8月28日までに第一稿を終わらせる。
そう誓った。
しかし、この手の誓いは何度も破られてきた。それは仕事が不真面目だからというわけではなくて、どうしても迷ってしまい、原稿を破り捨ててしまうからなのである。
「なんか違うな」という違和感が消えない段階で、締め切りだからという理由でちゃっちゃとパブリッシュしていくのは危険な香りがする。それは、3作目か4作目で、「もう作家としてやっていくのは無理だね。」っていう結論になりそうな危険性である。
詳しく調べたことはないが、3~5作目で消えていく作家はそれなりに多いようなのだ。村上春樹は、「風の詩を聴け」でデビューし、「1973年のピンボール」を2作目とした。そして、3作目の「羊をめぐる冒険」では大きく作風を変えた。いや、作風を変えたというよりは、より大きな物語、より明瞭で、一般的な物語に自分の感覚を寄せていったというべきだろうか。
2作目のノリで4作目くらいまで書いていたら、村上春樹はもっとマニアックな存在だったのではないかと思う。
さておき、ぼくの場合の話。
1作目は、絶対の自信を持って送り出せるところまで練り込んだ。2作目はそれを超えられると思わないと出すべきじゃない。そうやって少しずつ前進し、更新していく必要がある。
そして、その目標がほぼ手の中に収まりそうになったので、後一週間28日までに仕上げると決断した。そして直後に夏風邪を引くという。なんだか体調がおかしくて調子が出ないと思ったら、風邪だったらしい。
残りは2日か3日。終わるのか、これ。
いや、分量としては終わる。後は覚悟の問題。やってやれないものではない!!
近頃の活動報告。
1.甲府で講演しました。
ヴァンフォーレ甲府を長く支えてきたスポンサーが開催するフットボール・トークライブ
甲府サポは人見知りではあったけど、キャピキャピした女性が多かった!!
サッカー選手で、山梨の女性と結婚して、そのまま山梨に住み着くケースもあるのだそうで、なんだかそれもわからなくもないなと思った。
だからといって、山梨の女性は……という一般論には出来ない。たまたまあの時会った人がキャピキャピしていただけかもしれないのだ。
地域によっては、Jリーグのクラブを応援するということが女性にとって「ださい」ものと見なされていることもあると思う。しかし、甲府の場合は、他に娯楽が少ないことや、応援している人の割合が高く、周囲の人とのコミュニケーションのきっかけになりやすいことなどもあって、ヴァンフォーレを応援することが「お洒落」なことなのかもしれない。
そういう可能性はあるなと思うのだが、結論は付けられない。こういうのはちゃんと調査をしないと、どの程度まで確からしいかはわからない。
ともかく、ぼくは甲府のことが好きです。女性が楽しそうにしているコミュニティに間違いはない!!
ヴァンフォーレ甲府を長く支えてきたスポンサーが開催するフットボール・トークライブ
2.ロータリークラブでお話をしてきました。
ロータリークラブというのは、社会奉仕や国際親善などを目的とした集まりのこと。
日本ではそれほど馴染みのあるものではないが、「ノブリスオブリージェ(高貴なる義務)」という考え方がある。これは、社会的に恵まれている者は、恵まれていない者に対して奉仕する義務があるという概念で、背景にはヨーロッパにおける階級社会や貴族社会、あるいはキリスト教的な思想があるものと思われる。
そのような趣旨であり、朝8時からホテルのレストランで行われることもあって、参加されている方々は実にフレッシュで、活力に満ちていて、かつ、ぼくのような若輩者にもとても優しく親切だった。
ぼくは参加者では最年少で、「若々しくて輝いているね!」なんて言われて、少し気恥ずかしくなったくらいだ。最近は、「随分おっさんになったね」なんて言われることのほうが増えてきたのに!
エネルギーと、愛と、優しさと、知性に満ちあふれた素晴らしい朝食会で、涎が出るほど幸せな時間を過ごさせて頂いた。
告知
8月28日にプチイベントをやります。
「BAR はとのす」
『中村慎太郎のネバーエンディング原稿がついに終わった記念に一杯飲もうスペシャル』
作家の中村慎太郎が、原稿が一段落した記念に阿佐ヶ谷ロフトAで一日バーテンをやります。次回作のことや、Jリーグのことや、ロック総統の聖人君子のような振る舞いなどについて語りながら楽しく飲みましょう。
「サッカーに興味あるけどスタジアム行ったことがない」という方を連れて来た場合には、強く説得しますよ(笑 お気軽にお立ち寄り下さい。
BAR はとのす – LOFT PROJECT SCHEDULE
というわけで、ぼくは一日バーテンをやっているので、お近くの方は是非飲みに来て下さい!!
その時には原稿が終わって(その後何度も直さないとではあるのだけど)、さっぱりしたぼくがいるはずです!!!!
誰が得するかわかりませんが、一緒に『ハトトカ』をやっている松田も参加しますので、話してみたい奇特な方が万一いたら是非どうぞ!
↓これ喋っている人。
第九回『サッカーの母国イングランドへ。 思春期の決断の裏側にあった、 サッカーとの出会いと挑戦の話。』 | ハトトカ いつかあなたと文化祭