書斎を作りたいという欲望に基づき何度かトライしてみたものの、しばらく時間が経つと本が積み上がり、ゴミは溢れ、配線がグチャグチャになってしまうものだ。
【本】あたらしい書斎
【買った理由】
ヨドバシカメラ秋葉原において、ブロガー関係の本を探していたら隣にこの本があった。自宅ワーキングを効率化したいという願望があったので衝動買い。
【得たもの】
書斎の機能についての本質的な理解をした上で、実際に製作するプロセスは参考になった。
【得られなかったもの】
書斎の空間作りについては良いが、ノマド関係、ネット空間を通じた書斎の拡張については、目新しい内容はなかった。
【こんな人にお勧め!】
自宅で書き物をしたり、読書をしたり、あるいは製作をしたりと自分だけの集中したい時間を持ちたいと望む人にはお勧め。実際に書斎を作るかどうかは別としても、集中するための考え方は非常に参考になる。書斎といっても一部屋丸ごと書斎にする必要はなくて、いつも使っているデスクをどう整えるかが基本だから、知的な生産活動をする人全員にお勧めできる。
IKEAの家具が大好きな人にもお勧め。
【所感】
前半の概念的な説明と、実際にどういった家具を使うかについての検討は面白かった。特に、本棚についての考え方は非常に興味深い。本棚というものは、必要性に応じて徐々に増えていくものだという認識があったが、そういうやり方をすると本が溢れてしまい失敗するという。「本棚の主人は本」という考え方に基づき、本様が快適に過ごせるように計画性を持つことが大切。
そう考えるとうちの本棚など酷いものだ。一番使いやすい良い本棚に10年以上読んでいない鬼平犯科帳が大量に置いてある。何とか整理したいものだが、やり出すと長いので腰が重い。
ノマド&ウェッブ系は他のビジネス書でも間に合う内容。このテーマの場合、書斎の空間作りに特化した内容にしたほうが充実したような気がする。著者のプロフィールをみるとウェッブ系のビジネスをしている人のようなので、そういう意味では仕方がないのかもしれない。ある程度自分の領域に引き込んだほうが有利だし、楽しく書けるからだ。
輸入家具の販売店IKEAの家具を使って書斎を作ることが推奨され、実際にIKEAの全面的な協力を得て部屋を作っている。どうしても「IKEAの回し者感」は拭えない。IKEAの広告のために書いたわけではないだろうとは思うものの、広告として機能しているのがちょっと引っかかる点。
でも、IKEAで机を買いたくなったのも事実。L字型の机が欲しい。
知的に日々を暮らしたい、ありとあらゆる生命体にお勧めです!!
【内容】(「BOOK」データベースより)
狭い家でも「自分の城」がほしい、ノマドではじっくり仕事ができない、誰にも邪魔されずに勉強したい…。一畳の空間+クラウドで充実した思考の時間を取り戻す。
【著者】いしたに まさき(「BOOK著者紹介情報」より)
Webサービス・ネット・ガジェットを紹介する考古学的レビューブログ「みたいもん!」管理人。2002年メディア芸術祭特別賞、第5回WebクリエーションアウォードWeb人ユニット賞受賞。フードソーシャルサービス「miil」を運営する株式会社FrogApps役員、内閣広報室・IT広報アドバイザーも務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)