作家の生き様はジャイアントキリング? 印税収入についてのノーガードな考察


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本を出版すると、「印税で儲かってウハウハだね-!!ちょっとおごってよ!!」なんて言われることがある。

……

ちょっと待った!!その作家、貧乏かもしれませんよ!!


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作家の収入というのはどんなものなのか。
このページを参考にしつつ、自分の収入について考えてみた。

作家の収入

ここでは、一般的な作家Aさんの年収が紹介されている。

75万円(印税収入)+180万円(原稿料収入)+36万円(インタビュー収入)=291万円

多いと思うだろうか、少ないと思うだろうか。
フリーランスでやっている場合は諸経費を引かないといけないので、手取りはもう少し少なくなるだろう(ぼくの場合は、Jリーグ取材という金のかかることをしているので、なかなか厳しい。)。

この291万円という数字を見て、ぼくは「ここまで行けばなかなかのものだ」と感じた。
年収300万というのは、目下最大の目標と言えるかもしれない。

・インタビューや講演会による収入

Aさんの場合は、月に2本のインタビューがあって、3万円の収入があるとされている。

ぼくの場合は、自分で講演会を主催したりもするけど、あれは「アングラサブカルイベント」と同じような扱いなので、交通費プラスαくらいの収入しかない。現状では、稼ぐためと言うよりは、人と深く交流する機会として重視している。

幸運を呼ぶトラベルライターの窪咲子さんや、福岡の酔っ払いふくやん、破壊的革命家のロック総統など共演してくれた方には特別な親しみを感じるし、わざわざ忙しい中来てくれた方には、両手一杯のラブを届けたい気持ちで一杯になる。だから、敷居の低いお値打ち価格のイベントはこれからもやっていきたいと思っているのだが、収入源にはならない。

そして、「インタビューが収入になる」というのは、ファンタジーのようにすら思える。本当にお金くれるインタビューなんて世の中には存在するのだろうか。いや、あるのかもしれないが、少なくともサッカー界ではなさそうな気がする。これは、いつか成功した暁に入るご褒美のような収入であって、今から期待できるものではない。

「Jリーグの魅力を説く講演」はいつでも出来るように準備しておかないといけないね。

・著作料

映画化、ドラマ化などの際に入るお金。当然そんなものは入りません。

『サポーターをめぐる冒険』の映画化

実現するととても熱い展開だけど、当然そんな話はなし。最も著作料がもらえたとしても、それほど高くない模様。『テルマエ・ロマエ』ですら100万円程度だったと聞いている。本の広告にはなるのでそういう意味では大きいが、考えるだけ無駄。

・その他 カルチャースクールの講師、文芸賞の選考委員など

『文章の書き方』『ブログ記事、紙の記事、書籍の書き分け』『Twitterとの正しい付き合い方』というような項目でカルチャースクールで講義する……そんな機会があるなら検討するが、ちょっと聞いたことはないなぁ。

もう少し観戦とか作家論などを突き詰めたら、大学で講義したいなぁなんて思う気持ちもあるのだけど、尖った大学生達と戦うにはそれなりに準備も必要なので、収入源としては効率が悪い。やるにしても趣味と勉強を兼ねてという位置づけになりそうだ。

大学生の文章を添削しまくって地獄に突き落とす恐怖のゼミとかやったら、みんな文章力が格段にあがると思うんだけどね。ぼくのことが嫌いになるかもしれないけどね、ふふふ。

・印税収入

印税収入は、契約によるし、本の価格にも寄るのだが1冊売れると100~200円程度が収入になると考えれば良いのではないかと思う。ぼくの場合は、100円くらい。

現在、販売部数は1万部を超えるとヒットとされている。逆に言うと、多くの本は1万部も売れない。

5000部を基準として考えてみると、1冊100円の場合には印税収入は50万円となる。

『サポーターをめぐる冒険』は、今現在2000部くらい。計算すると……
まぁチケット代の元は取れたと思うけど、丸4ヶ月は執筆に費やしたことを考えると、全然ペイしていない感じ。

最も、この本は究極の「チョビチョビ売れる本」を目指している。要するにロングテール作品だ。実際にポツポツ売れていて、アマゾンランキングから推測するに1日あたり5~15冊くらいはコンスタントに売れているようだ。売り上げ額としては小さくても、堅実に売り上げが伸びていっているのは、ぼくの書いた本が「本物」であった証拠だと勝手に思っておこう。

これは、わからない人にはわからないが、刺さる人にはとことん刺さる物語。時事性は低いが、10年経っても、20年経っても読める内容にしたつもりだ。

最初からこの本が馬鹿売れするとは思っていない(いや、何度か妄想はしたことがあるけど)。だから、続刊以降とテーマをかぶせてあり、Jリーグ本を書く「動機」であり「出発点」を、新鮮な気持ちのうちに書き記しておくことが大切だった。

