物書きタクシードライバー
中村慎太郎
東京生まれ、東京育ち。タクシー乗務の合間にブログ記事やサッカー旅記事、タクシーエッセイなどを書いている。
貧しさに……、負けたー……。
ブログの毎日更新をはじめて半月が経つのだが、毎日とまではいかなかったので何とか8割を達成することが出来た。
そんなタイミングで言おう!!
中村、毎日更新やめるってよ!!
決意したことをすぐにやめるというのはどういうことか。説明しよう!!
まず、毎日更新は新年、2021年元旦から始めようと考えていた。しかし、その時は11月末で、1ヶ月以上無駄に空いてしまう。その期間が無駄なので、多少無理をしてでも12月から始めることに↓。
結果、何とか更新は出来るのだが、いくつか気付いたことがあった。
まず、ブログ更新には予想よりも時間がかかるということだ。書く時間だけならそれほどかからないので、これがnoteの更新であればずっと楽であった。
しかし、ブログの場合は時間がかかる。何に時間がかかるかというと……。
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文章執筆 60分
コンバージョンの設定 10分
アフィリエイトリンクなどの取得 10分
アイキャッチ画像の作成 10分
Wordpress上の調整 15分
公開とシェア 10分
というわけで概ね2時間くらいかかるのである。
文章も、単に字を埋めるだけならもう少し早いのだが、ブログの書式に合わせて書くのは少し手間がかかるのだ。ここは慣れの部分もあると思うのだが、やはりこのくらいは時間がかかってしまうものだと考えるべきだろう。
短めの記事の場合は1時間半くらいで作成できることもあるのだが、逆に長い記事の場合は執筆時間が180分などに膨らむため、製作時間は4時間近くになる。
在宅ワークで専業の場合は、1日3記事ということも可能かもしれない。某有名ブロガー氏は1日20記事を作っていたとどこかで語っていたので、もう少し効率化することも出来るのだろう。とはいえ、有名ブロガー氏とぼくではビジネスについての感覚が異なっている。
ブログというメディアにおいては、ビジネス感覚が優れているかどうかが非常に大切なのだ。というのもブログというのは、好き勝手書いているようで、広告を載せないことには仕事にならないからだ。
ぼくの場合は半分以上は好き勝手書いているのだが、そのせいで仕事としての効率は非常に悪い。
ひじょーにわるい!
拙ブログ「はとのす」は20万PVを超える記事がいくつもあるそれなりに大きいブログなのだが、今まで稼いだが金額は50万円くらいではないだろうか。これが多いと考えると少ないと考えるかは難しいところなのだが、少なくとも専業としてやっていける金額ではない。
ともかく、ブログの更新には2時間はかかるというのが観測結果である。これはやってみないとわからないことで、非常に価値がある情報だと言える。
そのため、毎日ブログ更新をする場合に必要な時間は2時間×30日で60時間となる。少し長い記事やブログ自体の設定を見る時間もあるので80時間を想定しておくべきかもしれない。
一方で、どのくらいの時間執筆に費やせるのかも考えてみた。
まず、タクシーの乗務が基本は月に11回ある(本当は12回なのだが、今は1つ少ない)。そして、タクシーに乗ることによって2日間のうち22時間くらいは拘束される。休息と睡眠の時間を入れると36時間くらいは計算に入れておく必要がある。
ということは12時間余る。
……。
というのは机上の空論で、家族もいて、家事やら何やらあって、他にもイレギュラーの用事が入ることもあるので、出番と明番は3時間ずつしか取れないという結論に至った。いや、頑張れば4時間取れるか。ただ、4時間取るとかなりカツカツになる。
4時間ずつ取ったとして1乗務ごとに8時間ということは88時間が確保できる。そして公休のところでも一日6時間確保した場合にはさらに48時間が加算される。
つまり、持ち時間は136時間である。ここには飲みにいく時間、自分のための投資となる読書やインプットの時間が計算に入っていない。だから実質的には100時間くらいだと考えておいたほうが無難だ。
