衝撃のメッセージ「横浜FCを愛するサポーターの皆さまへ」


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横浜FCの公式ホームページに、衝撃的な内容の文章が載せられていたので、備忘録も兼ねて注目するべき点をメモしていきたい。

この記事は、前節に西が丘で行われた試合で起こった2つの出来事が直接のトリッガーになっているものと思われるが、文章を点検していると非常に根深いものであるようだ。

これだけ強い主張を出すからには、横浜FCの運営サイドとしても忸怩たる気持ちがあったことが推察される。

横浜FCを愛するサポーターの皆さまへ | 横浜FC オフィシャルホームページ


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・最初の驚き タイトル

タイトルは「横浜FCを愛するサポーターの皆さまへ」。
ここからして、かなり強烈。というのは、この内容を受け入れられない人は横浜FCを愛していないとみなされることがうっすら暗示してあるからだ。

この文章を読んでいない人=クラブを愛していない人というレッテル貼りすら可能になる。

・次の驚き「横浜FCの主催試合は「安心・安全」ではないと断定」

前回のホームゲームにおいて、サポーターによる侮辱的行為及び暴力行為が発生いたしました。それ以外にも警備会社やご来場の方よりいくつかのトラブルが報告されています。

(略)

現在、横浜FCホームゲームの「安心・安全」な試合運営ができない危機的な状況となっております。

これ、凄いこと言っています。現在「安心・安全」ではなく危機的な状況だそうです。ここまで言うからには、スポンサーから撤退することを通告されるなどの重大な事案が背後にあるのではないかと推測してしまう人もいるかもしれません。

・理念は3つ。

「侮辱的行為・暴力行為を追放し、安心・安全で、快適なスタジアムを」

「選手の力となる応援があふれるスタジアムを」

「誰もが楽しいと思える、そして喜びと感動にあふれるスタジアムを」

この3つ自体は、どこのクラブでも言ってそうな内容です。建前と化していることがあるにせよ、大原則としてどのクラブも提示しているのではないでしょうか。

この記事の衝撃的な点は、その直後に<それらを阻む危機的な現況>が掲載されていることです。

具体的にはこちら(詳しくは、上記URLまで)

中指を立てる侮辱的行為→厳重注意(4名)  
一般の観戦者に対しての暴力行為→無期限入場禁止処分(1名)
わいせつ的な行為と侮辱行為(選手に 対して臀部を露出)→無期限入場禁止処分(1名)
ピッチへの飛び込み(3名)と物の投げ込 み(スタッフが負傷)→無期限入場禁止処分(1名)と8試合の入場禁止処分(2名)
侮辱的な横断幕の掲出。→無期限入 場禁止(1名)
その他の一部横浜FCサポーターによるルール違反行為やマナーに反する行為

・強烈なメッセージ性を持つ「課題認識」

この文章の目標は、「横浜FCホームゲーム運営の危機的な現況と課題の共有化を図り、改善に向けた啓発活動に取り組みます。」です。

つまり、1.危機的な現況と2.課題の共有化。そして3.改善に向けた啓発活動です。
危機的な現況については既に書かれているので、ここからは「課題の共有化」です。

ここで書かれている文章は、非常に強烈なものとなっています。引用しながらコメントをつけたいと思います。

社会生活の中では、分別ある社会人として通常行わないような行為も、試合会場では平気で行い、かつスタッフや警備員の指示にも従わない風潮が一部の集団に属していると思われる個人に(違反者からの反省の弁やスカパーの映像等からも)見受けられます。

社会生活の中では、分別ある社会人として通常行わないような行為、つまり、中指を立てたり、し合い中に尻を出したりする行為です(後者については、詳しく知りませんが)。

こういうことする人はまとも社会人ではない、あるいは、スタジアムではまともな社会人である必要がないという考えが見てとれます。

また、同様に通常社会ではとても共感を得られない侮辱的行為とわかっていながらも、その行為を応援の中で許容してしまい、侮辱された相手が受ける不快感やダメージを一部の人たちだけで楽しんでいるかのような、応援には全くなっていない風潮も見受けられ、これらの事象は差別的な行為にも繋がっていきかねない懸念を持っております。