『サポーターをめぐる冒険』は、あの時のぼくにしか書けない特別な物語だ。今のぼくですらもう書けなくなっているだろう。あの本はそういうものなのだ。

そういう意味では、目先の収益度外視なところはあるのだが、クレジットカードの支払いは毎月来るわけで、んーンガググ。

ところで、最終的に何部売れるのだろうか。執筆に4ヶ月、前後の雑事に1ヶ月ずつと考えると、半年分の収入くらいにはなってくれると助かる。
なので、年内には10000部くらいいくといいんだけどなぁ…… そうも上手くいきそうにないんだよなぁ…… もう少しで重版だと思うので、そのくらいが現実的な目標だろうか。

どこかに広告を出せるといいのだけど、予算的にちょっと難しそうだ。エルゴラッソあたりに出せると、フィットしそうな気はするんだけど、ちょっとお高くて厳しい……1冊だけ広告するのでは効率悪いから、何冊か溜まったら清水の舞台から飛び降りる覚悟で出稿してみるのもいいかもしれない。というわけで、今は打つ手なし。クチコミを中心に細々と広まっていくことを祈るのみである。南無南無。

今後の現実的なプランとしては1年に2~3冊は本を出すことを最低限の仕事として、可能なら+1,2冊出版することだ。そうすれば、コンスタントに印税収入が入ってくるし、過去の書籍が重版になったり、どこかで大当たりする日が来るかもしれない。

前年以前に出版した本の販売部数 = 2000部
今年出版した本の出版部数  = 15000部

ということになれば、ここで年収170万円を確保することが出来る。
これだけど細くて泣けてくるが、なんかの拍子で10万部売れたら1000万円、100万部売れたら1億円と、天井は非常に高いのだ。やり続ける価値はある。

そう、印税収入でウハウハパターンというのも存在するのだ。

前年以前に出版した本の販売部数 = 10000部
今年出版した本の出版部数  = 200000部

この場合、不労所得として100万円が入る上に、その年の印税として2000万円も入るのだ(税金やら諸経費を引かないといけないけど)。もちろん、20万部も売るのは、ほとんど絵空事だ。しかし、可能性としてはゼロではないのである。

20万部とは言わずとも、5万部ならば500万円である。このくらいのヒットが何冊か出れば、ようやく「喰える作家」という称号を手にすることが出来るだろう。

相当なヒット作が出ない限り、印税収入だけで食べていくことは難しい。
「生活にゆとりができるのは、著書が100冊以上になってからだ」というのは、有名作家の言葉。

とのことなので、兎にも角にも「書き続ける」ということが大切になってくる。執筆の質を上げること、執筆の量を増やすこと。これ以外に脱出経路はないのである。


本を売るためにはどうするか、というのは非常に難しいテーマなのだが、「現代社会に媚びない」ことは徹底したい。

売れるノウハウ、売れるタイトルなどを参考にするのはいいのだが、それによって表現したい内容が変わってしまってはいけない。

自分が言いたいこと、表現したい方法を基軸にするべきで、それが現代社会に通じないならば、通じるまで貫き通す覚悟が必要だ。

『サポーターをめぐる冒険』がサッカー界に通じないとしたら、サッカー界のほうが間違っている。そのくらいの気持ちでいる必要がある。作家という職業を名乗ったからには、そのくらいの覚悟は必要だ。

・原稿料

先ほどのサイトによると、原稿料が収入の柱になるものらしい。

現状が苦しいのは、この「原稿料」がほとんどゼロになったから。フリーランスライター時代は、これで何とかなっていたのだ。しかし、以前と同じような、無記名の仕事をするつもりはない。そこにリソースを割いている余裕があるならば、書籍の執筆に充てたい。

原稿料という者は、原稿用紙一枚(400字)で1000~20000円が相場だという。ぼくがライターをしていた頃は、400字あたり100~400円くらいだったかな。それでも、1日に2万字くらい書くと、それなりに稼ぐことが出来る(2万字も書かなくちゃいけないような時は、安い仕事が山積みになっている時なんだけど)。

サッカー雑誌でサッカーコラムを書くよりも、一般雑誌でJリーグコラムを書けるとマッチしそうな気はするのだけど、今のところ需要はないだろう。必死に売り込んで仕事を取ることは出来るのかもしれないが、その先があるかどうかをよく考えないといけない。

原稿料は、「作家の格」に応じて変わってくることは容易に想像できる。今仕事を取りに行くよりも、書籍を積み重ね、自分だけの表現を突き詰めてからのほうがきっと良い結果になるはずだ。

