ぼくの記事をサッカーマガジンZONEという雑誌に載せて頂きました。記事が載っているだけではなく、このブログ「はとのす」の紹介まで書いて頂いております。まさか、はとのすがこんなにメジャーになる日が来るとは……
サッカーマガジンの後継誌 『ZONE』
この雑誌は非常に新しい。というのも、サッカーマガジンという長い歴史を持つ週刊誌があったのだが、昨年廃刊(休刊?)になった。そして後継誌として登場したのが、SOCCER MAGAZINE ZONEなのだ。正式名は長いのだが、これ以降は「Zone」と表記する。
昨年11月末に「Zone」が刊行されて話題になっていたことは知っていたのだが、その頃は色々と忙しくなっていた時期のせいで本や雑誌を読む余裕がなくなっていた頃でもあった。
そのせいで、どういう内容なのかはあまり把握していなかった(まさか数ヶ月子にその雑誌に自分が記事を書くことになるとは思わないじゃないか)、このたびオファーを頂いたこともあり読んでみた。自分の記事も掲載されている最新号も踏まえた上で感想を言うと……
「とても面白く、内容が濃い雑誌」だと思った。
サッカー雑誌というと、チームの戦力分析が中心というイメージがあったが、「Zone」の場合はそういう情報はあまり出てこない。
サッカーとサッカー選手を中心としたファッション雑誌とか、旅行雑誌と考えたほうが近いかもしれない。もちろん、ファッションのことばかりが載っているわけではないのだが、雑誌の体裁やデザインなどは非常に工夫されていてスタイリッシュに出来ている。
あ、これフットボリスタよりある意味ぼく向きかも。
フットボリスタとZONEの違い
フットボリスタも大好きな愛読紙で、非常にスタイリッシュな雑誌でもあるのだが、やはりこの雑誌は「試合」が主役になっている。試合で起こっていたことは何なのかを分析して、次の試合を観たいと思わせることがこの雑誌の基本精神らしい。
だから、フットボリスタは「サッカー観戦雑誌」と言ってもいいかもしれない。相変わらず大好きな話だし、購読はしているけど、ぼくは戦術分析の類いはうまく出来ないので、書き物の肥やしになるわけではないのだ。
一方で、「Zone」の場合は、サッカーに関係するものなら何でもありという雑多な風情がある。もっとも扱うテーマは多様なのだが、デザインに統一感があるので強くは感じない。ユベントスの記事の次にジローラモが来たり、フリーキックの蹴り方の次に、宮本恒靖の「ツネの部屋」が来ても違和感が感じられない。
前号までは、オファーを頂いたときに雑誌の趣旨に外さないようにと速読的に読んだのだが、今号は自分の記事があることもあって購入してじっくり読んだ(見本誌もらえたらしいんだけど、とても待ちきれない!)。
巻頭にオシムと宮本ツネ様の対談記事があった後で、HONDA特集。それに続いて、ミラン、インテル、ユベントスとチーム運営についての記事が続く。
ぼくは海外サッカーだって見始めて2年も経っていないくらいだから、あんまり昔の選手の名前を出されてもわからない。だからこの手の記事は苦手だったはずなのだが、すんなりと楽しく読めた。というよりも引き込まれるように読んでしまった。
ビッグクラブを家族経営することの難しさ、クラブに対する愛情と誇り。遠い空の下の話なのだが、親近感を覚える内容であった。
うーん、面白いなと思っていると次はジローラモさんがイタリアサッカーを語る特集で、これはなかなかゆるい。軽めの内容なのだが、ジローラモさんが言うと妙に親しみを感じる。
と思ったら次にベンゲルの特集で、こっちはギュっと内容が詰まっている。
さらに続くのは、家族の肖像という特集で、まずはロナウジーニョで、次は山田暢久ファミリーだ。しんみりするいい話だなと思っていたら、次のページは……
「サッカー選手の奥様 覆面 座談会」
ページをめくった瞬間噴き出してしまった。前のページとのギャップが凄い。
長谷川アーリアジャスールのインタビューの次はピース又吉のコラムがあり、甲府の阿部翔平が車自慢をしたと思ったら、湘南の遠藤航が行きつけの店の和風ハンバーグについて語っている。
突然ファッション誌のようになって、大前とか高木善朗が出てきた次のページをめくると、レッズの柏木が自転車にのって微笑んでいる。
うん、この雑誌は面白いな。
Zoneを読むと世界が広がる?
