鹿島アントラーズについて
この記事は、敢えて平均入場者数だけを見た結果と、そこから考察できることを書いている。簡単に調べられるものや、特に気になったものは調べたが、あまり深くは追求しない(2周目以降に違うファクターを追加するかもしれない)。
記事執筆の主目的は、著者が情報を整理しながら勉強すること。
※2014年は10月2日現在
結果(図表から読めること)と考察(結果をもとに思いついたこと)
・Jリーグオリジナル10。最も多くのタイトルを獲得した、戦績上一番成功しているクラブ。
・入場者数は、どの年も安定して多く、ほぼ15000人以上。
・データ上、最も特徴的なのが1995年以降。
J1の平均入場者数が大きく減少しているにも関わらず、鹿島アントラーズは横ばいのまま。
⇒これはクラブの求心力が強く上昇したことを指しているのかもしれない。
⇒オリジナル10のクラブは、浦和レッズと鹿島アントラーズを除き、1995年以降の大幅な減少を記録している。この傾向が見られないことは、データ上特筆すべきこと。
典型的な傾向を示している清水エスパルスとヴェルディ川崎(現在は東京ヴェルディ)のデータを示す。
清水は、ほぼ平均と同じ推移を辿っているのがわかる。
ヴェルディ川崎(当時)は、開幕時、圧倒的な強さと絶大な人気を持ったクラブであり、平均25000人を記録するが、平均入場者数の減少とほぼ同じ傾向を示す。
ヴェルディの入場者数の減少は、Jリーグブームの終焉と強くリンクしているように感じる。
そういえばJリーグの3年目、1996年頃までは、ぼくもうっすらと関心を持っていたのを思い出す。
95~97年を「初期Jリーグブーム収束期」と、仮に呼ぶことにする。
話を鹿島アントラーズに戻す。だいぶ上にいってしまったので図表をもう一度引用する。
・鹿島アントラーズは「初期Jリーグブーム収束期」に見られる、入場者数の減少が見られない。
・要因としては、強かったこと、ジーコやアルシンド、ブラジル代表選手のレオナルド&ジョルジーニョなどの話題性に富む実力者がいたことなどが想定できるが、このへんの感覚は当時スタジアムに通っていた人に聞いてみるとより実感の伴ったものになるであろう。
・Jリーグの入場者数が停滞していた2000年までを、平均をはるかに上回る水準で乗り切る。
・そして、2001年にJリーグの平均入場者数が一気に増加するに伴い、爆発的に入場者が増える(なんで2001年に増えたのかと思ったら、これは恐らく日韓W杯効果であろう)。
・カシマサッカースタジアムが2001年5月に改修された影響もありそうだ(観客席が16000席から41800席へと増加)。
・2001~2003年は平均20000人以上を動員する。2001年に優勝した効果もあるのだろうか。
・2004年に、10年ぶりに平均入場者数を下回るも、これは他のクラブの入場者数がふえたことによる相対的な減少によるもの。
・2006年、2007年も平均を下回る15000人は超える。
・2008~2010年は、ほぼ20000人以上を動員し、平均を超える。
⇒もしかして「うぎゃる効果」なのではないかと思い、内田篤人選手の在籍期間を調べてみる。すると2006~2010年。日本代表(フル)に出場したのは2008年から。
試しに図表に入れてみる。
内田篤人選手の在籍時、特に日本代表として出場し始めた2008年から、大きく増加していることが明らか。
但し、内田個人を目当てにした観客が増えたとする根拠はない。
鹿島アントラーズは2007~2009年にかけて、3年連続でリーグ優勝をしており(2007年は天皇杯も制覇)、続く2010年に天皇杯、2011年及び2012年にナビスコカップを制していることから、成績的にはこれ以上ないほどの大成功を収めていた時期と言える(鹿島の場合は、そういう時期他にもいくつかあるのが恐ろしいところだが)。
内田篤人という選手は、サッカー業界では常軌を逸する人気を持つコンテンツらしい。
確かに設定が完璧すぎる。
端整な顔立ちと、少し子供のようで自然体なキャラクター、それでいて物事を深く考えていてうるさい大人達も文句を言うことがない。その上で、ピッチに出ると、非常に頭脳的でありながら、闘志溢れる見事なプレーを見せる。
ギリシャ戦の時、身を削って切り込み続けたうっちーの姿には本当に泣けたもんなぁ……
と、脱線してしまったが、2008~2010年の山が出来た要因については、いずれ調べてみようと思う(というか、ずっとスタジアムに行っている人に空気感と共に教えてもらおうと思う。最初から聞けばいいって?自分でしっかりデータと遊んだ後じゃないと、聞くポイントが絞れないものなのですよ)。
・2011年、東日本大震災によって周辺地域とスタジアムが被害を受ける。
・それに伴い、入場者数は大幅に減少。
⇒とはいえ、15000人以上の水準は保っている。
・そのまま現在に至る。
今後について
流石鹿島アントラーズ。表面的なデータの傾向を整理するだけでもかなり大変だった。正直、鹿島アントラーズについて調べるだけで1ヶ月以上かかりそうな情報の多さ。色々と気になることは出てくるが、ちょっとずつ肉付けしていこう。
そういえば、こんな本も最近出ていた。
図表を眺めながら改めて思ったのは、初年度を抜かして、15000人以上を動員し続けて来たというのは恐ろしい記録だなと。今まで見てきた他のクラブとは、「絵的」に全然違う。
ただ、ここから伸ばして行くにはどうするのかというのは、手詰まりなんだろうと思う。ホームスタジアムのキャパシティを考えると、やはり平均20000人はあったほうが雰囲気は良くなるだろう。実際、始めて行った時(2013年川崎戦:約18000人)と、二回目に行った時(広島戦:約26000人)では、雰囲気がまるで違っていた。
しかし、周辺人口が少なく、スタジアムへのアクセスも良くないので限界がある。
内田篤人フィーバーのようなものは、狙って作れるものではない。
もちろん、2008-2010年の増加が内田によるものという確証はないが、こんなカレンダーも売れているようなので、それを考えるとポジティブな影響はあったのだろうなという気もする。
もしかしたら、お客さんはそこそこでもしっかり成立するビジネスモデルがあって、実は現在もそれが行われているのかもしれない。財務状況までは、現段階では追っていないので、そのあたりはよくわからない。このあたりは、二周目か三周目の課題。
平均入場者数の数字を見ているだけでも、Jリーグで最も成功しているクラブというのに納得させられた。Jリーグ発足から21年。一度も停滞したことがないクラブは伊達じゃない。
※反論・付け足し・修正・提言などは、はとのーとアカウントにリプライをつけてもらえたら、下に掲載します。
@_Shintaro_ うちの近所に元鹿島社長(2代目椅子男)が住んでいて、以前町内会のイベントで語っていたのですが、鹿島はスタジアム増築した後チケットのプレミア感が無くなり集客に苦労したと述べられていました。
— tupolev (@fetokyo) 2014, 10月 12
情報頂きました。
増築前後では、数字に見えない変化もありそうですね。