二件立て続けに問題が起きたようだ。
コンサドーレ札幌戦@アルウィンではこちら。
9月28日(日)J2第34節松本山雅FC戦における行為処分決定について - ニュース | コンサドーレ札幌
横浜FC戦@西が丘
10月4日(土)J2第35節松本山雅FC戦における行為について | 横浜FC オフィシャルホームページ
公式見ても何のことやらなのだけど、前者に関してはその場にいたので大体把握しているつもり。後者についてはよく知らないけど、揉めていることは察した。
Japanese Only事件で始まり、サポーターの行動が問題視されている中で、恐らくスポンサーが離れないように一生懸命営業しているスタッフもいる中で、「これがサッカー文化じゃ!!!ファックユー!!」とやっている人の気持ちはぼくには正直わからない。
札幌の件については、中指を立てた方が、クラブに迷惑をかけたことは反省すると書き残していたが、それはとても自然な意見だと思う。そりゃ一般社会では、他人に中指を立てる無法者はそう簡単には見つからない。
肯定派の意見は、「サッカースタジアムは、一般社会とは異なり、明瞭な犯罪行為以外は許されるべき、少なくとも規制されるべきではない」という論調だ。アシシさんなんかはそんな感じ。但し、アシシさんはコンサドーレサポーターなので、どうしても身内に対して肯定的になる。そこは差し引く必要があるかなと思っている(そもそも、コンサドーレの話じゃなかったら書いていないかもしれない)。
Jリーグの「中指問題」にモノ申す。規制ばかりのJリーグに未来はない。(村上アシシ) - 個人 - Yahoo!ニュース
確かに規制ばかりをするべきではない。そこは、アシシさんに同調したい。
しかし、個人的には、海外のスタジアムみたいな状態にはなってほしくないので、どっか適当なところで止めて欲しい。
日本のサッカースタジアムは「暴れたい」とか「負の感情を解放したい」という需要に応えるべきなのか。
応えるとしたら、どの程度なのか。
こういう問題なのかな。
よく、規制をするとつまらなくなるという意見を聞く。
そりゃその人は、中指立てて暴言を叫んでりゃ楽しいのかもしれないけど、隣にいるこっちは不愉快極まりない気持ちになるのも確かなのだ。
だから、こっちからすると、あんまり酷い野次はやめといてくれる?と言いたくなる。まぁそのへんは、『サポーターをめぐる冒険 Jリーグを初観戦した結果思わぬ事になった』の日立台の章に詳しく、生々しく書いたので割愛したい。
今はあの時とは違う感覚もあるのだけど、やっぱり見はじめたばかりの人には、暴れ回っているサポーター(あるいはフーリガン)の姿を見るのはきつい。「こんな醜い生き物と一緒にされたくない」と、ぼくは強く思ったくらいなのだ。
でも、確かにね、あんまり上品すぎても面白くないのも事実なのだ。
フットボールは、戦いなのだ。その定義でいうと、「てめぇら犯すぞ!」という中指立てメッセージは、流れとしては自然だ。対戦相手に対して喧嘩を売っているわけだから、間違ったことじゃない。
これが、自分のとこの選手や、サポーター、あるいは関係ない通行人などの喧嘩を売った場合は、力の方向性がおかしい。しかし、相手に向けること自体は自然だ。
ただ、中指を立てるというのは、「あなた(たち)を性的に陵辱する」というメタファーを持った言葉なので、相当下品なのも確か。だから、やり過ぎだからやめとけって意見も正しいと思う。海外のスタジアムでは当たり前という意見もあるのかもしれないが、海外のスタジアムでは相当下品な言葉も飛び交っているようだ。
ブラジルにいる某さんから聞いたところによると、「しゃぶれ!」とか「掘るぞ、カマ野郎!」みたいな言葉が飛び交っていると聞いた(細かいところは違っていたかもしれない)。多分、そこまで行くと、日本ではお客さん入らないかな、と。だから、適当なところで止める必要はある。
ちなみに、中指立てがどういう意味なのかをウィキペディアで調べてみると……
ファックサイン - Wikipedia
「この中指は陰茎、人差し指と薬指は陰嚢を象徴し、"Fuck you"(くたばれ、くそくらえ)などの侮蔑表現に相当する卑猥で強烈な侮辱の仕草である。」
略
「一般の日本人においては、ジェスチャーで相手を侮辱するという文化に乏しいことから意識されることが薄いが(または冗談だと思われがちだが)、以上のことから米英人や意味を知っている人に対しては喧嘩を挑む行動であり、冗談で行うにも場合によっては生命と身体の保障が出来ない許されがたい行為であるため、慎重な行動が求められる。」
となっている。
サッカーの事例も載っていた。
「シュテファン・エッフェンベルク - 元サッカードイツ代表選手。ワールドカップアメリカ大会において、自身に浴びせられたブーイングに激昂し客席へ向けて中指を立てた。その行動が問題視され、ドイツサッカー協会から大会からの追放処分を科せられた。」
この説明を読む以上、「中指立ては駄目」という方が自然かなという印象を受ける。というか、絶対に奨励は出来ない。禁止されてもやり続けるという覚悟があるならやればいいと思うけど、禁止するな、認めろ!と主張するような類いのものではないのではないだろうか。
「先生、ぼくは中指を立てたいです! 認めて下さい!」
という青年の主張は通るのかどうか。それは、まぁ先生(Jリーグとクラブ)と話し合って決めて下さいということで、ぼくの関与する余地はない。
松本山雅サポーターに求められること
この間松本に行った時に、とあるサポーターと酒を飲んだ。
これは大変面白い一席だったのだが、その中でぼくはこんなことを言った。
「松本山雅の応援は、すごく魅力的だったと思います。
音の量、手のそろい方、ユニフォームの着用率、どれを見ても非常に高いレベルだったな、と。
ただ、失礼かもしれませんが、
松本山雅は今がピークということはありませんか?
