主催しているバスケットボールイベント「はとばす」の第一回を開催(6月2日(日)18時@西葛西スポーツセンター)。はとばすの目指すものはこの3つ。
1.初心者から上級者まで楽しめる
2.バスケットボールの楽しさを追求する
3.上達する喜びが感じられる場にする
これらはぼくがずっと追ってきたテーマでもある。
初心者と上級者が和やかに楽しくプレイすることは可能ではあるが、上級者がある程度我慢することで成り立っているのも事実。バスケットボールという競技は非常に競争的なので、「全力でプレイ」し相手チームを打ち負かすということも重要な目的の一つ。そのためには、一つでも多くゴールを決める必要がある。という意味合いにおいて、シュートコースが空いているのにシュートを撃たずにパスをしたり、ミスマッチが発生しているのに仕掛けずにボールを回したりすることが推奨された場合には、バスケットボールというスポーツの本質的な価値から遠ざかっていくのではないかと思っている。
以前、「下手」であることが求められる(?)某バスケに行ったとき、元気な選手がいてドリブルから1人で速攻を仕掛けてレイアップを決めていた。あんまりにも元気だから、ディフェンスしてもいいかなと思い、速攻を1人で追いかけブロックに成功した。これは危険なプレイではなく、しっかり追いついて回り込み、スピードを殺した上でシュートのタイミングを読んだ上でのプレイだった。しかし、強く非難された。「ガチ」は禁止だと。ここではそういうバスケをするなと2,3人に詰め寄られたことがある。危険なプレイではないことを説明することで何とかわかってもらえたが、嫌な気分がいつまでも残った。
バスケットボールのルールを利用して交流会をすることが目的なら、相手を打ちのめす必要はない。相手よりも多くゴールを決める必要はない。ディフェンスもしなくていい。しかし、バスケットボールというスポーツを楽しむのであれば、勝つためにプレイするのは大前提だろうと思う。もちろん、相手の力量をみて加減したり、時にはわざと負けてあげたりすることがあってもいいとは思う。そうじゃないと初心者が育っていかないという事情もある。でも、勝つためにプレイするというのは絶対に外してはいけない大前提だと思っている。
残り2分で5点負けていたとしたら点を取りに行く必要がある。そんなタイミングで速攻に走れそうだったら、どれだけ体力的にきつかろうと走るべきだ。しかしながら、PGを横目に見ながら全力で駆け抜けたにも関わらず、「勝ち負けはどうでもいいよ、のんびりやろうよ」と考えているのか、PGからパスが飛んでこなかったとしたら? それがバスケットボールと言えるのだろうか。 もちろん、戦術的な意味合いで速攻を出さない選択をしたならそれはいい。しかし、「勝ちに行っていると思われるのが嫌」というような理由でパスを出さないなら、それは競技としてのバスケットボールではない。
もし、本気で勝ち負けが気にならないなら、得点をつけなければいいと思う。あるいは全てのシュートの点数を0にするとか。そうしたら勝ち負けがないわけだから、合目的だろう。しかし、そうはしない。提案したこともあるが、採用されたことはない。勝ち負けがかかっていないと楽しくないというのが実は本音なのだろうと思う。勝ちたいけど、勝とうとしてはいけない。空気を読んでみんなで楽しくやっている風を装いながらも、本当は勝ちに行きたい。これってちょっと変じゃないだろうか。
こういった疑問に対して、バスケをプレイしていない時もずっと考えてきた。その結論は、「分けるしかない」ということ。
・バスケットボールのルールを用いて、勝敗は気にせずに和気藹々と楽しく過ごす
→これをエンジョイバスケと仮に呼んでいる。
・勝敗をつけることを目的として競技としてのバスケットボールを楽しむ
→これを「大人のガチバスケ」と読んだり、「一生懸命やるバスケ」と読んだりしているけどネーミングが定まっていない。だって、これは要するに普通のバスケットボールのことなんだもの。「競技バスケ」がいいかもね。(コピーライティングのスキルとセンスが乏しすぎる。修行せねば!!!)