次はこれが来るとわかっていて、やっぱりきたねとほっとする様式美もいいのだが、意表を突かれて驚く楽しみというのもあると思う。
そういう意味で、「Zone」は驚きに満ちた雑誌だ。本を読んでいてページをめくるのにこんなにワクワクしたのは久しぶりだと思った。
「Zone」は、欲しい情報があるから買うのではなく、自分の知らない考えに出会うために買うことが出来る雑誌のようだ。こういうものはありそうでなかなかない(多分作るのが大変だから)。
自分が思ってもみなかったものと出会えるというのは非常に貴重なことで、大人になって生活が定型化してくると新しいものとの出会いというのは激減する。しかし、こういった本を読んでいると、知らなかった世界が見えてくる。
ファッション雑誌風の「柏木の休日」の記事は、柏木が主役だから楽しく読めた。ぼくは「こういうもの」とは無縁なので世界が少し広がった気がする。もちろん、ファッション雑誌を買えば読むことができるのだろうけど、わざわざ買うことはしないし、知らないモデルの休日には興味がないのだ。
バイタルエリアの狭いところで華麗にボールを受けて、フリーの槙野まで見事なパスを通していた、それをぼくの目の前でやってくれたあの柏木の記事だから楽しく読めたのだ。
時刻表みたいに毎回同じ情報が載っている本が好きな人もいるかもしれないが、どこに何が飛んでくるのかわからないこういう本は素敵だと思った。今後も購読しようと思う。
今後、想像をしていなかったような特集がきっと待っているだろう。そう思うとワクワクする。
というわけでぼくの購読誌はサッカーダイジェスト、フットボリスタ、Zone、ダンクシュート(NBA)、birder(鳥)、徹マガ(web雑誌)の6誌になった。
Jリーグ特集
おまちかねのJリーグ特集について。
これもまたちょっと意表を突く構成で面白い。
例えば、土屋雅史さんのフォルランの記事は、和製ロリー・デラップことサガン鳥栖の藤田直之選手が出てくるという構成。
【お知らせ】今日発売の「サッカーマガジンZONE」で、『もう一度、Jリーグを見よう。』企画にコラムを書かせて頂きました。テーマは“フォルランからの…藤田直之!”みたいな感じです(笑) おなじみ川端暁彦さんやいしかわごうさん、話題の中村慎太郎さんも寄稿されていますので是非ご一読を!
— 土屋雅史 (@m_tsuchiya18) 2014, 2月 24
Twitterでぼくの記事の紹介もして下さったようです。ありがとうございます!いつかお会いしたときにご挨拶させて下さい!
注目の若手について川端さんが書いていたり、ラモスやカズの記事があったり、浦和と広島の因縁を両チームのサイドから書いた記事があったりと盛りだくさんだ。
そして、最大のサプライズは10個目の記事だろう。そう、著者が中村慎太郎なのだ。 自分の名前が紙の雑誌に載っているというのはちょっと驚く。最初に見つけた後、バタンと本を閉じてしまった。
ぼくの記事には、優しい感じのイラストをつけてもらっていて、これが文章とマッチしていて最高でした!
このメガネの男はぼくなんだろうか……?!ちょっと似てるね。イラストレイターさんが、ぼくのTwitterアカウントをにらみながら書いたのだろうか。そう考えるとちょっと面白い。
今できる範囲で、Jリーグ観戦の魅力を濃縮させた記事にしたつもりなので、はとのす読者の皆様は是非ご覧下さい!! そして、「友達、恋人、とーちゃん、かーちゃん、ぽち、たま」などなど周囲の人や生き物に読ませることで、スタジアム観戦のお供を得る助けにして頂ければ幸いでございます。
もっとも、ぼくの記事よりも一つ前のいしかわごうさんの記事のほうが説得材料としては強いかもしれないので、そちらも必読です。
是非、はとのす中村慎太郎の紙媒体デビュー記事が載っている「Zone」4月号をご覧下さい