宮古島へと渡ってから実質1日しか経過していないのにも関わらず、ツバメチドリ、ミフウズラ、ムラサキサギを見つけることができた。アカショウビンも見た。いや、「アカショウビン以外は考えづらいハト大の真っ赤な鳥が横切った」というほうが近い。どうにも納得がいかない。
この気持ちを解消しようと思ったら、アカショウビンを自分の目で見るしかない!!
それには、アカショウビンが棲むところに行くのが近道だ。というわけで、やってきたのは夏の宮古島で最も熱い場所と言われる(?)「大野山林」。
目指すはアカショウビン、そしてキンバト、カラスバト、オオクイナ、シロハラクイナ、ズグロミゾゴイ。そうそう、サンコウチョウも繁殖のために来ているらしい。まだ見たことがない鳥で、ずっと憧れていた鳥でもあるので、この機会に何としてでも見ておきたい。
今回の宮古島旅行は、親戚の家にお世話になっていた。だから、宿泊費を非常に安く済ませることができたので予算よりもだいぶ安く済んでしまった。
「探鳥地に住んでいる親戚ほどありがたいものはない」
そして、この日は親戚の叔父さんと娘も一緒に探鳥に行くことになった。地元に住んでいるとは言え、どこにどんな鳥がいるかは殆ど知らない。鳥というのは面白いもので、鳥のことをいつも考えていないと目に入ってこないものなのだ。
さて、朝6時に起きて大野山林へと向かった。前日に出会った「岩手から来たおじさん」の情報を元に、池周辺を探すことにした。本当は「ひょうたん池」に行かなければいけなかったのだが、間違えて「調整池」というポイントに到着すしてしまった。ここであってるのかな?と考えていた時だった。
聞こえる!
アカショウビンの声が!!!
宮古島の森に響き渡る魔性の声。大げさな言い方だけど、異世界の住人に誘われているような気持ちにさせられる。日本列島の南西の端に浮かぶ小さな島で、早朝の森の中に入り、美しい鳴き声を聞く。素晴らしい時間だった。
そして、ゆっくりと歩を進めていき、ちらっと横を向くと、ハト大の鳥が止まっていた。しかし、ぼくに見られた瞬間に飛び立って行ってしまった。すぐに森に隠れてしまったので、色が赤いかどうかすらもわからなかった。
可能性があるのはキジバトかアカショウビンだが、警戒心の強さを考えるとアカショウビンだったのではないかという気がする。
……結局アカショウビンは目視確認できなかった。声は聞こえるのだが……調整池の周りで探すのは諦めて、別の場所を探してみるのことにした。
大野山林は非常に雰囲気のある森で、熱帯の秘境を探検している感じがたまらなく良い。しかし、茂みが深いと鳥を探すのは大変になっていく。声は聞こえるのだがどこにいるのかよくわからない。
時折、ガサっと音がしてそちらを覗き込むと、「ピーヨ!!」といういつもの大声が聞こえて面倒になって探すのをやめるというパターンが続いた。
よく聞こえていたのがこの声。後から調べてみるとシロハラクイナの声のようだったが、若干自信がない。さらによく聞いてみると、キンバトの唸り声やアカショウビンの声も入っていた。
キンバトの声はヘッドホンで聴かないとわからないかもしれない。
調整池から三叉路まで戻り、地図を見ながらどちらに進むかを相談した。
三人の人間が地図を見ながら、どこに鳥がいそうかを話しているとき……
その光景を、後ろから一羽の鳥が見ていた(かもしれない)。
この件については後で詳しく書こうと思う。
結局「展望台」というポイントがあったので、そちらへ向かうことにした。行くためには暗く、細い階段を登って行く必要がある。
その、暗くて細い階段へとさしかかったところだった。視界の一番遠で何かが動いているのがみえた。キジバトだろうとは思ったが、念のため双眼鏡を覗き込んだ。
派手なキジバトだった。リュウキュウキジバトはちょっと違うような……
その時、ハトが横を向いた。
キジバトではない!!!!!
太い白い眉班。あまりにも暗いので、背の色はよくわからなかったが、異様なほどくっきりと白い眉が目立っていた。ハトの正体が判明した。
キンバトだ。
キンバトだ!!!!!!!
「キンバト!キンバトがいるよ! そこ! 奥の方!!」
慌てて同行者に伝えながらも観察を続けた。しかし、残念ながら同行者はキンバトを見つけることができなかった。人の気配を感じたキンバトがすぐに森の中へと入ってしまったからだ。こうなるともう見つけることはできない。
ぼくにとってハトは特別な鳥だ。ブログの名前も「はとのす」だし、バスケットボールの仲間もぼくのことを「はと」と呼ぶ。ハト類に対しては特別に強い愛着があるため、ハト類とは圧倒的かつ絶対的なスターでありアイドルなのだ。
そして、キンバトは宮古島以南の島にいかないと会えないハトだったので、今回どうしても見たい鳥だった。ほんの一瞬だけとはいえ敢えて嬉しい。
しかし!! もうちょっとちゃんと見たい……アカショウビンといいキンバトといい宮古島の野鳥はちょっとシャイなのだろうか。はっきりと確認できたのでLife listに載せることにはためらいはないが、もう一回は見ないと納得がいかない。
そんなことを考えながら展望台を登っていくと絶景が待っていた。
この時はブログを作ることを考えていなかったので、真面目に写真を撮っていなかったのが悔やまれる…… 一面に広がる熱帯の林の上を野鳥たちが飛んでいる。
何かと思ってみてみると黒くて大きな鳥だった。双眼鏡を覗き込むとちょっとがっかりした。カラスだった。宮古島にいるのは、リュウキュウハシブトガラスという亜種らしい。特に感慨はなく、しばらく展望台から下界を眺めていると、黒くて大きな鳥が飛び上がった。カラスのようだけど、カラスではないような……ここまで読めば分かった方もいるかもしれないが、それはカラスバトだった……はず。かなり遠いところに止まっていたものの、宮古島探鳥に備えて購入していた望遠鏡のおかげでばっちり確認することができた。とはいえ、何とかカラスバトと識別できた程度。もう少しはっきり見たい(こればっかし)。
とはいえ、宮古島で見たかったハト類がまとめて2種見れたので満足だった。アカショウビン、キンバト、カラスバトと、もう少し「はっきり見たい」種が溜まっていく。これは逆に言うと、宮古島で探鳥をする楽しみが一層強まったとも言える。次はどんな鳥に出会えるだろうか?楽しみだ!
と思っていたら次に会ったのは、岩手から来たおじさんだった。
☆新規確認種☆
キンバト、カラスバト、ハシブトガラス(亜種リュウキュウハシブトガラス)
☆宮古島探鳥 確認種数☆
18種(+1種 アカショウビン)
New!
☆Life list No. 146 ところでキンバトってどこが金なの?☆
☆Life list No. 147 カラスバトは異様に大きい!!!!☆
続き