妹「中村友紀」の作品を観て、その異質性と迫力に驚くーVOCA展2103にてー


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妹の中村友紀が、上野の森美術館で開催されたVOCA展に出展したと聞いて観覧してきました。VOCAは、Vision Of Contemporary Artの略称です。
「今の時代を生きる芸術を観よ!」というような意味合いでしょうか。妹は美術系の大学に入学して、ひたすら油絵を描いていました。

家中絵だらけで、彼女の部屋の床は油絵の具だらけです。その妹が今ではプロの画家です。

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今回出展したですが、応募条件は40歳未満のアーティストで、美術関係者1名からの推薦を受けないと出展できないそうです。

というわけで、VOCA展に行ってみると早速入り口付近に作品を発見しました。

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なかなかの存在感です。

正面からアップでみるとこんな感じ。クリックすると大きくなります。

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中央の水晶のような透明の石のアップはこんな感じ。

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この絵を観て最初に大方の人がインパクトを受けるのは、中央に浮かぶ水晶ではないかと思います。その背後から光が射し込み貫いています。恐らく水晶の真後ろに太陽があるはずなのですが、あたかも水晶が太陽になったかのような錯覚を受けます。

絵画についての造詣はあまりないのよくわからない部分もあるのですが、この絵のように、絵のど真ん中に印象的なものが居座っているものも珍しいのではないでしょうか。

あんまりにも真ん中に水晶が置いてあるので、観ていると少し心がざわついてきます。もう少し据わりのいい場所があるのではないかと感じるわけですが、どかしてしまうのは惜しいような気がしてきて、何ともいえないもどかしい感覚にさせられます。

さりとて、それは不愉快さを感じるかというと、そうでもないことに気付きます。絵から染み出てくる爽やかで快活でポジティブなイメージのおかげで、気分はすこぶる良いです。
ただ、中央の水晶の圧倒的な存在感をうまく消化できずに、まごまごしてしまいます。

気付くと口から出ていた言葉は、「なんて異質な絵なんだろう」でした。中央に浮かぶ水晶の異質さが心を捉えます。異質さを感じながらも、不愉快に感じるどころかむしろ気持ちがいいというのは実に不思議な感覚です。

そういった感覚のためでしょうか、気付くと長い時間この絵を見つめていました。この“しっくりこない感じ”を無意識のうちに何とか解決しようとしていたのでしょうか、この絵の前から離れられなくなりました。それは私だけではなかったようで、この絵を観ているほかのお客さんの中には数分間動かずに観ている方もいました。

そしてもう一つ驚いたのは背景の存在感でした。

写真でどこまで伝わるかはわかりませんが、山々と空が実に美しく描かれています。これは実際に作品を観てみないとわからないことかもしれません。山々からはひんやりと透き通った空気が通っている感じが伝わってきますし、空は実に清々しい青に満たされています。これは、美術館で20cmの距離まで接近して観ないとわからないことの一つかもしれません。

背景として緑あふれる山々が実に美しく描かれていてその上に、光輝く水晶が浮いているというこの構図は、非常に不自然といえます。
中央に居座るその堂々とした態度やサイズ感。存在感は圧倒的に異質です。

「一体何なんだ、何を表現しようとしているのだ」と問いかけたい気持ちが自然と生じてきます。

それは、漠然と感じることはできても、言葉に直すことはできない何かのようです。

タイトルが絵の横に掲示されていました。

「その光は、あたたかく満ち溢れ、全ての人を照らしている
絵を見た後にタイトルが書いてあるプレートを読み、また絵を見る。その後またプレートに戻るというふうに、何度も往復して見ている人が何人かいました。

私と同じような気持ちになっていたのかもしれません。

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今、中村友紀の絵は非常に面白く、絵の造詣がない人であっても観に行く価値があるのではないかと思っています。これは、身内だから贔屓して書いているわけではありません。妹は絵の技術が高かったのは間違いありませんが、ここ数年までは私はあまり熱心に作品を観ていませんでした。

率直にいってしまえば、あまり魅かれるものがなかったためです。絵の技巧が高かったとしても、私はあまり魅力を感じません。別に絵が好きなわけではないのです。一体絵なんか描いて何が楽しいのかと思っていたし、展示にも行ったことはありませんでした。

ところが、最近は全く様相が変わってきました。彼女は「絵を越えた何か」を表現し始めたようにすら感じています。それは、「精神性」とでもいうべきものかもしれませんが、もっと違うものかもしれません。

彼女の絵が、物や形や色を表現しているだけではなく、何か異なる次元のものを語り始めたのは確かだと思っています。しかし、一体それが何なのかは現状ではわかりません。私にもわかりませんし、本人にすら良く分かっていないかもしれません。

彼女の表現が今後どこへ行くのか、誰も知りません。

我々は、偉大なる画家の歴史を後から追うことが出来ます。しかし、一人の画家の軌跡をリアルタイムで追える機会はそうそうありません。中村友紀が偉大なる画家になるかどうかはわかりませんし、それ以前に中村家の家計に貢献できるかどうかですら定かではありません(兄の分まで頑張って下さい)。

しかし、今のこの絵を観ていると、この先どういう絵を描いていくのかを見守っていたいと思わされます。頑張れ頑張れ言ったところで、何の足しにもならないので、このようにブログに感想文を書いてみました。

もう一つ。絵を描くのは体力を使う仕事なので、妹のためにトレーニングメニューを作成しました。絵を描くために必死に筋トレをしている模様です。

妹の絵と画家としての生き方についてご興味を持たれた方は、当人のサイトを是非ご覧ください。

NAKAMURA YUKI ARTWORKS
http://nakamurayuki.com/


作品集
http://nakamurayuki.com/works2.html

Blogには今回の展示についての所感も載っています。

「VOCA2013始まりました」
http://nakamurayukiartworks.blog74.fc2.com/blog-entry-104.html

「VOCA2013終了しました」
http://nakamurayukiartworks.blog74.fc2.com/blog-entry-107.html

次の展示は、来春になるようですが、その折にはご紹介致します。是非みなさん足を運んでみて下さい。

ところで、油絵の素人の私にはいまいち意図がわかりませんが、絵の切れ端の写真も送られてきたのでそれも載せておきます。空や世界が、キャンバスを飛び出して、外の世界まで広がっていくようなイメージを表現してるのかもしれませんが、どんなものでしょう?

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