「アカショウビンを待つ後ろでホイホイホイ」宮古島探鳥その7(2013年6月)


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<宮古島探鳥を最初から読む方はコチラから>

展望台付近で、キンバトとカラスバトを(一応)見たあと、日差しがきつくなってきたので再び森の中へ“潜る”ことにした。キンバトが歩いていた急な階段を降りていくと、昨日出会った岩手のおじさんと鉢合わせた。お互い驚きつつも鳥情報を交換した。

「いま、ここに、キンバトがいましたよ!!」

「ほんと?!もういないかな……?」

そんなことをやっていると、同行していた親戚の叔父さんと娘が、

「友達にも会えたみたいだから、私らは先に帰るね」

叔父さんと娘がパーティーから外れた。

そして、

岩手のおじさんが仲間になった!!(ドラクエ風)

 

今日もアカショウビンを見つけたポイントへ向かうらしいので同行することにして並んで歩き始めた。道々、ツバメチドリとレンカクを見つけた話をした。おじさんも池間湿原には行ったらしいが、レンカクは見つけられなかったらしい。ぼくも“この時点では”、あれがレンカクだという確信が持てていなかったので曖昧なことしか言えなかった。

相変わらずキンバトとオオクイナは見つからないとのことだ。逆に、ぼくが探していたサンコウチョウとシロハラクイナは見つけたようだ。シロハラクイナは車を運転しているとよく見かけるという話だった。運が悪かったのかもしれない。

鳥談義は楽しい。おじさんから、西表島や沖縄本島での探鳥のことや、飛島で見かけたツバメチドリの群れなどの話を聞かせてもらった。キャリアの長い方なので、レンカクも二回見たことがあるらしい。ただし、遠かったり、完全な夏羽じゃなかったりしたので、もう一度ちゃんと見てみたいということだった。午後から池間湿原に行くことにしたそうだ。この後、岩手のおじさんには会っていない。無事にレンカクに会えただろうか?

このブログを作ったのは、せっかく出会った鳥仲間と繋がりたいという願いを込めている。おじさんに、このブログのURLを記した名刺をお渡ししておけば、その後も緩やかに情報交換が出来たわけなので。

さて、おじさんと共にひょうたん池ポイントに着いて、アカショウビンの登場を待つことにした。この池は水浴び場になっているようで、時折登場するということだった。どれ、来てないかな?と池を覗き込むと、木の陰から「ハト大」の鳥がサササっと動いて飛び去った。色合いがわからないくらいのわずかな時間だったのだが、アカショウビンだったのではないだろうか。

しばらく待つとアカショウビンの声が聞こえてきた。深い森の中で、アカショウビンの魔性の声が近づいてくる。この雰囲気はたまらない。夢にまで見た光景だ。

しかし、アカショウビンは出てこない。近くまで来ているのだけど、なかなか姿は見せてくれない。大野山林の鳥たちは警戒心が強いのかもしれない。ダイサギ、コサギですらこちらに気付くとすぐに飛び去ってしまう。もしかしたら、他のポイントのアカショウビンのほうが警戒心が低いのかもしれない。

なかなか現れないアカショウビンを尻目に周囲を見渡していると、あの声が聞こえてきた。

ホイーヒーホー ホイホイホイ

カタカナ表記が若干怪しいが、これだけ読めば中級者以上なら何の鳥かはすぐにわかると思う。そう、サンコウチョウだ。

長い尾、青いアイリング、長すぎる尾、黒い身体、長すぎる尾、美しいさえずり、長すぎる尾。要約すると「尾が長すぎる鳥」だ。始めて野鳥図鑑で見た時に、この鳥だけは見てみたいと思っていた。

このサンコウチョウだけは必ず見る!と気合いを入れる。するとあっけなく見つかった。尾が長い見事な雄の成鳥だった。あの不思議なフォルムで枝から枝へと飛び回る様には涎が出そうになる。良いものを見た。

しかし!! 今回の主役は残念ながら君ではないのだ!! 君には関東でも会うことができようが、アカショウビンはそうはいかない。サンコウチョウの印象が薄れてしまうのは仕方がないことだ。ちょっと相手が悪い。レンカクの前のムラサキサギが如きものなのだ。

ところが……出てこない。1時間半くらい待ったが出てくる気配がない。代わりにこんなものが出てきた。

カメの同定には自信がないが、写真を見比べる限りではミナミイシガメか亜種のヤエヤマイシガメという種類に見える。草むらに潜んでいたのだが、何かに驚いて慌てて池に向かっていった。

カメを眺めているうちに、待ち続けることに疲れてしまった。根気がない人間なので、待ちの探鳥にはなかなか耐えられない。本でも持ってくれば良かった。というわけで諦めて帰ることにした。

南国の暑さでだいぶ弱ってきていたのもあった。

帰りに「調整池」を覗いてみた。すると、池をシロハラクイナが泳いでいた。こちらの気配に気付くと、「ビクッ」として慌てて泳いで草むらに入っていった。かなり遠かったのだが、プレッシャーがかかってしまったようだ。


そのとき見つけた個体じゃないけど。

ともあれ、「地面を歩いている鳥はいい鳥だ!!!!」何故か得した気分になる。クイナの仲間は、国内ではクイナに続いて2種目。オオクイナを見つければ3種、ヒクイナも見つければ4種!! いないかな~

駐車場まで戻り、すぐそばにある広場を覗いてみた。この広場は休みの日には野球の練習などに使われているようだった。

広場を覗き込むと1羽のミフウズラとおぼしき、小さくて丸いやつが歩いていた。「あ!いた!」と思い、双眼鏡を手に取ると、こちらの気配に気付かれてしまった。

「!!」というマークがミフウズラの上に浮かんだ(ように思えた)。そして、テケテケテケテケと走り始めた。そのペースでは、間に合わないと思ったのか最後は少し飛んだ。そのまま藪の中に入り二度と発見できなかった。

飛んだ? ミフウズラって飛ぶものだっけ? 若干疑問が残ったが、鳥なんだから短距離飛ぶことくらいは出来るだろうと思い直して納得した。

地面を歩く鳥は可愛い。その可愛い奴らが、ビクっとして逃げ出す様は本当に愛らしい。野鳥にプレッシャーをかけてしまったわけだから本来少し反省しないといけないのだが、可愛いものはどうしようもない。

☆新規確認種☆

サンコウチョウ、シロハラクイナ

☆宮古島探鳥 確認種数☆

20種(+1種 アカショウビン)

New!

☆Life list No. 148 尻尾の長い鳥なーんだ? サンコウチョウに決まっておろう!!
☆Life list No. 147 シロハラクイナって泳げるのね

続き
「電線の上にいるそのハトは……」宮古島探鳥その8(2013年6月)