これから、J1に上がったとして、そう簡単には勝てなくなっていきます。
そして、J1のサポーター&ファン&ヤジウマには色んな人がいるので、
ネット上で叩かれるような機会も増えると思います。
その時でも、今のような雰囲気を保てると思いますか?」
このぼくの質問に、どんな答えが返ってきたかはここには書かない。いずれ松本での観戦記を書籍化するときに書くかもしれないが、書かないかもしれない。
今現在、松本山雅の応援は、非常に魅力があるものとなっている。
ということは、自分たちの選手を鼓舞する力が強いと考えることも出来る。
逆に言うと、相手チームのサポーターからすると脅威になる。
だから、敵対的な態度を取る人が出てくるのは自然な流れなのだ。
敵対的な態度を取ったり、インターネット上で煽ったりすることが、松本山雅サポーターには非常に有効であるということが、周知の事実となりつつある今、今後はJ1クラブとして、あるいはJ2の強豪クラブとして、煽られることも増えるのではないだろうか。
その度に心をかき乱されて、自分の仲間に聞こえるところで罵詈雑言を返してしまったら、周りの人はどう感じるだろうか。
ぼくもネットをやっていると、ほんとに心底腹が立つこともある。
なんだか知らないけど、いきなり挨拶もせずに、命令口調で文句を言ってくる人もいる。
汚い言葉を投げかけられることもある。
どう考えても間違った理屈をぶつけられることもあるが、説明しても全然納得してくれないから面倒になることもある。
ただ、基本インターネットというのはそういうところで、人間の心の汚い部分が出やすい。だから、こんな本も出ている。これは大変参考になった。
ぼくは、長らくネットゲームをやっていたり、某大型掲示板のディープなところにいたこともあるのだけど、これがなかなかどうしようもない。人の心が荒みきっている。
ネットのディープなところのいけばいくほど、自己評価の高い人が多くなる。俺様は全部わかってるが、周りはクズばかりという精神構造だ。
そういうところに比べると、Jリーグ関係のネットコミュニティははるかにマシだ。実名を出している人も多いし、基本自分のクラブの看板を背負って発言をしている人が多いので、そこまで逸脱したことはしない(例えば、「これクリックしてね^^とか言って出したURLが精神的ブラクラ(全画面虫だらけとかだったり、ウィルス仕込んできたり……)。
確かに変な人もいるし、話が通じない人もいる。ぼくもTwitterでは、6人ほどブロックしている。でも、決して多数派ではない。いい人、好きな人、話が通じる人、刺激を与えてくれる人が、9割9分。
たまに、何かネタがあると、突然嵐のように「てめぇ謝罪しろ」と知らない人が湧いてくるが、それは意見を尊重しつつもあまり気にしない。事象が過ぎると、いなくなってしまう人達だからだ。
そこで、こっちも目くじら立てて、「うるせぇな、誰だてめぇ!」とやり返すと、普段付き合っている周りの人まで嫌な気持ちになってしまう。そういう時は、猫を探してきて抱っこしたり、子供とボールで遊んだりしてくることにしている。そうすると、どうでもよくなる。
(ただ、ブラジルの時は、そういうのがなかったので、結構な勢いでイライラしていた)
大きくなっていくと、注目を浴びるようになる。すると、良いことも、悪いことも言われるようになる。100の褒め言葉よりも1の悪口の方が印象に残っていつまでも気になってしまうのは人の性というものだ。
だけど、悪い印象を持つ人が増えていくと同時に、良い印象を持つ人も増えていっていることを忘れて欲しくないなと思う。
そう、例えばぼくだ。
ぼくだけじゃない。
この間松本まで行ったのは、多くのサポーター仲間から「アルウィンは本当に素晴らしいから絶対に行ったほうがいい!」と言われたからだし、出版社の編集から「次の本の目玉として絶対にアルウィンは行って欲しい!」と強くプッシュされたからだ。
ふらっと行ったアルウィンでは何人かの知り合いに出会った。一人は、(確か)開幕頃からずっと広島を応援しているサポーターなのだが、スタジアムの雰囲気に感動して泣いたとまで言っていた。
かくいうぼくも、1点を取り返した場面で、涙をこらえるのが大変だった(泣くまで行かなかったのは、五平餅と格闘していて若干、集中力を欠いたせい)。
松本山雅に対する言論はこれから増えていくのではないかと思う。何故なら普通のクラブではなくなっているからだ。他のクラブにはないずば抜けた部分があるから、好意を持つ人もいれば、敵意を持つ人もいるだろう。
これからも、また嫌なことがあるかもしれない。
けど、やっぱりあの曲の通りであって欲しい。そう思っている。
どんな時でもオレたちはここにいる
愛を込めて叫ぶ 山雅が好きだから
こういう文章は、多くの人が読むと色々拡散して面倒なので、敢えてグダグダと書いた。
まぁ面倒なことが起こった時は、さっさとオフラインにして、うまいものでも食うのに限る。