はとばすの特徴はこの「分けた」こと。これにはオリジナリティがあるわけではなくて、元祖ミクシィバスケ部で管理人のN氏が実施していたものを復活させただけのことだ。
そしてオリジナリティと言えるのはこの二つ。「競技バスケ」を4Q制にし試合としての体裁を整え、チーム内でのミーティング時間を取るようにしたこと。もう一つは、ディフェンスをマンツーマンに限定したこと。バスケットボールは、見知らぬ人間と全く打ち合わせなしにプレイできるような簡単なスポーツではない。チームがチームとして機能しないと、どれだけタレントが揃っていようが勝てないことは誰もが知っていることだろうと思う。だから、短時間限定の寄せ集めであっても、チームとして機能するように工夫をすることにした。
………
前置きが尋常ではなく長くなってしまったが当日のレポートも簡単に。
・参加者は17名(Facebookとmixiから半々くらい参加)
新規開拓をしないといけないので正直募集は大変だった。しかし、近所のプレイヤーや「ご祝儀的」にはるか彼方より駆けつけてきたバスケ仲間のおかげで最終的には何とか及第点の集まりだった。やりたいことを考えるとこのへんがミニマム。けど10人ギリギリになることも大いにありえるので、その場合でも楽しんでもらえるように準備をしておく必要がありそう。初心者から上級者まで誰でもできるTornadoes式のスキルトレーニングがいいかもね。
・エンジョイバスケは及第点
どちらかというとエンジョイ希望者が多かった。ブランクが長い選手や、ボールキャッチが危うくて突き指したら怖いなぁというような選手もいたため、練習時間を長めに取る。ドリブルシュート、ランニングシュート、ゴール下からの2on1、ハーフ3on2、ハーフ3on3をちょっと長めにやった。本当は練習メニューでも「違い」を出したいのだけど、まだ勉強不足なので昔のメニューを掘り出してくる。
チームを分けた後に自己紹介の時間を設けた。両チームとも何度か笑いが起こっていたことからして、このやり方は正解のようだ。日本人は、「内輪」を作らないとくつろげない。「分けた」効果もちゃんと出ていて、こっちのバスケは楽しむためにやるぞーという雰囲気が良く出せていたと思う。エンジョイについては、現状ではこれ以上のものは思いつかない。加えられても1,2アイディアくらいだろうか。
・競技バスケは、非常に盛り上がったが運営としては課題が残る
競技バスケは最初オールコートの4on4として、人数が段々増えてきた後は5on5として行った。個人的にはかなり限界ギリギリまでいったきついゲームだった。速攻も出るし、重厚なピック&ロールも出るしで、プレイの質や強度は高かった。即席チームでやるバスケでは、ここまでバスケらしくなることは珍しいと思う。試合は、同点でオーバータイムを迎え、疲れ切ったぼくのTOなどによって失点を重ねた自チームの負けだった。悔しい……
選手としての課題も残ったが、運営面でもいくつか課題が残った。人数が足りない場合はどうするのかについて用意がなかった。エンジョイの人数のほうが少なくなると践んでいたが誤っていたようだ。また、チーム内でミーティングする時間をうまく作れなかった。この時間は、はとばすの核心的な要素なのでなんとか作っていきたい。
・ハンドリングが難しすぎる
今まで200回くらいはバスケイベントや練習を主催してきたが、このはとばすはハンドリングが難しい。群を抜いてぶっちぎりで難しい。一つは、ぼくの「やりたいこと」をコート上で短く伝えるのが難しいこと。伝わっているかどうかがなかなかわからないこと。これは回を重ねていけば解決できるだろうと思う。
もう一つには、遅れてくる人が結構多いのでチーム分けが難しいこと。チームを分けて、チーム内で自己紹介をし、チームとしてどう戦うか考えていきたいのに、途中でチーム分けが変わってしまうと「前半の伏線」を捨てなくてはいけなくなる。イベントとしての厚さが損なわれてしまう。
チーム練習ではないし、各々事情もあると思うので遅刻するなとは言わない。遅刻に対応できるように準備しておくことと、遅刻したくないと思わせるくらい楽しい練習を前半に配置することが大切だ。
初回ということもあって、15分に1人ずつ増えていく状況にうまく対応できず、競技バスケの前後半で若干チームメンバーが違う上に、ミーティング時間が取れなかった。次回、改善!頑張ろう!
・参加者と飲み会
本当に幸運としか言いようがないが、参加者に恵まれた。フェイスブックに書きまくった暑苦しい文章が利いたのかどうかわからないが、人間的にもプレイヤー的にも非常にやりやすい人が集まってくれた。そうじゃないと、これだけややこしいイベントは一回目からうまくいかなかっただろうと思う。
苦労の甲斐あってか、日曜の22時近いというのに飲み会の参加者11名。半数以上という驚異の出席率をみて、みんな楽しんでくれたのかなぁとちょっと一安心。愚痴る気満々で現れたお嬢さんとは軽やかに距離を取り(?)、熱くバスケを語り続けた。バスケの後の飲み会でバスケの話をすると嫌がる人もいる。けど、はとばす後はそういう心配はありません!
・選手として
体力がなく、足腰の粘りもすぐに失ってしまったのでミスが目立った。スリーポイントを撃てる場面は多かったが、パワーポジションがうまく取れず、良いショットにならなかった(成功数0!)。オフェンスでもディフェンスでも、「ダンクするティーンエイジャーRK」に完敗。というか、あれは勝てん!どうやっても無理だ! 無理なら無理で、マッチアップをずらしてもらうなり、負けても大負けはしないように組み立てるなり、ヘルプを要求するなりやりようはあったかもしれない。しかし、運営が忙しかったこともあり、そこまで頭が回らずただ負け続けてしまった。どうやった勝ったらいいかというアイディアがないのだけど、スリーポイントの成功率がもう少しあがればやりようもあるかもしれない。
「負けたのは俺のせい……」で赤坊主にでもならないといけないような内容だったけど、悔しさを覚えられたということはそれだけ熱いゲームだったということだ。
はとばすは、寄せ集めのバスケではない!