1人なら何でもすぐに解決すること出来るし、時間もお金も自由に使うことが出来る。

しかし、家族がいるとその分だけ取り回しが重くなる。

ぼくが独身で新宿ゴールデン街で飲みたいと思った場合には、思いついた時に行って、帰りたいと思った時に帰ればいい。

旅に行きたいと思った時も、まずは荷物を詰め込んで、その勢いで空港に向かえばいい。

飛行機の予約はスマホで済ませることが出来る。マイルで取れるところに行けばいい。宿ももちろんスマホで見つけることが出来る。考えるより行動するほうが速くても成立するのだ。

しかしながら、ぼくには家族がいる。

旅に行きたいと思った場合には、まず妻に連絡する。そして、子供2人の予定を確認し、ぼくが不在でも成立するかどうかを聞かないといけない。

もし物理的に身が空くとしても、毎週末のように家を空けていると子供の情操教育上よろしくない。なるだけ一緒にいてあげて、父の良いところも、悪いところも含めて見せるべきだ。

両親は、子供にとって一番の学びになる存在だ。

だから、ありのままを見せてあげることだけでも重要な教育効果があるのだ。どんな家庭教師を雇うよりも、どんな教育プログラムを与えるよりも、どんなに実績のある学校へ行かせるよりも、親がどんな人間として目の前に存在しているかのほうが重大な影響がある。

そう考えているので、親は子供の目の前にいるだけでいいし、親は万能な存在ではなく欠点を抱えた普通の人間であるということを見せるだけでいい。あとは一日に何分でもいいから会話をすれば、子供の中に勝手に価値観の辞書が構築されていく。

そういう思想に基づいて考えると、毎週末外に出るわけにはいかない。適切な時間だけ子供と接することが出来たかを基準に考えるべきだ。

先ほども昼寝をしようと思ったらもうすぐ4歳の娘が現れて、「おうちごっこをしよう」と言ってきた。なので、タイマーを10分にセットして「おうちごっこ」をした。タイマーを設定しておくと、音が鳴ったことに満足して解放されるので、在宅ワーカーは活用して欲しい。

ただ、布団に潜り込んできてお話をして欲しいというので、「もじゃもじゃじゃらしとキリンチキコドモ」のお話をしてあげた。即興でストーリーを作って子供を楽しませることが出来るのは、パパとしての強みである。

ただ、娘にゆっくり物語をしてあげたのはもしかしたら初めてかもしれない。そろそろ物語に興味を持つようになった年というのもあるし、子供が二人になって忙しくなっていたからというのもあるかもしれない。

パパの過激な物語に、娘は絶叫しながら楽しんでいた。そして、満足したのか「パパ!もういいよ!バイバイ!!」と言って去って行った。

私は戦いに勝ったのだ!!

娘は本当に可愛くてとっても満足であった。しかし、30分以上の時間を唐突に奪われることになったわけだ。30分?そんなものではない。

子供達のためにお昼ご飯も作ったし、ベトベトになった机も拭いたし、お菓子のカラも片付けたし、お菓子だらけの床も掃除したし、散らばったおもちゃも片付けた。

一日あたり何分を子供のために使っているのだろうか。妻もその時間の長さにいつもヘトヘトになっている。

時間だけではなくお金もかかる。びっくりするほどかかる。二人とも保育園に通っている頃は、まだ国の支援もなかったので月17万円もかかっていた。

月17万円!!!

スペースシャトルだってサブスクで借りられそうな価格ではないか!!

