このところNBA離れしていというのに、第二戦を見ただけですっかり昔の血が蘇ってきた。第一戦はうっかり見逃してしまったレベルだというのに。
第一戦はオーバータイムの末に、ウォーリアーズ。
第二戦はオーバータイムの末に、キャブスという展開。
両試合ともウォーリアーズの本拠地オラクルアリーナで行われた。
キャブスとしてはここで一試合を取れたのは本当に大きい。後はホームで取り逃さなければ優勝できるわけだから。当たり前ではあるけど、ファイナルの1勝は本当に一つ一つが大きい。
第三戦の感想として真っ先に来るのは、熱の籠もった非常に面白い試合であったということ。次に来るのは、レブロンが完全なる大人の選手になっていること。初めてのファイナルでは、スパーズの鉄壁のディフェンス相手に何も出来なくなり、怯えた羊のようになってしまったのを思い出した。
ハイスコアゲームになったら勝てるわけがない。圧倒的にタレントが不足している。だから、試合のテンポを落とす。自分のシュートリズムが狂うのを覚悟で、薄暗く鈍重な展開へとウォーリアーズを引きずり落とした。
自分の力も8割になるけど、相手の力は半分以下になる。こういうやり口が出来るのは流石だな、と。あと、もしかしたら監督にも差があるのかもしれない。カリーとクレイトンが前半はほとんど沈黙していた。
カリーをあそこまで封じ込められるのは、デラネドバの努力と根性だけでは説明が付かない。分析してる記事を探してみるか。最近英文読んでないからちょうどいい。
レブロンの周りは相変わらずポンコツなんだけど、そのポンコツが光り輝き始めてきた。戦える選手デラネドバはもちろん、トリスタンも気合いをみなぎらせてプレーしているし、モズゴフもディフェンスでの存在感を示し、JRもそれなりに空気を読んだ。
JR、4Qは緊張に押しつぶされそうな顔をしていたけど(そして、そういう選手がコートにいるほうのチームが高確率で負けるんだけど)、今回は何とか乗り切った。序盤から中盤のオフェンスも悪くなかったしね。
しかし、キャブスはこれ以上何もやりようがないような気がする。レブロンのシュートタッチが良ければ勝てるし、ちょっと悪いと負ける。それだけだ。このやり方で後二つ勝ちを拾わないといけない。
一方で、ウォーリアーズはカリーにかかっている。今日の前半は何だ?怯えたような顔をして、ミスばかりしていた。本当にMVPの選手なのか?
ステファン・カリーはデビューした年からお気に入りで、いつか必ずMVPプレイヤーになると言い張っていた。NBA仲間からは失笑されたものだが、それだけのセンスがあると思っていた。怪我がちだったので心配していたが三年目からは強い身体になった。歩き方から改造したとか言っていたけど、それが効いたのだろうか。
ぼくが素晴らしいと思ったのはスティールのセンスだった。スリーポイントやハンドリングだけじゃなくて、相手の動きを読んで、鋭く強気にアタックするカリーは絶対に大物になると思ったのだ。
そのカリーはぼくが見ていないうちにMVP選手になっていた。このように途中の過程は知らないのだけど、ファイナルでのカリーは本当に弱気に見えた。大事にいこうとしすぎて、攻守共にアグレッシブさがない。
三回戦は最後の最後で復活して、驚異のスリーポイントシューターと化したが、少し遅かった。
レブロン率いるキャブスは満身創痍。いつ倒れてもおかしくないように見える。それでも王者レブロンが率いている限りは、強力なチームであり続けるだろう。若きステファン・カリーはレブロンを越えていけるのだろうか。
ところで、ファイナルでは闘志をみなぎらせた、アロンゾ・モーニングのような選手がいるチームが強いと思っているのだけど、ウォーリアーズはちょっとクール過ぎるのではないだろうか。
カリーが大声で味方を煽って、勢いづけるような「似合わない」ことをしてくれたら、その時点で優勝リングに手をかけることが出来るのではないか。などと思いつつ、残りの試合も見守りたい。