昨日は、味の素スタジアムに後ろ髪を引かれながらも、バスケの「観戦力」という今の自分にとってタイムリーな話題のセミナーに出席してきた。
試合の途中経過は、東のゴールで先制するまではみていたが、そこから先は怖いので見るのをやめた。そしてその先の記憶はない。
ともあれ、経験したことをぱっぱと書き留めておくことがブログの役割の一つだと思う。
だからウェッブログというのだ。ウェッブログ、略してブログ。略された「ウェッ」に哀愁が漂う。
あまり文章やレイアウトに工夫をせず、ログをつけることを重視して書き記す。
さてさて。
表題のイベントは2部構成。
1部は、WOWOWのNBA番組に出演することでお馴染みの佐々木クリスさんによる講演。
最初の感想はやっぱり「クリスさんかっこいい」。
いやいや、いくらなんでも格好良すぎでしょ。
ああいうルックスに生まれて、バスケもうまかったら、どういう人生になっていくのだろうかと考え込んでしまった。
どうなるんだろうね。
まぁ物書きにはルックスはいらんのである。いらんよな? いらんと言って下さい。
はい。
というわけで、クリスさんの講演は「スタッツ解析を用いたNBAファイナル2016の解説」。
最近NBAのスタッツってこれほど細かく出るのかというのにまず感心した。ぼくは10年来のNBAファンタジーゲーム(スタッツを駆使したゲーム)のプレイヤーなのであるが、そこで使っているスタッツは15種類。凝ったスタッツはアシスト、ターンオーバー比率くらいなものである。
しかし、シュートチェックを受けたときの成功率と、ノーマークの時の成功率がしっかり別れて出せたりとか、ディフェンスが60cm以内にいたとか、いないとか。そういうのも出るらしい。
もっとも、数字が出たからなんだというのもある。ウィングスパンが長い選手(要するに手が長い選手)にとっての60cmと、小柄な選手にとっての60cmでは事情が違う。こういったデータを取ることには意味があるのだが、それをグロス(合計)で扱うと、何も見えないあやふやものになってしまうことがある。
徹底的に場合分けして考えていかないと、数字に騙される結果になってしまうし、本当は統計的に有意な差があるかも検討したほうがいい。有意差まではでないにしても、偶然差がついているだけなのか、ある程度の必然性があるのかについて、統計学的な手続きをしておいたほうがいいように思う。
サッカーのデータ解析は繰り返し数がまったく足りていないので、かなりふんわりしたものになることがほとんどだ。しかし、バスケならできるかもしれない。ただ、60cm以内にディフェンスがいるときのシュート成功率といったときに、目の前にいるのがイグダーラなのか、デビッドリーなのか、セスカリーなのかで全然違う結果が出るはず。だから、ディフェンダーの能力別に場合分けしていくのが有効とは思うんだけど、そうすると繰り返し数も減っていくし、一般には受けないデータになっていくかもしれない。
そう、データ解析は一般に受けなければいけない。
研究者は真実にたどり着くためにデータを解析する。
仮説を立て、仮説を補強するような形でデータを利用していく。
しかし、クリスさんのような、テレビでのコメントを求められるアナリストの場合には、面白いデータを提示することが求められる。真実に辿り着く必要はなく、データがエンタメにならないといけない。
これは、やれといわれても、ぼくにはうまく出来ないかもしれない。データを扱うのは好きなのだが、データを本気で解析した上で書いた文章って実はそこまで面白くないのよね。
それよりも、感覚的なものに基づいて、データは補強程度に使う方が文章としては面白くなるんだよねぇ。
クリスさんの話でも一番面白いのは、元選手としての実感が籠もったプレー解説だなとぼくは感じた。スタッツの話は、スタッツの話として面白いのだが、やはり感動的なまでのスーパープレーの前には、客観的な解析は消し飛んでしまう。
いまいちまとまりはないが所感ということで。とにかく、クリスさんカッコ良かった。
第2部は、現日本代表アナリストの末広朋也氏、B.LEAGUE事務局の斎藤千尋氏を加えてパネルディスカッション。
データマニアの斉藤氏による超マニアックなデータ論議が出るかと思いきや、内部に入ってしまうと言えないことも多いらしい。
データは、プレー分析と次戦への準備のために使うというのが第一義なのだが、中の人の意見として「営業ツール」として使うことも出来るらしい。具体的にどのデータがという話ではないのでここからはぼくの考えだが、バスケがどういう試合なのか、どういう盛り上がりがみられるのかということについて、バスケやスポーツ全般についてさほど感心がないスポンサー関連の担当者に説得するためには、データを使うことは有効なのだろうと感じた。
ここは、データが残りづらいサッカーの弱点かもしれない。サッカーにもデータはあるにはあるが、やはりアメリカンスポーツとは比べるまでもないほど有効なデータは少ない。
末広朋也さんの話は非常に面白かった。
最近は、スクリーナーがピックにいった時の得点期待値みたいなデータも出せるらしい。そりゃ出せるわけだけど、そういったものを有効活用して、選手を評価するという試みが実際に行われているようだ。流石に日本代表で使っているスタッツの秘密は教えてもらえなかったのだが、考え方は非常に面白かった。
最後に 質疑応答の時に、データを扱う目的として「どういう試合が面白いのかを定量的に現せるのか。」という質問があった。
これ、今自分がちょうど考えていることと重なったので、後で質問者を見つけて話しかけてしまった。
話しているうちに自分でも整理がついてきたのだが、やはりデータは万能ではない。
自然科学研究においても、データは万能ではなく、あくまでも「サポート」である。
マイケルジョーダンの凄さはデータに現れる。しかし、我々はデータを見てジョーダンの凄さを知るのではない。
あの躍動感、どんな時でも怯まずに果敢にリムへと向かっていく闘志。そういったものを感じてジョーダンに傾倒したのである。
現場の人にとってはデータは戦うための道具。
メディアの人にとっては、人を楽しませるエンタメ。
ファンにとってのデータは添え物である。
マニアにとってはご馳走かもしれないが。
ぼくにとってはなんだろうと考えると、やはり添え物かな。
本気でデータ解析をしてみたいような気分もあるが、そうなると統計学者には絶対に勝てないわけだから、やはり添え物程度に考えて、得意なことで勝負するべきなんだろう。
それはそうと、Bリーグはファンタジーゲームをやったらいいと思う。ソフトバンクと提携しているわけだし!
ドラ1候補は誰だろうね。ファジーカスかな? でも外国人制限があるなら、川村をとっておくべきかな、とか。
Bリーグサイトのスタッツのところ、per gameも見れるようにしてほしいなぁとか。
まぁ最後はグダグダですが、メモなのでこんなもので。
Bリーグ開幕戦のメモが、下書き状態でずっと入ってるので、賞味期限は気にせず適宜出して行きます。
バスケ記事書きました!(サッカーとの合いの子です)
敵か?味方か? BリーグとJリーグの協調を考える | サッカーキング