
書店員としてこっそりデビューしました。
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昨日は書店員としてのデビュー戦でした。
そう、しばらくは「世を忍ぶ仮の姿」として書店員として働くことになります。
まだ仮採用なので1ヶ月でお役御免になる可能性も微粒子レベルで存在(ネット用語でいう微レ存)しているわけですが、うまくフィットしそうかなという感じなので、書店員であるというところまではカミングアウトしておきます。
ブログでの何かを書くことについて打ち合わせはしていないので、ぼんやーり、ぼやかーしで、書いていきます。
正式に春以降も働くことになって、仕事に慣れてきたら、みなさん是非遊びに来てください。「渋谷の書店」という情報だけで、どこのお店かすぐにわかって、「今度ご挨拶に……」とメールをくれた超能力者のような方もいました。もちろん出版関係の方です。
作家という立場で出版業界にいるよりも、書店員として存在しているほうが、色々な方面とじっくり話せる機会が出来て面白い、というのが最初の感想です。
朝一でご来店していたお客様に話しかけて頂いたのですが、話しているうちにぼくの身の上話になって、『サポーターをめぐる冒険』と『Jornada』を後で読んでくれるというようなことを言って頂きました。
信州ご出身の方なので、是非長野パルセイロの章を読んで頂きたいところです。こういう出会いがこれから増えていくとしたら、これ以上楽しいことはないと思います。ぼくの本は、まだ書店には並んでいませんが、これから書き続けていくうちに、自分の働く書店に並んでいくとしたら、それはとても幸せなことです。
農家の直売所みたいな話なのか、あるいは農家が八百屋で働くというような話なのか。より深く出版と関われるのではないかという手応えはありました。
作家というのは孤独な作業であり、孤独で孤独で孤独すぎて、自己嫌悪やら人間不信やらのややこしいネガティブな感情につきまとわれます。
孤独な時間ももちろん大切にする必要はありますが、一方で、孤独ではない時間もしっかり持っていることはきっとプラスになるはずです。
さてさて、書店員1日目は、目立った作業はなく、並んでいる本を覚えていく作業を続けました。7時間勤務中6時間半くらいただひたすら本を眺めているという作業でした。後は、1日1つはポップを書くことに決めて、1つだけ書きました(字の練習をせねば……)。
大まかに言うと本を見ているだけの1日でしたが、これが本当に楽しい。次から次へと新しい本が発見されていき、最後の30分になってやっと目に付いた本もあります。
その本は、モウリーニョの自伝でした。
モウリーニョは、自称、世界最高のサッカー監督(Special One)で、結果は出すが、その後必ずチームが崩壊していくという短期決戦型のリーダーです。
ぼく自身がモウリーニョのことが好きになるかどうかを考えたことがありますが、たぶん最初は大好きになって2年目くらいからは大嫌いになるのではないかと思います。演技型、ナルシスト型のモチベーターなので、つきあい始めは刺激的なんだけど、段々と自己中心的なところが見えてきてうんざりしていくのかなぁと。
やたらめったら主張が強い、カリスマ型が中小企業の社長。キャバクラやスナックで自慢話をする圧力、火の如し。そんなタイプに思えます。
そのモウリーニョの自伝は、リーダーシップに関係する書棚にあったので、店舗入り口の平棚にこっそり並べてきた。先輩の女性書店員に許可を取りつつ。
「ねぇ、この人イケメンだから、入り口のところに置いても大丈夫かしら?」
「いいと思いますよ。好みじゃないけど。」
モウリーニョの女子受けは悪いのかと思いつつ、いつかフェルナンドトーレスの自伝を並べたい思った次第です(多分ないけど)。
裏付けを見ると知り合いばかり載っている本なので、個人的な理由で置いたようなところがありますけどね。というわけで、唐突ですが、翻訳者の澤山さんおめでとうございます(家族が増えて世界で一番幸せなパパになりました)。
書店の中の話は、こんなところにします。書店員日記的なものをブログで展開して行くのもいいと思うのだけど、相応の労力もかかるし、お店側が望むプロモーションの仕方というのもつかみ切れていないので、しばらくはアイデアだけ書き留めて封印しておくことにします。
あともう一つ!関係ないけどランチは、ずっと行きたかった牛かつ屋さんに行ってきました。街で働く最大のメリットは、これだ!!
今回は渋谷にある京勝というお店に行ってきました。牛カツというのは、中の牛肉は半生、外の衣はカリカリになっている食べ物です。
入ってから気付きましたが、京料理のテイストなので、赤味噌を使ったお味噌汁でした。牛カツをつける「タレ」が何種類もあるのが特徴的でした。わさび醤油、山椒塩、ソース、和風カレーつけ汁、半熟卵の5種類もあります!
まず、お皿に添えられているわさびを見て、喜びの声を上げてしまいました。そのまま食べても美味しい本わさびでございます。ちょっと洒落たお店であっても、ぐちゃぐちゃの粉わさびを出されてしまうと気持ちが萎えていってしまいますが、本わさびであれば確実に美味しく食べられます。
まずは、わさびだけを、ちょこっとだけ醤油につけて頂く。美味しい。鮮烈な香りが食欲を高めてくれます。
わさび醤油は、あっさりとした味わいでとても美味しい。これだけでもいいくらいです。と思って、山椒塩につけてみたら、こちらも美味しい。山椒特有の痺れるような鮮烈な刺激は、わさびとは違った刺激を与えてくれます。
次にソース。こちらは、ちょっと薄口なので、関東人としては物足りない。カレーつけ汁へ移行。こちらは、カレーうどんの汁をちょっと煮詰めたくらいの感じのつけだれで、濃厚でとても美味しい。ただ、ぼくの中では、牛カツはカレーじゃないかなという思いがあったので、すぐにわさび醤油に戻る。
最後につけてみた半熟卵。これが優勝でした。圧倒的に美味しい。なんでこんなに美味しいのだろうと思うくらい美味しい。卵の美味しさも、カツのサクサク感も、牛肉の美味しさも全部引き出されています。少々味が薄かったので、醤油を加えると、完璧なつけだれになりました。
会計が想定より高くてちょっと青くなりましたが、大満足のランチでした。ただ、これだけ食欲を増進されると、ちょっと牛カツが足りないなぁ。倍くらい欲しいところです。
お店に戻る途中、口の中がとても爽やかな美味しさで満たされていることに気付きました。なんだろうと思うと、これは多分、出汁!!出汁の余韻が残っていたようです。恐らく半熟卵と一緒に入っていた出汁汁に、「京料理のプライドをかけた出汁」が取られていたのでしょう。
帰り道に気付かされるとは……、士郎め、なかなかやりおるわ。半熟卵につけた時、本わさびもつけたらもっと美味しかったことにも気付いたので、少々値は張るけどまた行こうと思います。
ご飯入らないから、牛カツ二倍とビールでもいいんだよなぁ。夜のメニューでそんなのないかなぁ。
渋谷周辺で勤務しているサッカー仲間から、ランチ行こうとか、飲みに行こうとかいう声を大量に頂いたので、落ち着いたらそっちの活動も頑張ろう。街に出るのは楽しいことですね。体重と財布の管理は、計画的に。
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