またここでも「通常社会」という言葉が出てきました。こういう言葉は恐らくないため、「通常の社会では」と読みかえたほうがいいかもしれません。いずれにせよ、「通常」というのは「異常」の反対語です。

「応援には全くなっていない風潮」と、応援される存在であるクラブ側と選手会長からのメッセージとして発せられてしまうと、応援団としてのサポーターのアイデンティティは失われます。これは、一番強烈な否定の言葉なのではないかと思えます。

良識のある方は、そのような風潮が強く出ている一帯を敬遠し、また近づきづらい雰囲気になってしまっています。

これも強烈で、「良識がない奴らが、侮辱行為や分別のないことをするせいで、良識がある人が来づらい雰囲気になっている」という意味です。

多くの方々が一体感のあるゴール裏のサポートを望んでおられますので、本来はそういった風潮にならないように、近いグループ同志の良識ある方々での改善に向けた対話や自浄作用が期待されましたが、なかなか改善ができない状況が続いています。

ここでも良識が出てきます。
「改善に向けた対話や自浄作用が期待されましたが、なかなか改善できない」というのは、自浄作用に任せる方針では、改善は難しいという判断です。

ゴール裏の自浄作用に任せ、規制は行うべきではないという主張が、現在広く見られていますし、何でもかんでも規制すればいいわけではないのも間違いありません。

しかし、横浜FCに関しては、クラブ側が「自浄作用は期待できない」と判断したことになります。

これらの事象において、クラブの社会的な責任は重く、クラブの今後の発展はもとよりその存続の為にも、皆さまのご理解とご協力を賜りながら、なんとしても改善していかなければならない問題であると強く認識しております。

「存続のためにも」という強烈な言葉が入っています。逆に言うならば、今回の件に理解と協力をしない者は、クラブの存続を脅かしている者であると考えることすら出来ます。

・横浜FCからのメッセージの衝撃

横浜FCを愛する全てのサポーターの皆様に対して、ほとんどの方が「何を今更」と思われるような当たり前のメッセージかもしれませんが、改めて以下を発信し、共有させていただきます。

殆どの方が「何を今更」と思われるような当たり前の……という断り文句が入っていることから、一部の観客に向けたものであることがわかります。

○「ルールやマナーを守った観戦・応援を」

ルール・マナーを守らない、係員やスタッフの指示に従うつもりは無い、という方については、残念ですがスタジアムにはお越しにならないでください。

また通常公共の場で許されない行為は、スタジアム内でも当然許されません。「スタジアムの中は特別」と考えている方がもしいらっしゃるのであれば、考えを改めてください。

ちょっと目を疑った。ここまで強烈なメッセージを出したクラブって他にあるのだろうか。

「スタジアムにはお越しにならないで下さい」

これを言われたらぐうの音も出ないでしょう。
スタジアムに行けば一人分のチケット代をクラブに払うことになるが、それによって得られる収入よりも、マイナスのほうが大きいという判断。


というように、非常に強烈なメッセージを帯びた文章でした。
この文章は、つい数日前に話題になった「ウルトラ長崎」の出した声明と読み比べるべきかもしれません。

ウルトラ長崎の考え|ULTRA NAGASAKI WEST END公式BLOG

ウルトラ長崎の文章は、法律について書いてあるところは多くの間違えを含んでいるのでそこは省いて考えなければいけない。そして、法律についての言及を除けば、Jリーグのサポーターに広く支持された文章であるのも間違いない(ぼくの見たところ、真っ二つに割れていた印象)。

サッカークラブが地域に密着し、地方自治体から多かれ少なかれ支援され、また地域の企業からもスポンサードされる存在である以上、社会問題にならない程度には品行方正であることを求められる。これは避けられないことなのかもしれない。


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