ちゃんとした書評ではなく、とりあえず読んだということを記録するための読書のーと。
第一回は、自由人村上アシシ氏の本。
日本代表サポーターを100倍楽しむ方法 ~サッカーとボクと、時々、ノマド~
非常に面白い本だと思う。
読んだ後に、この本がつまらなかったという感想を言う人は少ないと思う。
実際にアマゾンレビューは☆5が7人、☆3が1人。
ぼくがアマゾンに書くとしても☆5か☆4は間違いない。
しかしながら、レビュワーが8人のみであることからも推測できるが、十分に注目が集まっているとは言えないような気がする。
この本は、「日本代表サポーター論」、「ノマド論」、「サポーター論」の3つに分類できる。
「日本代表サポーター論」は文句なしに面白い。
題材がワールドカップではなく、オリンピックであることが少し話題性が低いかもしれないが、「なでしこ」を組み込めるのは大きなメリットだと思う。
「ノマド論」は、ここだけ独立して考えると面白いし、ぼく自身も非常に参考になった。
しかし、全体の構成からすると、若干の蛇足感はあるかもしれない。
「サポーター論」に絞ったほうが、熱量が高い作品になったという側面はあるのではないか。
「ノマド論」や「旅人ノウハウ」などを組み込むことで実用書としてのレベルは上がる。一方で、作品世界からは引き離されてしまう。
ここはトレードオフでなかなか難しい問題だ。
ただ、著者の人柄を鑑みると、「実用書」よりにするほうが質の良いものになるようにも思える。
この本の内容は、どのページを切り取ってもすごくいいと思う。
わかりやすいし、参考にもなるし、エンターテイメントとしてもいい。
表紙もいい。
ただ、ボクサーに喩えると、非常に技術は高く華麗にステップはするがパンチが軽い選手という印象がある。
ぼくよりも4つ年上の著者に対して言うことではないが、アシシ氏が真に完成するには、もしかしたらまだ年月が足りないのかもしれない。
この調子で、自由に人生を満喫し、様々な経験を積んだ後、改めて筆を取るとどうなるのだろうか。
非常に楽しみだと感じさせられる。
1人の偉人、あるいは奇人・変人、さらにはその合いの子であるアシシ氏がどう生きて行くのかを、リアルタイムで追っていける楽しさを是非多くの人に体験して頂きたい。
ぼくにとっては尊敬に値する兄貴分であるアシシ氏だが、お世辞を書いても面白くないので、ちょっと辛口な部分もある。
この貸しは是非書評という名のステマで返して頂きたい!
著者については、メインブログ「はとのす」でも記事を書いた。