すごく面白い企画も頭の中にあるのだけど、取材時間などを考えると今やっている余裕はない。

ぼくの場合は、「ブログの広告料収入」がこの代わりに機能しているといえるかもしれない。しかし、しっかりと更新をしているブロガーと違って、更新頻度が低い「はとのす」の場合は、大した収入にならない。PV(ページビュー)は月4万くらい。最大で20万。ブロガーとして食っていくには、月間100PVくらいは必要だと思う。最も、ぼくはブロガーとは言えないので(つまり、あまり収益モデルに詳しくないので)、もしかしたら他にやりようがあるのかもしれない。

少なくとも5~10万円で、アフィリエイト目的で商品を紹介することもない「はとのす」が収益の柱になることはなさそうだ。

ブログに面白いネタを投下していけば、目先の収益は上がる。しかし、書籍のネタが失われていってしまう。書籍のためのとっておきのネタを、ブログに出してしまうのは、ぼくは勿体ないように感じている。それに、熱心な読者ほど「あ、このネタ見たことある」という二番煎じ感を味わう羽目になってしまうのだ。

コアな読者にこそ新鮮な感動を届けないといけないのだ。だからこそ、『サポーターをめぐる冒険』も全面的に修正して、全くの別物に仕上げた。

こういう事情があるので、ブログにはJリーグの話が書けなくなっていくのである。

とはいえ、ブログが「原稿料」に相当する以上は、もう少し更新していけないといけない。何かキラーコンテンツがあると解決するのかもしれないが、「書籍」と「ブログ」の執筆を両立させることには、正直頭を悩ませている。

双方とも「書く」という意味では、同じ行動なので、同じように疲れるのだ。

・アルバイト

やはり、あまり負担になりすぎない範囲で、パートタイム的に働くのがベストかもしれない。月4,5万円であっても、現状では収入の柱になりそうな勢いだ。

書店員のバイトであれば、趣味と実益を兼ねるということになるかもしれない。しかし、執筆時間が削られていくという問題と、長期出張がしづらくなるというデメリットがある。それに、週3でアルバイトに入った場合、土日はサッカー、週3でバイト、余りは2日となってしまう。1日は休みにしたい。

とすると、家族で過ごしたり、自分に投資したりする時間は1日になる。でも、そのほうが引き締まるかもしれない。難しいところだ。

まぁ逆に考えると、本当に首が回らなくなったら、アルバイトをして、睡眠時間を削りに削る「必死モード」に移行すればいいだけと考えると気が楽になる。大学院での研究時代に戻るだけだ、それほど難しいことではない。

・結論

現状で最も有利なのは、「自由な立場」であり「執筆時間がある」ことである。これを生かして、「書きまくる」以外の方法は存在しない。量を書いたことで質が下がるようなことがあってはいけない。そうならないように書くのがプロというものだろう。

書籍の執筆中心(印税収入中心)でも、年収150万円くらいなら何とかなりそうな見込みはあるのだ。実家暮らしなので、150万までいけば、支出を切り詰めていく限りは何とか暮らしていくことは出来る。もちろん、サッカー観戦のための費用を捻出するのは結構苦しいのだが、苦しい中でチケットの種別や交通手段を選択していくことにはリアリティがあるような気もする。

J2,J3の予算に余裕がないクラブに特別な愛着を感じているのは、もしかしたら自分の現状に重ねているところがあるからかもしれない。とすると、今の境遇は、アンダーカテゴリーの魅力を考える上でのアドバンテージになると強引にこじつけることも出来る。

そして、どれだけ必死に切り詰めようと思っても、うっかり買ってしまう「スタジアムの生ビール」
Jリーグのスタジアムには魔物がいる。

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こうやって切り詰めながら、どこかでビッグヒットが出れば一発逆転できる。ジャイアントキリングだ。何の身分保障もない、学生アルバイトに毛が生えた程度の収入しかない作家が、巨人を倒す日が来るかもしれないのだ。

そしてお金が入ったら、アメリカのMLS(メジャーリーグサッカー)に行ってみたい。何となくだけど、Jリーグの今後を考えるためには、ヨーロッパのサッカーよりもアメリカのほうが大切ではないかと思っている。

ブランド力で、海外から搾取するビジネスモデルを多岐に渡って展開している古のヨーロッパ。
圧倒的な国内需要を喚起することが上手いアメリカ。

どっちが合うかと行ったらアメリカだと思う。もちろん、これは直感に過ぎない。自分の目で見ないと何とも言えない。

見るためにはお金が必要で、それには……

ともかく、書く!!!それしかない!!!


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