ぼくは高単価なワーカーではないのと、その時はタクシー運転手もやっていなかったので、時給1000円くらいのものだった。プログラマーの妻はずっと効率が良いワーカーなのだが、ぼくの基準で考えてみよう。

そうすると月に170時間は子供の保育園のために働いていることになる。フルタイムである。

そして、使ったお金は子供の身長と体重に消えるだけだ。その上、育児のためにさらに時間をお金がかかる。

不毛ザ不毛であった。

お金と時間が足りないというのは常に思っていたし、思えば妻との喧嘩も多かった。まぁ仕方がない。二人ともカツカツだったのだ。

1人目の子供が生まれてきたから8年。2人目が生まれてから4年が経とうとしている。生まれて1週間くらいは喜びしかなかった。しかし、病院から帰ってきて一緒に暮らすようになると、壮絶なまでの睡眠不足が待っていた。

そのため我々夫婦のセロトニンは削られ、抑うつ状態になっていたと思う。要するに2人まとめて産後うつになってしまっていたのだ。

話は逸れるが、あの時素早く対策できていたらもう少し人生が楽になっていたと思う。自分の頭にセロトニンがあるかどうかは常に気にするべきだ。

まぁまぁそんな時代もあった。本当に色んなことがあった。子供が死ぬんじゃないかと思うような病気になったこともあったし、家を抜け出した娘がパトカーで帰ってきたこともあった。

お金はいくらかかった考えたくもないし、これからいくらかかるかも……。いやこっちは考えないといけないか。大学、怖い……。国立に行ってくれぇ……。

とまぁ、8年間育児に押されながら何とかやってきた。ぼくはあの頃より15キロも太ったし、運動能力も落ちたし、頭も少し薄くなったかな?大丈夫かな? 

when I thirteen nine.

この8年は楽しいこともいっぱいあったけど、大変なことのほうが多かった。疲れ果てて力尽きるように寝たことが何度あっただろうか。ストレスと疲労から浪費をするようなお金の使い方をしてしまったことも何度もある。

それでも何とかやってこれた。みんなで助け合って、父や母、妹夫婦、友人にも助けられながら。

それでも今の心情としては、家族がいることは一人で生きていくことよりも大変なんじゃないかという気がする。幸福度を左右する「自由度」が大幅に削られるからだ。

先日、家族で山梨県の勝沼に行った。
シャインマスカット狩りを楽しんで、全員心の底から満足した。タクシーの収入が出来たので、少しくらいお金がかかる遊びも出来るようになったのだ。

その時、二人の子供と妻と並んで写真を撮った。

後からその写真を見て思った。

あ、ぼくは結構幸せそうだな。

子供達も妻も幸せそうだな。

色んな生き方がある。色んな幸福がある。ぼくたちはぼくたちのやり方で幸せになろう。

家族がいるのが、損か得かで考えてはいけない。家族と一緒にどうやって幸せになっていこうかを必死に考えるべきなのだ。

今までとても大変だった。言葉が通じない怪獣相手に怒鳴り散らしたこともあった。お気に入りのウィスキーグラスをたたき割られたこともあったし、思い出のビアグラスもたたき割られたし、壁紙は剥がされ、部屋中シールだらけ、新品のダイニングテーブルには銀の塗料、床にはマジックである(油性だよ!!)。

だけど、君たちはお兄さん、お姉さんになってきたからもうそんなことはしないよね。パパとママの良い話し相手になってくれる日も来るはずだ。何も返してくれなくてもいいよ。

ただ、パパとママと一緒に幸せになってくれたらいい。

子供達、妻、そして猫。5人のぼくの家族。

一緒に幸せになろう。

明らかに一番幸せなのはこいつだよね。

どうでもいいけどタイトルの下にある猫は7年前の猫。当時は2,3歳。今は10歳くらい。まったく見かけが変わらない!!!

家族写真は照れくさいのでそのうちFacebookの友達公開にしようかな。あ、Line Officialでもいいか。12月10日くらいまでに登録して頂けたら送ります!家族写真に興味がある奇特な方は是非ご登録ください!

ブログの毎日更新も1週間続けられそうだ。あと365-7=358日!がんばろー!

中村慎太郎

東京大学文科Ⅱ類→文学部倫理学専修.
東京大学大気海洋研究所でアワビ類の行動を研究する.
その後、フリーランスライター/作家/ブロガーとなり『サポーターをめぐる冒険』(ころから)を上梓。サッカー本大賞2015を受賞.

現在はタクシードライバーをしながら、旅とサッカーを紡ぐウェブ雑誌“OWL magazine”を主催.

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