100時間と考えた時に、80時間も占有されるブログ更新は重すぎるのである。
残りの時間で、OWL magazineへの寄稿、編集、経理などの雑務、タクシー本の執筆などをこなさないといけないということになるのだが、考えるまでもない。不可能である。
不可能であるということは、タスクが次から次へと繰り越されていき、延々と遅滞していくことになる。
100時間あるとしたら、ブログ更新に使う時間は30〜40時間くらいが健全だろう。とすると、10~15記事程度は書けるということになる。つまり2〜3日に1本の更新ペースである。
残りの60時間があれば、OWL magazineの記事執筆に20時間使うことが出来るので(ぼくにタスクが集中するので燃費悪いんです、OWLは)、さらに40時間をタクシー本に使うことが出来る。
ぼくが今優先するべきは毎月締切がある上に、自分が責任者で、かつチームプレーであるOWL magazine。そして、自分にとって一番重要で、収入としても大きいタクシー本の執筆である。
とすると、ブログなんか始めなきゃ良かったじゃないかというご意見もあるかもしれないが、始めたことにはまったく後悔がない。
ブログを始めたことで時間の使い方がシャープになったし、より個人事業を展開していくことに自覚的になった。
また、やってみてわかったことは本当に多々あって、そこからいくつも企画が生まれた。その1つが、執筆効率を高めるための黙々執筆会の設定で、これによって1時間あたり平均6000字程度で生産出来るようになった。
最高速度は1時間8000字程度。旅記事は4000字を切る上に写真の捜索などに多大な時間がかかる。
ちなみにここまでで2300字書いていて、所要時間はちょうど20分なので、1時間6900字のペースである。この速度は、一人でも調子がいいときなら出せるのだが気が散りやすい性格だからコンスタントではない。黙々執筆会のメンバーがいるからこそ安定して高水準のスコアが出せているのは間違いない。
とくわけでブログの更新頻度は落としながらも継続する。他のタスクを落ち着けて、特に多大な労力を必要とする書籍執筆を何とかして、その上で少しずつ月間の更新数を増やしていく。そして、最終的には毎日更新という水準まで達することが出来るのが理想だ。
ちなみに、ブログを暫定的に始めて見たことで良かったことが3つ。
1つには、ブログのメインコンテンツとして、タクシーのネタを書いていくという道が見つかったこと。これはうまくやればビジネスとしても成立するし、今の自分の活動とのシナジーも非常に高い。
もう1つは、「文章力」というキーワードで自分の活動を統合することが可能だという気付きである。文章力によって自由な人生を切り開くというキャッチフレーズと共に、活動をPRすることが出来る。
ブログを作るということは、自分という人間の「棚卸し」をするようなものなので(そうではない作り方もあるが)、そういう意味でも初めて良かった。
最後に、あまり労力をかけずに更新出来るコンテンツを考えようということで「偏差値30からの東大受験」というショートショートの連載を思いついた。これは自分のことを書くだけなので非常に楽だし、読み物としても面白いものに出来る自信がある。
さらに、書いていくことで何か他の仕事にもつなげられそうな気がしている。
というわけで、毎日更新初めて良かった!でも2週間で撤退!!1年後には余裕の笑顔で毎日更新出来ていることを祈りつつ、ちょっと速いけどメリークリスマス(マキタスポーツ感)
中村慎太郎
東京大学文科Ⅱ類→文学部倫理学専修.
東京大学大気海洋研究所でアワビ類の行動を研究する.
その後、フリーランスライター/作家/ブロガーとなり『サポーターをめぐる冒険』(ころから)を上梓。サッカー本大賞2015を受賞.
現在はタクシードライバーをしながら、旅とサッカーを紡ぐウェブ雑誌“OWL magazine”を主催.
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